仕事と介護の両立を支援するAI「SOIN-L(そわん エル)」をリリース
介護離職リスクとプレゼンティーイズム(生産性低下)を「見える化」。90万件の要介護者データを学習した“介護現場のプロAI”と就業規則RAGで、健康経営の「制度整備」から「成果」へ
株式会社シーディーアイ(代表取締役社長 濵岡邦雅、本社:東京都中央区、以下「CDI」)は、2026年7月31日、仕事と介護の両立を支援するAIソリューション「SOIN-L(そわん エル)」を正式にリリースいたしました。
SOIN-Lは、働きながら介護を担う「ワーキングケアラー(ビジネスケアラー)」の不安と負担を24時間365日・匿名で受け止める従業員向けAIコンシェルジュ機能と、人事・労務部門が組織全体の介護離職リスク・生産性低下リスクを定量的に把握する管理機能を、一体で提供します。従業員支援と人事のリスクマネジメントを一つの仕組みで完結させることで、企業の健康経営および人的資本経営の実効性向上を支援します。
■ 開発の背景:健康経営に残された“最後の空白地帯”としての介護
従業員の健康投資は、メンタルヘルス対策、生活習慣病予防、育児との両立支援の分野で大きく前進してきました。一方、次の3点で「介護」は多くの企業において健康経営の最後の空白地帯として残っています。
(1)代替の効かない中核人材の流出
介護を理由とした離職者は年間約10万人(経済産業省報告)にのぼり、その多くは組織の中核を担う40〜50代の管理職・専門職層です。採用市場での代替が難しく、一人の離職が組織能力そのものを損なう構造的リスクとなっています。
(2)測定されていないプレゼンティーイズム(生産性低下)
介護に伴う生産性低下は▲27.5%と試算されています。年収800万円の従業員1名で年間約220万円相当の労働損失に相当しますが、この損失は健康診断やストレスチェックでは捉えられず、多くの企業で計測されないまま放置されています。離職として顕在化する損失の背後に、その何倍もの“見えない損失”が存在します。
(3)「制度は整えた、しかし使われない」という実効性の壁
2025年4月に施行された改正育児・介護休業法により、介護離職防止のための雇用環境整備、個別の周知・意向確認、40歳などの節目における情報提供が企業の義務となりました。しかし介護はある日突然始まり、多くの従業員は職場に相談しないまま事態を深刻化させます。結果として「制度を整備したのに利用されない」「誰が当事者なのか把握できない」という課題が残り、法令対応が実際の離職防止に結びついていません。
SOIN-Lは、この3つの課題を「従業員への実務支援」と「人事による実態把握」の両輪で解決するために開発されました。
■ 人事・労務部門にもたらす4つの価値
価値1:見えないリスクを数値化し、健康投資の費用対効果を検証できる
人事・労務向け管理画面では、組織全体の「介護離職リスク」「生産性低下(プレゼンティーイズム)リスク」「ワーキングケアラー予備軍」をリアルタイムに集計し、対策によって回避できた「推計損失抑止額」を算出します。全社員向けの匿名アンケートによる経時推移の把握にも対応しており、健康投資の成果を金額で示せるため、経営会議・取締役会への報告や、人的資本開示における両立支援施策の説明にそのまま活用いただけます。
価値2:自社の制度を「使われる制度」に変える
自社の就業規則・介護休業規程をRAG(検索拡張生成)機能で学習させることで、AIが「自社の介護休業・時短勤務・フレックスタイムをどう組み合わせられるか」を、従業員の個別状況に即して具体的に提示します。加えて、最新の介護保険法・厚生労働省ガイドラインのデータベースを独自に参照するため、汎用生成AI(ChatGPT等)の一般論とは異なり、法令と自社制度の両方に整合した実効性のある提案が可能です。制度の認知度と利用率の向上に直結し、人事部門への個別問い合わせ対応工数も軽減します。
価値3:相談されないという最大の障壁を取り除く
仕事と介護の両立に伴う精神的・時間的ストレスに配慮し、24時間365日・匿名で相談できるUI/UXを設計しました。親しみやすいAIキャラクターとの対話や、タップ中心の選択肢形式の問診票UIにより、長文入力を必要とせず、従業員が気軽に悩みを言語化できます。上司や人事に打ち明ける前の段階で支援に接続することで、「隠れケアラー」を早期に支援対象へと導きます。
価値4:「介護が始まる前」からの一次予防に踏み込む
「見守りチェック」「フレイルリスク診断」「介護未来予測」により、まだ介護を必要としない高齢家族のわずかな状態変化や、3年以内の要介護化リスクを早期に可視化します。健康経営が重視する一次予防の考え方を従業員本人からその家族にまで広げることで、介護が始まるタイミングそのものを後ろにずらし、従業員がケアラーになること自体の先送りを可能にします。
■ 信頼性の基盤:介護のプロが日常業務で使うAIを、そのまま従業員のご家庭へ
SOIN-Lは、介護現場の専門家であるケアマネジャーが実務で活用する当社「SOIN(そわん)」(90万件超の要介護者データを活用した自立支援型ケアマネジメントAI)と連携しています。専門知識のない一般のご家族でも、質問に答えるだけで専門家水準の精度のアドバイスや「パーソナルレポート」等の視覚的アウトプットを得られる点が、汎用AIチャットボットや外部相談窓口の紹介に留まる既存の福利厚生サービスとの決定的な違いです。

■ 健康経営・人的資本経営との接続
近年、健康経営の評価においては、メンタルヘルスや生活習慣病対策に加え、育児・介護との両立支援に関する取り組みが問われるようになっています。また人的資本開示においても、離職の状況や両立支援制度の利用実態は投資家・ステークホルダーの関心事項です。
SOIN-Lは、①従業員向け支援ツールの提供という「施策の実施」、②利用状況とアンケートによる「参加・浸透の記録」、③リスクと抑止効果の「定量化」という健康投資の一連のプロセスを、一つの仕組みで完結させます。これにより、健康経営度調査への回答や、統合報告書・有価証券報告書における人的資本の記述に必要なデータを、継続的かつ実態に即して蓄積することが可能です。
■ 今後の展望
「SOIN-L」はWebアプリケーションとしての特性を生かし、ご利用企業と従業員の声を短サイクルで機能化・継続改善してまいります。今後はセルフケアマネジメント支援機能やAIナビゲーションの対応領域拡張を進め、「介護が始まる前」から企業と従業員を支えるインフラとして、介護離職ゼロの社会づくりに貢献してまいります。
《会社概要》
会社名:株式会社シーディーアイ(CDI)
中立性・独立性を備えた立場で「介護×AI」のイノベーションを推進し社会課題解決に挑戦する事を目的として、2017年に官民ファンド・介護関連事業会社・金融機関などにより設立。日本初の自立支援型AIケアプランシステム『SOIN』を商用化。蓄積する介護ビッグデータと解析ノウハウを応用し、自立した高齢者生活の実現と、データを活用したシニア向けビジネスの創出に挑戦し続けるエイジテックAI企業です。
AIケアプラン SOIN(そわん):https://soin.tech/
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