Surfvote開票結果「公立学校において『宗教』の科目は必要か?」
「公教育に宗教の科目を入れることを賛成」が67.2%で最多。宗教という個別科目を作らなくても、歴史や社会科で基礎知識や背景を知ることはとても重要という声が多数。
■背景
日本では戦後、公教育から宗教が排除されてきました。自分が信じたい宗教を選択する自由が国民にはありますが、そもそも宗教についての基礎知識を学ぶ場は決して多いとは言えません。歴史を見ると国家と宗教が一体化し、多くの犠牲を払った結果から「政教分離」が長らく掲げられてきましたが、正覚寺住職の鵜飼秀徳氏はそれが人々の宗教に対する「思考停止」に繋がっているのではないかと指摘しています。「宗教とは何か」からはじまる基礎知識や日本人の宗教性、死生観など、特に公教育において宗教の基礎学習が不足しているという鵜飼氏の視点から、Surfvoteでは「公立学校において「宗教」の科目は必要か?」というイシュー(課題)を発行し、2023年1月20日から3月31日まで投票を行いました。
■投票詳細・結果
イシュー:「公立学校において「宗教」の科目は必要か?」https://surfvote.com/issues/a10w6u8315gh
投票期間:2023年1月20日〜2023年3月31日
有効票数:61票
選択肢:・公教育に宗教の科目を入れることを賛成
・公教育に宗教の科目を入れることを反対
・どちらでもない
・その他
【実際の投票結果画面】
■コメント紹介(一部抜粋)
「公教育に宗教の科目を入れることを賛成」67.2%
・特定の宗教を広める手段にならないように配慮する必要があると思いますが、そもそも「宗教とは一体どんなものなのか」「宗教や信仰とどう向き合っていくか」ということを考えたり議論する機会ってないように思います。公教育で宗教という概念や、それが自分たちの生活にどう好影響や悪影響を及ぼすのか学ぶ場があることはいいことのように思います。(いいね数40)
「公教育に宗教の科目を入れることを反対」23%
・特定の宗教について肩入れして教えるのには絶対に反対。信仰は個人で決めるもので刷り込まれるものではないし、単に歴史について知りたいのであれば歴史/社会科などで教えればよいだけの話。一方で宗教との関わり方や、カルト宗教への対策などは道徳などで対応すればよい。わざわざ科目を新設してまでする必要はない。(いいね数22)
「どちらでもない」9.8%
・「宗教」ではなく、「現代」と呼べばいいのか、今の日本の諸問題を網羅的に教育する科目は欲しいと思いました。国家有機体説の立場なので、宗教もまた日本人の歴史や風習に大きく影響し、今の日本を形作る重要な要素だと考えます。しかし、日本人の多くは自分たちの過去を忘れ、どこかで過去と現代が断絶してしまったように感じます。何もかも、誰かが必死に生きていた過去からの積み重ねなのに。公教育とはまさしく今までの日本人を含めた人類の叡智を学んでいるはずなので、先人たちが残してくれた公教育としての知識と、少年少女の取り巻く環境(諸問題)をつなぐ科目があれば、知識の使い方を学び、実践が図れるように感じます。(いいね数38)
■まとめ
それぞれの選択肢を選んだユーザーのコメントに共通して見られた視点は、日本を含め宗教は、「信じるか信じないか」以前に、さまざまな国や地域における歴史的背景や価値観、言語や文化などあらゆるものを形造る要素の一つであるという点です。賛成派は、それらを学ばずに多様性や国際感覚、また自分が住む地域や国を知ることは不可能だろうという声が主に見られました。また反対派は、宗教がこれまで社会や国家に多大な影響を与えてきた過去を踏まえながら、多様性を守る観点から宗教の科目を入れることに反対するという意見が見られました。また、宗教という科目に縛られなくても、社会科や歴史など既存の科目の中で、宗教の基礎知識を学んだり、さまざまなバックグラウンドを持つ生徒が平等に学ぶことのできる場を求める声が多いことが分かりました。
■問題提起いただいたオーサー 鵜飼秀徳氏
作家、ジャーナリスト/正覚寺住職
京都・嵯峨の正覚寺に生まれる。新聞記者、雑誌編集者を経て独立。主に、宗教と社会の関係性について取材と発信を続ける。ニュースコメンテーターとしてテレビ・ラジオ出演も多い。
著書に『寺院消滅』(日経BP)『ビジネスに活かす教養としての仏教』(PHP)『仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか』『仏教の大東亜戦争』(いずれも文春新書)など多数。
大正大学招聘教授、東京農業大学・佛教大学非常勤講師。全日本仏教会広報委員(有識者)など。
■Surfvoteとは?
当社が提供するSNS「Surfvote」は社会にあるさまざまな課題を問題提起し、それについて誰もが簡単に意見を投票できるサービスです。Surfvoteでは「イシュー」と呼ばれる各テーマ(課題)に対して複数の選択肢から自分の意見を投票できます。また他のユーザーのコメントを見たり、評価(いいね)したりすることもできます。イシューは当社編集部だけでなく大学の先生やさまざまな分野の専門家にも執筆のご協力をいただき発行しています。投票結果は適宜、関係省庁や政治家へ提出し報告を行なっています。https://surfvote.com/
■Polimill 株式会社
Polimill株式会社は目的特化型SNS【Surfvote】を運営・提供するITCスタートアップ企業です。
Surfvoteは社会課題に特化し、ユーザーがあらゆるテーマについて自分の意見を投票できるだけでなく、他のユーザーの意見を傾聴できるサービスです。地方公共団体版のSurfvoteも拡充中で自治体と連携し住民による住みやすい街づくりを促進します。あらゆる人がルール作りに参加し、価値観の変化やテクノロジーの進化に合わせた柔軟でスピーディーな制度改革ができるような社会を、SNSとテクノロジーで実現させます。https://polimill.jp/
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