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公益財団法人日本野鳥の会
会社概要

ラムサール条約湿地「大山上池・下池」に近い「(仮称)加茂風力発電事業」の建設計画の中止を事業者に要請

日本野鳥の会

ラムサール条約湿地 大山上池・下池に近い風力発電所建設計画の中止を要請

(公財)日本野鳥の会(事務局:東京。以下、当会)、日本野鳥の会山形県支部(山形県)、日本雁を保護する会(宮城県)は、山形県鶴岡市加茂地区で「ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社(本社:東京)以下、事業者)」が計画する「(仮称)加茂風力発電事業(以下、本事業)」に対し、ガン・カモ類や猛禽類など希少種への影響を避けるために事業の中止を要請しました。本事業の建設計画地は、ラムサール条約湿地であり、希少鳥類の重要な生息地である大山上池(おおやまかみいけ)・下池(しもいけ)(山形県鶴岡市)から1.5~3.5kmと非常に近い場所にあるためです。合わせて、鶴岡市の皆川治市長に事業者への要請書の写しを送付し、大山上池・下池保護の立場から本事業に対して適切な対応をしていただけるよう依頼しました。


大山上池・下池と希少鳥類

山形県鶴岡市の大山上池・下池(面積39ヘクタール)は、3千羽のコハクチョウや多い時には6万羽のマガモをはじめ、国指定天然記念物のオオヒシクイ(準絶滅危惧)やマガン(準絶滅危惧)など冬鳥の飛来地、越冬地となっています。また、山形県以南で越冬するガン・カモ・ハクチョウ類の渡り移動経路および中継地にもなっています。多くの水鳥が飛来する重要な湿地であることから、2008年にラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に登録されました。


建設計画と懸念される水鳥への影響

本事業は、鶴岡市加茂地区周辺に最大高約180mの風力発電機を最大8基(発電容量:最大約40MW)建設するもので、計画地は大山上池・下池からの距離はわずか1.5~3.5km程度しかありません。ガン・カモ・ハクチョウ類は体が大きく重いため、飛行時には一般に小回りが利かないグループであり、水面から飛び立った後、風車を超える高さまで上昇するまでには数kmの距離を要します(植田・嶋田2009)。また、渡りの際には対地高度数十から百数十mの高さを飛行していることも知られており(関島ら2021)、風車への衝突および風車が飛行経路選択に影響する障壁影響が強く危惧されます。


近隣発電所におけるクマタカの衝突の可能性

事業者は、本事業の計画地から南西に10km程度離れた「JRE鶴岡八森山(はちもりやま)風力発電所(以下、八森山発電所)」を運転しています。また、本事業地から南西に5km程度離れた三瀬(さんぜ)、矢引(やびき)地区周辺で「(仮称)三瀬矢引風力発電事業」を計画しています。八森山発電所では、8月2日の定例会見で市長から報告された通り、種の保存法で国内希少野生動植物種に指定されたクマタカ(絶滅危惧IB類)の死体が発見され、衝突の可能性が指摘されています。国内に生息するクマタカはわずか1800羽程度とされており、八森山発電所から本事業計画地にかけての山林では複数のクマタカが生息していることから、本事業計画地においてもクマタカの衝突死が発生することが危惧されます。


本事業地と事業者が計画中、運転中の風力発電所の位置関係。2022年11月29日付「風力発電事業の実施に係る事前協議届出書」より抜粋。(鶴岡市ホームページ、2023年8月4日確認)本事業地と事業者が計画中、運転中の風力発電所の位置関係。2022年11月29日付「風力発電事業の実施に係る事前協議届出書」より抜粋。(鶴岡市ホームページ、2023年8月4日確認)

オオヒシクイ(写真/日本野鳥の会)オオヒシクイ(写真/日本野鳥の会)

マガン(写真/日本野鳥の会)マガン(写真/日本野鳥の会)

■添付資料

「(仮称)加茂風力発電事業」の建設予定地に近いラムサール条約湿地である大山上池・下池に生息する希少鳥類の保全に関する要請書」

https://prtimes.jp/a/?f=d39807-63-e4e35de622b33713f488049f62332e09.pdf


<別紙詳細資料>


ラムサール条約湿地の大山上池・下池。 写真は下池。(写真/日本野鳥の会山形県支部)ラムサール条約湿地の大山上池・下池。 写真は下池。(写真/日本野鳥の会山形県支部)

■大山上池・下池 概要

大山上池・下池は山形県鶴岡市大山地域にある農業用ため池で、400年前の築堤以降現在まで稲作用のため池として利用されている。西側に連なる八森山から高館山(たかだてやま)にかけての丘陵は江戸時代から森林伐採が禁じられてきたため良好な環境が残され、クマタカなどの稀少猛禽類が生息する。


1980年代後半から水鳥が渡来するようになり、現在はコハクチョウ、マガン、ヒシクイ、マガモ、コガモ、オナガガモなど2万羽以上の水鳥が飛来する越冬地・中継地となっている。


当地では「浮草組合」がハスの花を収穫、販売するほか、「鶴岡市自然学習交流館ほとりあ」を中心に環境教育や環境管理が行われている。

参考: https://www.env.go.jp/nature/ramsar/conv/ramsarleaflet/19_Oyama_Kami-ike_and_Shimo-ike.pdf


■日本野鳥の会 組織概要

組織名:公益財団法人 日本野鳥の会(会員・サポーター 約5万人)

代表者:理事長 遠藤孝一

所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル

URL: https://www.wbsj.org/

 

■日本野鳥の会山形県支部 組織概要

組織名:日本野鳥の会山形県支部(会員約200人)

代表者:支部長 細谷千鶴子

所在地:山形県西村山郡大江町

URL:https://wbsj-yamagata.jimdofree.com/

 

■日本雁を保護する会 組織概要

組織名:日本雁を保護する会(会員412人)

代表者:会長 呉地正行

所在地:宮城県栗原市

URL:http://jawgp.org/

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東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル3階
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03-5436-2630
代表者名
遠藤孝一
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
1934年03月
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