「パスポートを利用した予防接種管理および入国審査支援ソリューション(VICSA)」 WHOが公認化
~国内100万人以上の利用実績を持つ「harmoワクチンケア」の技術を基に、GVE株式会社と共同提案~
シミックホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:中村 和男)は、COVID-19に続く新たなパンデミック発生を想定し国境を越えた人の移動を円滑に継続することを目的とし、GVE株式会社と共同研究を実施してまいりました。このたび、当該研究の成果として創案した「パスポートを利用した予防接種管理および入国審査支援ソリューション」のコンセプトが、2024年9月9日付でWHO Digital Clearinghouse(※)の審査を通過し、2024年9月9日付でWHO公認のソリューションとして各国政府向けのオンラインカタログに掲載されました。
※WHO Digital Clearinghouseは透明性が高くグローバルな基準に基づき、デジタルヘルスソリューションを公正に評価するWHO内の機構
・WHO Digital Clearinghouseカタログ掲載サイト(英文)
https://dch-test.who.int/search-solution/464bc445-7771-420c-a495-13ce4a80c000
■開発の背景
2020年に始まったコロナウィルスの流行に伴い、海外渡航時にワクチン接種の記録呈示を求める動きが各国で起こりました。例えば日本では、国内から海外に渡航する際に、デジタル庁のワクチン接種記録システム(VRS)で登録された情報を基に予防接種証明書が発行されました。しかし、他の国においてもそれぞれが異なるシステムでワクチン接種履歴の管理を行い始めたため、日本と互換性のないデジタル証明書及び紙の予防接種証明書で多大な時間と手間を費やして入国審査が行われました。
これは日本だけではなく諸外国に共通の課題として爪痕を残し、再びパンデミックが発生した時でも世界共通の方式によって他国との人的交流をスムーズに継続できる方法がWHOにより求められていました。
■提案するシステム
上記背景を鑑みて、弊社とGVE株式会社で研究開発を実施し「パスポートを利用した予防接種管理および入国審査支援ソリューションVICSA(Vaccination Information Check System at Airports)」のコンセプトを創案しました。
本ソリューションの採用国(以下採用国)は、「国民のワクチン接種履歴および入国条件を設定するシステム」および「空港でパスポートを読み込み入出国判定を実施するシステム」の2つのシステムを用いて、採用国同士の国民の相互移動をサポートします。「国民のワクチン接種履歴および入国条件を設定するシステム」では、採用国の国民に関するワクチン接種記録とパスポート番号を紐づけたデータベースの管理、および採用国独自のワクチン接種に関する入国条件の設定を行います。「空港でパスポートを読み込み入出国判定を実施するシステム」では、渡航者のパスポートに埋め込まれたICチップから取得したパスポート番号を基に各渡航者の接種記録を参照し、同時に取得する渡航先の入国条件から、入国可否の判断を行います。
本システムの採用により、採用国の国民は従前通りパスポートを所持するだけで、スマホなどでワクチン接種記録の管理をすることなく、円滑にパンデミック時のワクチン接種記録に基づく入出国審査を受けることが可能となります。
・VICSA(Vaccination Information Check System at Airports)の詳細(英文)
https://www.gve.net/en/business/feru/vicsa/
■共同研究について
本システムの開発にあたり、シミックホールディングス株式会社およびGVE株式会社は共同研究を実施してまいりました。その理由は、各社が持つ技術を融合させることにより、実用性と安全性を向上させることにつながると判断したためです。両社の有する技術は下記になります。
・シミックホールディングス株式会社:直轄の研究開発組織であるCCO Lab(所長:福士岳歩)が開発した①自治体によるコロナワクチン接種を管理する「harmoワクチンケア」に関連する技術、および、②パスポートを利用したワクチン接種記録管理および接種証明書発行システムに関連する技術。
①の技術は2021年~2024年にコロナワクチン接種の安全管理に使用され、200を超える自治体を通じて100万人以上の接種記録管理、接種間隔チェック等に貢献しました。②の技術は2021年~2023年に外務省・厚労省が実施した海外在留邦人等向けワクチン接種事業に採用され、成田空港・羽田空港において3万人以上の安全な接種および接種証明書の発行に活用されました。
・GVE株式会社:中央銀行通貨のデジタル化を実現するため、「情報分散管理技術」と「アクセス権限制御技術」により構成される特許化されたセキュリティインフラ技術。
■今後について
WHOのカタログを経由して各国政府より問い合わせをいただいた場合、各国の実状を鑑みて本コンセプトをどのように社会実装していくかにつき、シミックホールディングス株式会社およびGVE株式会社の両社で検討を進めてまいります。
シミックホールディングス株式会社は今後も日本発の技術創出を志し、グローバルな社会課題の解決に向けて貢献を続けてまいります。
■ご参考
・空港入国審査官用システムデモ動画:https://youtu.be/BrRnaMVlo3U
■シミックグループについて
シミック(CMIC)は、1992年に日本で初めてCRO(医薬品開発支援)事業を開始し、今では開発から製造、営業・マーケティングまでの医薬品に関する総合的な支援業務を提供しています。製薬・バイオテクノロジー・医療機器等の海外企業の日本市場参入や、アジアでの臨床試験実施、米国と日本における医薬品開発および製造のサポートなども展開しています。また、シミックは個人や自治体を支援する新しいヘルスケアソリューションを提供しており、製薬企業のバリューチェーンを全面的に支援する豊富な経験と実績を基盤として、“個々人の健康価値を最大化”する事業モデルPHVC("Personal Health Value Creator”)の展開を目指しています。シミックグループは、世界中に7,500人を超える従業員とグループ会社28社を擁しています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。
https://www.cmicgroup.com/
■GVE株式会社について
GVEは、2023年に世界で初めてCBDCおよび民間銀行の決済のデジタル化を、一つのプラットフォームで、今までに存在しないレベルでのセキュリティを低価格で提供できる決済インフラの開発に成功しました。弊社のインフラは、2016年にアメリカのセキュリティ専門家団体であるNational Institute for Standards & Technologiesが発表した2030年頃に量子コンピュータを使ったハッキングが金融などで起こるという警笛に対して、そのソリューションがあることを確信したメンバーが、2017年11月に設立しました。詳しくはホームページをご覧ください。
https://www.gve.net/jp/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像