台湾文化センターが誠品生活日本橋と【台湾Culture Meeting】を共催決定
台湾センターは今年誠品生活日本橋と【台湾Culture Meeting】を共催します。
今年は今までと違い、シーズンごとに主題テーマを設け、書店展示や講座開催などの方式で、台湾作家の日本市場進出を後押しし、台湾文学界が誇る名作の数々を日本の読者にお届けします。
今年は今までと違い、シーズンごとに主題テーマを設け、書店展示や講座開催などの方式で、台湾作家の日本市場進出を後押しし、台湾文学界が誇る名作の数々を日本の読者にお届けします。
今年第一弾のテーマは台湾の歴史です。
蔡素芬(サイ・ソフン)をはじめ、陳柔縉(チェン・ロウジン)などの台湾の作家による台湾の歴史を題材としたおすすめの名作を紹介します。今週からテーマに沿った台湾作家の関連中文著作及び日本語訳作品を誠品書店日本橋のコーナーに展示スタート。お時間ある方、ぜひ見に行ってくださいね。
また、近いうちに台湾作家を招いてオンライントークイベントを開催する予定となっております。詳細決まり次第、改めて告知します。
皆様ぜひこのイベントを通して台湾文学の世界をお楽しみください。
中文書紹介のリーフレット、今当センターと誠品生活日本橋で無料配布中。
PDF版ダンロードリンク→
https://mocfile.moc.gov.tw/files/202105/63fe608f-44e0-4e0c-bdd1-6a1e49238ed7.pdf
今シーズン注目の作家_蔡素芬(サイ・ソフン)1963年生まれ、台湾・淡江大学中国語文学学科卒業の後、アメリカ・テキサス大学サンアントニオ校大学院へ留学。高校の頃より小説を書き始め、若くして数々の文学賞を受賞する。装飾を削ぎ落とした内省的な筆致で、女性作家ならではの繊細な心理描写を作風とし、やわらかな眼差しで歴史を捉え、新たな地平を台湾の郷土小説に切り拓いてきた。1993年、『明月(原題:鹽田兒女)』で、聯合報長編小説賞を受賞。同作は、後に台湾の公共テレビ(公共電視)でドラマ化される。1998年、『オリーブの樹(原題:橄欖樹)』で中興文芸賞を受賞。2014年、三作目の『おしゃべりな星たち(仮題/原題:星星都在說話)』を刊行。20年という時を費やして完成させたトリロジーは、主となるエピソードこそ違うものの、登場人物は相互に関連を持つ。台湾の異なる世代を取り巻く社会環境が丁寧にあぶり出され、各々の人生のめぐり合わせが描き出されている。
著書はそのほかにも、長編小説の『姉妹書(仮題/原題:姐妹書)』、『キャンドルの饗宴(仮題/原題:燭光盛宴)』、短編小説集の『台北駅(仮題/原題:台北車站)』、『海辺(仮題/原題:海邊)』『花の涙をあしらった象(仮題/原題:別著花的流淚的大象)』などがある。『キャンドルの饗宴』は、週刊アジアが選ぶ十大華語小説ならびに台湾出版界の最高栄誉「金鼎獎」に輝く。2021年、実に5年ぶりとなる長編作品『藍い家(仮題/原題:藍屋子)』を新たに発表。台湾の歴史背景がダイナミックに練り込まれた、ファンタジー小説となっている。
日本の読者の皆さまへ
「ご愛読ありがとうございます。読書は、私たちの心を通わせてくれます。異文化へのいざないに導かれてみませんか……もしかしたら向こう側に、あなたの心に深く刻まれる何かがあるかもしれません」──蔡素芬
今シーズン一押しの一冊『藍い家』一客の錫製タンブラー、菊の形をした一枚の鉄鋳、一台の掛け時計または羅針盤…、一つひとつの物に刻まれたさまざまな物語。一体、誰が遺していったのだろうか? これらの物たちに並々ならぬ情熱を注いだであろう持ち主は、どういう訳で置き去ったのか? これらの物たちはまた見知らぬ誰かの手に渡るのだろうか? ──数々の古い物に秘められた記憶やストーリーをなぞることで、数百年にもわたって植民地支配された台湾の歴史を立体的に浮かび上がらせる、蔡素芬待望の長編小説。
