ヘルステック研究所、京都大学・沖電気工業株式会社との共同研究-スマートフォンアプリによる睡眠改善の有効性に関する論文が国際学術誌に掲載されました-
株式会社ヘルステック研究所(本社:京都府京都市 代表取締役:阿部達也、以下 ヘルステック研究所)は、国立大学法人京都大学(所在地:京都府京都市 学長:湊 長博、以下 京都大学)と沖電気工業株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:森 孝廣、以下 OKI)と、スマートフォンアプリを通じて個別化された行動変容メッセージを送る睡眠プロンプトアプリケーション(SPA)を開発し、このアプリケーションを用いた臨床試験が睡眠の問題を抱えた働く世代を対象に実施され、睡眠改善効果が実証されました。
なお、本研究の成果は、2022年7月25日に国際学術誌「Journal of Medical Internet Research」に掲載されました。
なお、本研究の成果は、2022年7月25日に国際学術誌「Journal of Medical Internet Research」に掲載されました。
■背景
近年、不眠症は高頻度にみられ、労働者の不眠は、人的および様々な社会経済的損失をもたらす[杦本1] ため、重要な社会課題の一つとなっています。また、不眠症治療に関する日本のガイドライン(注1)では、薬に頼らず睡眠改善する認知行動療法(以下CBT-I、注2)の有効性が示されていますが、専門家が不足しており、提供機会が限られています。最近では、CBT-Iの技法の一部を実装するスマートフォンのアプリケーションなどが開発されていますが、症状が軽度の不眠を含む臨床試験での有効性は十分検討されていませんでした。
■研究概要
CBT-Iを応用したスマートフォン向けのアプリケーションとして、「睡眠プロンプトアプリケーション(SPA)」を開発し、不眠に対する有効性を検証しました。
このアプリケーションは、OKIが保有する行動変容技術(注3)を用いて、個人の状態やタイミングに合わせて睡眠改善行動を誘発するプロンプトと呼ばれるショート・メッセージを送信できる、CBT-Iを応用したスマートフォン向けのSPAを3者共同[広報部2] で開発したもので、ヘルステック研究所が京都大学と共同開発した生涯PHRアプリケーション「健康日記」の上で動作するよう構成されたものです。
2020年11月から2021年3月まで京都大学が行った臨床試験では、睡眠の問題を自覚する労働者116名を対象として、4週間の介入期間で並行群間無作為化対照試験(注4)を行い、睡眠の問題を自覚する労働者を対象とするしてSPAによる不眠の改善の有効性を検証しました。
■研究の成果
2020年11月から2021年3月まで京都大学が行った臨床試験では、睡眠の問題を自覚する労働者116名を対象として、4週間の介入期間で並行群間無作為化対照試験(注4)を行いました。その結果、睡眠の問題を自覚する労働者においても、不眠症の労働者(注5)においても、不眠重症度を示す評価尺度であるISI(Insomnia Severity Index)の有意な改善効果を確認しました。これにより睡眠の問題を自覚する労働者を対象とした臨床試験において、SPAの有効性を実証しました。なお、脱落率はSPA利用者のうち3.2%でした。
<用語解説>
注1:不眠症治療に関する日本のガイドライン
睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン、厚生労働科学研究・障害者対策総合研究事業「睡眠薬の適正使⽤及び減量・中⽌のための診療ガイドラインに関する研究班」および⽇本睡眠学会・睡眠薬使⽤ガイドライン作成ワーキンググループ 編
http://www.jssr.jp/data/pdf/suiminyaku-guideline.pdf
注2:認知行動療法(CBT-I, Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia)
睡眠薬に頼らず、睡眠を妨害するような生活習慣や悩みごとに焦点を当て、身体に染み付いた“くせ”を見直しながら適切な睡眠習慣を取り戻す治療方法
注3:行動変容技術
IoTによる状況把握と行動科学や健康心理学の知見を活用して、ひとりひとりの生活習慣に応じた最適な健康行動の促進メッセージをタイムリーに提示、行動変化を促す独自の技術
注4:並行群間無作為化対照試験
研究の対象者を2つ以上のグループにランダムに分け、治療法などの効果を検証する試験方法。ランダムにより、被験者がバランスよく分かれるため、介入効果を公平に比較可能
注5:不眠症の労働者
ISI(Insomnia Severity Index)8点以上の被験者を不眠症として区分し、サブグループ解析を実施
■論文タイトル
Providing Brief Personalized Therapies for Insomnia Among Workers Using a Sleep Prompt App: Randomized Controlled Trial(労働者の不眠症に対する簡易な個別治療を提供するスマートフォン向けの睡眠プロンプトアプリケーションの有効性:ランダム化比較試験)
