【circusAGENTトレンドレポート】エージェント採用の動向|事務職求人(2025年上半期)
事務職採用は「買い手市場」が顕著に。求人の9割が「経験不問」、紹介手数料の料率は13%台の低水準。
circus株式会社(所在地:東京都中央区、代表取締役:⽮部 貴志)は、⼈材紹介プラットフォーム「circusAGENT」に掲載された求⼈データ(2025年4⽉〜9⽉)をもとに、事務職のエージェント採⽤トレンド調査を行いました。

調査概要
本調査は、人材紹介プラットフォーム「circusAGENT」に掲載された求人データに基づき、事務職の中途採用市場の動向を分析したものです。求職者および採用担当者双方にとって有益な情報を提供することを目的としています。
分析職種 事務職
分析対象 circusAGENT上で2025年4月1日~9月30日の期間内に推薦実績がある事務職求人
分析業界 求人掲載数が300件以上ある6業界の4,463件に絞り分析を実施
※本調査における「経験」は、社会人経験ではなく、同職種の経験有無を指します。
※本調査結果はcircusAGENTに掲載された求人データを元に独自に集計・分析したものであり、国内全ての求人市場を代表するものではありません。
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調査結果サマリ
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事務職の求人は全体で約9割が「事務経験なし」でも応募可能であり、未経験者の採用が一般的になっていることが分かりました。特に人材・BPO業界では95.9%が経験不問と突出しており、客先常駐型のアウトソーシング需要などが背景にあると考えられます。
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紹介手数料の中央値は全体で13.9%でした。専門職では経験の有無で料率が跳ね上がるケースも見られますが、事務職においてはその差が比較的緩やかであり、経験者採用においても極端なコスト高騰は起きにくい構造が見て取れます。
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想定年収中央値は全体で360万円で、経験者(450万円)と未経験者(340万円)の差は110万円でした。この差はIT・Webサービス業界やコンサルティング業界で大きく、人材・BPO業界では小さいなど、求められる専門性(数値管理やマルチタスクスキル、資格等)によって評価が異なることが分かりました。
Ⅰ.採用要件に関する動向
1.経験別求人数割合:「経験不問」が約9割、ただし求められる素養は業界で変化

事務職の求人では、全体で約9割が未経験者も応募可能な結果となりました。多くの企業が事務職において職種経験そのものよりも、社会人としての基礎や適性、マインドセットといった素養を重視しています。
未経験者の採用に特に積極的な業界
中でも、人材・BPO業界(経験不問:95.9%)と広告・PR・マスコミ業界(経験不問:94.8%)では95%近くが職種経験を問わない結果となりました。特に人材・BPO業界では、客先常駐の形での勤務が多く、大規模な人員需要に応えるためにポテンシャル採用が中心となっている背景があります。
経験者を求める傾向が見られる業界
コンサルティング業界(経験者のみ:20.3%)やサービス業界(経験者のみ:17.0%)では、他業界と比較して経験者向けの求人割合がやや高い傾向が見られました。ここでは、単なる事務処理だけでなく、数値管理経験やマルチタスクスキルといった、より高度な実務能力が求められるケースがあります。
2.最終学歴:学歴不問・高卒以上が8割超、コンサル業界は学歴重視の傾向

事務職の求人全体において、「学歴不問」(38.8%)と「高卒以上」(41.6%)を合わせると約8割を占める結果となりました。
学歴不問・高卒以上が8割を占める業界
業界別に見ると、IT・Webサービス業界(学歴不問:46.0%)やコンサルティング業界(学歴不問:45.8%)で学歴不問の比率が高く、スキルや適性を重視する実力主義の傾向が推察されます。一方で、人材・BPO業界(高卒以上:58.0%)や不動産・建築・土木業界(高卒以上:49.7%)では、「高卒以上」を求める割合が高くなっています。
大卒以上を求める傾向が見られる業界
また、コンサルティング業界(大卒以上:23.6%)は、全体(11.9%)の2倍近い水準となっており、大卒以上を求める割合が突出しています。
Ⅱ.待遇に関する動向
想定年収中央値:全体中央値は360万円、専門スキルや資格が評価の鍵