小説の主人公である空間デザイナーの華生(ファシェン)は、とある美術店から藍い家が描かれた一枚の絵を気に入り持ち帰った。洋式ながらも門の扉の把手は東洋的な獅子の頭の門鈸となっており、ツヤやかな光沢は旅情を掻き立てた。吸い込まれるかのように近づき、触れた瞬間……華生は絵の中へ迷い込んでしまう。異空間での旅路を進めるはめになるも、絵の中の物たちに次第に惹かれ執着していく。同じ頃、宮崎県で長年ホテル勤務をしていたガールフレンドの露西(ルーシー)は台湾へ戻り、淡水の埠頭にある老舗旅館で働きはじめる。華生に代わって大航海時代の交易について調べていくうちに、幾世代にもわたって守られてきた旅館の歴史を遡ることとなる。
一枚の絵によって、開かれた藍い家と名付けられた門の扉。港の旅館を通して、再び解き明かされる淡水の貿易史。古い物たちに秘められた想い、行間からほとばしり出る謎を解き明かしたい欲望……怪奇幻想なタッチで綴られた本作は、物に隠された異世界流浪物語を辿る旅でもある。
1950年代の台南を舞台に、破綻した婚姻と己の運命を受け入れた人々のしたたかで真摯な姿を描いたヒット作。海風に打たれ、炎天に晒されてもただじっと耐え忍び、規範に縛られた保守社会を慎ましく生きる女性の葛藤が、滋味深い文章で綴られている。台湾で累計10万部を突破したベトセラー小説。
『明月』の続編。時はフォークソング黄金期の1980年代。遠い場所に馳せる思いや憧れを歌った一曲の民謡が、台湾の大学生の間でもてはやされる。2世代にまたがる母娘の生き様と恋の行方、そして夢追う若者たちの青春が、みずみずしい筆致で描かれている。
『明月』三部作の最終章。紆余曲折の後、遠く離れた場所に根を下ろし、そこで20数年という月日が過ぎ去っても、愛や結びつきに対する渇望は満たされることはなかった。若者たちが台湾を飛び出し、起業をし、そして再び郷里に足を踏み入れる……登場人物たちのその後の展開をなぞりながら、市井に生きる人間の根底を真摯に問う。
台湾とアメリカ、太平洋で隔てられた姉妹の往復書簡。恋や結婚、日常におけるさまざまな気づきが、平易ながらも温かい言葉で交わされていく。喜怒哀楽に満ちた暮らし、互いを思いやる姉妹の笑いと涙が詰まった一冊。
歴史の荒波に激しく運命を翻弄された3人の女性の物語を交差させ、そこに作家の自己投影も重ねてつなぎ合わされたシスターフッド小説。揺れ動くナショナル・アイデンティティに一筋の光を灯す。
台湾の歴史を題材としたおすすめの名作
台湾の歴史に関する本を数多く著してきた陳柔縉(チェン・ロウジン)初の時代小説。日本統治時代の打狗港を舞台に、時代の大きなうねりの中たくましく生き抜いた、高雄に生まれた女性の波乱万丈に満ちた生涯と、ノスタルジックな時代の雰囲気を丁寧に描いた意欲作。
彼の絵は謎に満ち、彼の名前は決して口にしてはならない公然の秘密だった──。古い絵の修復依頼によって、台湾の美術家・陳澄波(ちん・ちょうは)の数奇な生涯が、次第に紐解かれていく。日本統治時代と戒厳令が解かれる前夜、2つの時間軸から紐解く歴史ミステリー小説
昭和13年、招待を受け渡台したある日本の女流作家が、通訳と一緒に縦貫鉄道沿線を遊歴して回った架空の滞在記。まったく異なる環境下で生まれ育ったふたりは、食と旅を通して互いの絆を深めていく。けれども戦争の足音はじわじわと押し寄せてくる。時代に翻弄される彼女たちの運命はいかに?
本作は時間旅行の指南書である。目的地は1895~1945の台湾。日本統治下における台湾庶民の暮らしはどのようなものだったのか? 導き役で歴史評論家の蔣竹山(ジャン・ジューシャン)とともに時代の声に耳を傾け、活気に満ちた百年前の台湾島の暮らしが模擬体験できる一冊。
主人公の人生そのものが、日本統治から戒厳令が解かれるまでの台湾近現代史の縮図といえる。史実に基づいて描かれたマンガを通して、外来政権に抑圧され続けた、台湾が歩んだ有為転変の険しい道程をゆっくりと語り出す。たとえ傷だらけになっても、闇を照らす一筋の光が消えることはない。
編集・執筆/王琦柔、聯経出版編集部
翻訳/池田リリィ茜藍
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