国内最高齢の現役助産師、94歳の坂本フジヱさんが、いま伝える言葉とは?
MBSテレビのドキュメンタリー番組「映像’18」では、29日(日)深夜0:50放送で「フジヤン、94歳~ある助産師が伝える言葉」と題し、国内最高齢の現役助産師、坂本フジヱさんの日常を追いながら、出産を控えた母親や育児に悩む若い親たちに伝えたい、いのちの言葉を伝える。
坂本フジヱさんは1924年(大正13年)生まれ。小さい頃からフジヤンと呼ばれてきた。20歳で助産師の免許を取り、72年間で取り上げた赤ちゃんの数は4000人以上。「赤ちゃんは自分で生まれて来る」。だから助産師は文字通り、「お助けをするだけ」というフジヤンの言葉には説得力がある。「自然分娩を学びたい」と若い助産師に頼まれたのがきっかけで、借金をしてこの田辺市に助産所を移転したのは、73歳の時だ
和歌山県田辺市。国道に近い市街地にあるゆるやかな坂道を登ったところに、坂本助産所はある。引き戸を開けると、いきなり居間。そこに国内最高齢94歳の助産師、フジヤンこと坂本フジヱさんがいた。患者さんが来たら、すぐに対応できるようにとの思いからだ。居間の奥に簡単な診察室。さらに、台所と出産時の入院部屋が2つあるだけ。分娩台もなければ、医療器具も少ない。坂本助産所には特別なものは何ひとつない。「お産は特別なものでなく、自然なもの」。坂本さんの助産師としてのポリシーが、シンプルすぎる助産所から垣間見える。ここで出産した人は、「病院じゃないから、自由に面会に来ていいと言われて。自宅出産に近い感じ」だったという。そんなフジヤンのもとを妊婦や赤ちゃんの悩みを抱えた母親がまるでご近所のように次々訪ねて来る。赤ちゃんの肌荒れや寝返りの悩み、夜泣き・・・フジヤンはゆっくり親たちと話しつつ、時には物言えぬ赤ちゃんの声にも耳を傾けながら、悩みを解決してゆく。
「お産は赤ちゃんが主導権を握ってる。陣痛は赤ちゃんからのサインやから、それに忠実に逆らわんとやってたら、絶対赤ちゃんは死ぬっていうことない」
「生まれるドラマのなかにはものすごいエネルギーがいる。人間ひとりが生まれるというのは奇跡やな。みんなこの世に生まれた奇跡」
(予定日を過ぎた妊婦さんへ)「とにかく普通にしてたらいい。怖がったりしたら、痛みが足してくる。そやから眠るぐらいの気持ちでのんびりしてたらいいわ」
(出産後退院する時に)「今から1年間、親が辛坊しきれんかったら6か月、徹底して大事にそだててやったらいい。その時に一生の根性が決まる。今とにかく大切に育てたらいい」
「みんな必ず違う。同じ人間ひとつもない。お産が同じでないのと一緒や」。
94歳になった今、フジヤンはほかの助産師たちの助けを借りながら仕事をしている。診療全般を担当している前地雅子さん(52)は、もう14年、フジヤンの後ろ姿を見ながらやって来た。今では中高生へ「自分の命、これから産む命を大切にして欲しい」と伝える講演もフジヤンに代わって勤めている。まだ足元にも及ばないという前地さんに、フジヤンは「私もあんたらに学ぶことはなんぼでもある」という。フジヤンの日常である「普通の人生のひとコマ」としての出産、子育てを追いながら、フジヤンが長年の経験の中で培ってきた自然体の「いのちの言葉」を伝えてゆく。
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