■著者
Tomonari Shimamoto, Ryuji Furihata, Yukako Nakagami, Yukiko Tateyama, Daisuke Kobayashi, Kosuke Kiyohara, Taku Iwami
■掲載誌
Journal of Medical Internet Research(https://www.jmir.org/2022/7/e36862/)
DOI: 10.2196/36862
近年、不眠症は高頻度にみられ、労働者の不眠は、人的および様々な社会経済的損失をもたらす[杦本1] ため、重要な社会課題の一つとなっています。また、不眠症治療に関する日本のガイドライン(注1)では、薬に頼らず睡眠改善する認知行動療法(以下CBT-I、注2)の有効性が示されていますが、専門家が不足しており、提供機会が限られています。最近では、CBT-Iの技法の一部を実装するスマートフォンのアプリケーションなどが開発されていますが、症状が軽度の不眠を含む臨床試験での有効性は十分検討されていませんでした。
■研究概要
CBT-Iを応用したスマートフォン向けのアプリケーションとして、「睡眠プロンプトアプリケーション(SPA)」を開発し、不眠に対する有効性を検証しました。
このアプリケーションは、OKIが保有する行動変容技術(注3)を用いて、個人の状態やタイミングに合わせて睡眠改善行動を誘発するプロンプトと呼ばれるショート・メッセージを送信できる、CBT-Iを応用したスマートフォン向けのSPAを3者共同[広報部2] で開発したもので、ヘルステック研究所が京都大学と共同開発した生涯PHRアプリケーション「健康日記」の上で動作するよう構成されたものです。
2020年11月から2021年3月まで京都大学が行った臨床試験では、睡眠の問題を自覚する労働者116名を対象として、4週間の介入期間で並行群間無作為化対照試験(注4)を行い、睡眠の問題を自覚する労働者を対象とするしてSPAによる不眠の改善の有効性を検証しました。
■研究の成果
2020年11月から2021年3月まで京都大学が行った臨床試験では、睡眠の問題を自覚する労働者116名を対象として、4週間の介入期間で並行群間無作為化対照試験(注4)を行いました。その結果、睡眠の問題を自覚する労働者においても、不眠症の労働者(注5)においても、不眠重症度を示す評価尺度であるISI(Insomnia Severity Index)の有意な改善効果を確認しました。これにより睡眠の問題を自覚する労働者を対象とした臨床試験において、SPAの有効性を実証しました。なお、脱落率はSPA利用者のうち3.2%でした。
<用語解説>
注1:不眠症治療に関する日本のガイドライン
睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン、厚生労働科学研究・障害者対策総合研究事業「睡眠薬の適正使⽤及び減量・中⽌のための診療ガイドラインに関する研究班」および⽇本睡眠学会・睡眠薬使⽤ガイドライン作成ワーキンググループ 編
http://www.jssr.jp/data/pdf/suiminyaku-guideline.pdf
注2:認知行動療法(CBT-I, Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia)
睡眠薬に頼らず、睡眠を妨害するような生活習慣や悩みごとに焦点を当て、身体に染み付いた“くせ”を見直しながら適切な睡眠習慣を取り戻す治療方法
注3:行動変容技術
IoTによる状況把握と行動科学や健康心理学の知見を活用して、ひとりひとりの生活習慣に応じた最適な健康行動の促進メッセージをタイムリーに提示、行動変化を促す独自の技術
注4:並行群間無作為化対照試験
研究の対象者を2つ以上のグループにランダムに分け、治療法などの効果を検証する試験方法。ランダムにより、被験者がバランスよく分かれるため、介入効果を公平に比較可能
注5:不眠症の労働者
ISI(Insomnia Severity Index)8点以上の被験者を不眠症として区分し、サブグループ解析を実施
■論文タイトル
Providing Brief Personalized Therapies for Insomnia Among Workers Using a Sleep Prompt App: Randomized Controlled Trial(労働者の不眠症に対する簡易な個別治療を提供するスマートフォン向けの睡眠プロンプトアプリケーションの有効性:ランダム化比較試験)
■著者
Tomonari Shimamoto, Ryuji Furihata, Yukako Nakagami, Yukiko Tateyama, Daisuke Kobayashi, Kosuke Kiyohara, Taku Iwami
■掲載誌
Journal of Medical Internet Research(https://www.jmir.org/2022/7/e36862/)
DOI: 10.2196/36862
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