事務職全体の想定年収中央値は360万円であり、経験者向けは450万円、未経験者向けは340万円となりました。
年収水準が高い業界
不動産・建築・土木業界(380万円)が最も高い水準となり、次いでコンサルティング業界(375万円)、サービス(無形)業界(375万円)が続きました。不動産業界においては、宅地建物取引士(宅建)などの資格保有者が評価されやすく、それが年収水準を押し上げている可能性があります。
経験の有無による年収差
経験者向けと未経験者向けでは、全体で110万円の差が出ました。特にIT・Webサービス業界(差額 -157万円)やコンサルティング業界(差額 -134万円)では、経験者が高く設定される傾向が顕著です。一方、人材・BPO業界(差額 -36万円)などは差が小さく、業界によって「経験」への対価が大きく異なることが分かります。
Ⅲ.採用コストに関する動向
紹介手数料中央値・料率:経験有無による料率差は7.5%に留まる。コスト構造が事務職の「買い手市場」傾向を示唆

人材紹介会社経由で採用した際の採用費用の参考値として、紹介手数料を分析しました。
事務職全体の紹介手数料中央値(金額)は50.0万円、料率は13.9%となりました。業界別では、広告・PR・マスコミ業界(19.1%)やコンサルティング業界(16.0%)が比較的高いものの、全体的にコストは抑えられている傾向にあります。
経験の有無による料率差が小さい傾向
これまでの職種で顕著に見られた「経験の有無による料率の大きな差」が、事務職では比較的小さいことも特徴です。「事務経験あり(22.2%)」と「事務経験なし(14.7%)」の料率差は7.5%に留まりました。
この全体的な料率の低さと経験有無による差の小ささは、事務職の採用市場が「買い手市場」であり、採用難易度が相対的に低いことを示していると推察されます。
Ⅳ.総括
今回の事務職の調査では、「事務経験なし」でも応募可能な求人が約9割を占め、紹介手数料の料率も全体で13.9%と、他職種(営業職・IT技術職)と比較して著しく低い水準であることが明らかになりました。これは、採用市場において事務職特有の「求職者過多・求人不足」という需給バランスを反映しており、採用難易度が相対的に低いことを示しています。
AIの普及により、定型的なバックオフィス業務が代替されるとの予測がある中で、この採用コストの低さや未経験者採用の間口の広さは、今後も継続する可能性があります。一方で、コンサルティング業界のように、大卒以上を求め、経験者の採用に比較的積極的な業界も存在します。今後は、AIに代替されやすい「定型業務」と、高度なITリテラシーや専門知識を要する「専門サポート業務」とで、事務職採用の二極化が進むことが考えられます。
当社は、今後も継続的にこの事務職の求人動向を定点観測し、市場の変化を調査してまいります。特にAIの普及が、事務職の採用要件、年収、採用コストにどのような影響を与えていくのか、他職種との比較も行いながら注視し、企業の採用戦略立案に資する多角的な情報を提供してまいります。
circusAGENTについて
「circusAGENT」は、採用企業とエージェントの取引を効率化するBtoBプラットフォームです。 採用企業がプラットフォーム上に求人を掲載することで、登録しているエージェントに対して一括で紹介依頼が可能となります。 2025年12月現在、約1,500社のエージェントが登録しており、掲載中の求人数は約100,000件です。

circus株式会社について
circus株式会社は、「ともに、HRに正解を。」をミッションに掲げ、HR領域における構造的な課題に、テクノロジーと人の力の両面から挑むHRTech企業です。
採用企業とエージェントを繋ぐプラットフォーム「circusAGENT」をはじめ、企業人事向け業務支援SaaS「circusHR β」、求職者とキャリアアドバイザーをマッチングする「転職AGENT Navi」など、HR領域における構造的な課題に応えるプロダクトを展開。採用・転職・経営判断などの、あらゆる意思決定を支えるビジネスインフラの構築に取り組んでいます。
業界最大級のデータ基盤と、ユーザー起点で設計されたプロダクト、そして現場に根ざした「おせっかい」な支援スタイルを強みに、人と組織が「後悔のない意思決定」をあたりまえにできる社会の実現を目指しています。
所在地:〒104-0031 東京都中央区京橋1-13-1 WORK VILLA KYOBASHI 9F
代表者:代表取締役 矢部 貴志
設立日:2017年7月
資本金:29,560,000円(資本準備金含む)
事業内容:HR Tech・プラットフォーム事業、人材獲得支援事業
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