AskDona、法人向けに高回答精度の「Agentic RAG」を提供開始
理研と検証済み|シンプルな質問への正答率100%(*1)を維持し、複合的な質問では他社RAGシステムを20ポイント(*2)上回る精度を実証
株式会社GFLOPS(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:盛本、以下、当社)は、法人向け生成AIプラットフォーム「AskDona」の中核技術であるRAG(検索拡張生成)アーキテクチャをアップデートし「Agentic RAG(dona-rag-2.0)」の提供を開始したことをお知らせします。

Agentic RAG(dona-rag-2.0) とは?
「Agentic RAG(dona-rag-2.0)」は、ユーザーの質問意図を解釈してサブクエリ化、AIエージェントが自律的かつ再起的に情報を調査・取得したりすることで、より的確で網羅性の高い充実した回答生成する新しいRAGアーキテクチャです。

私たちが日常的に交わす会話には、話し手同士で共有している暗黙の前提や知識が数多く含まれています。例えば、前置きなしに複数の質問を一度に投げかけたり、曖昧なまま尋ねたりしても、相手は状況や背景を推察しながら適切に応答してくれます。
しかし、生成AIは人間と同じ経験や常識を持たないため、このような前提や文脈を自動で補完することが難しく、意図した回答が得られにくいという課題がありました。当社は、こうした複数の意図を含む問いや前提が欠落した問いを、「複合的なクエリ」と定義しています。
従来のRAGは、質問に対して関連文書を検索し、回答を生成する「単一ステップ検索の生成方式 (single-shot retrieval-generation) 」を基本の仕組みとします。このアプローチは、情報のカバレッジが単一の検索結果に限定され、特定の情報を探すようなシンプルな質問において有用ですが、「複合的なクエリ」に対しては多角的な視点での情報収集が不足しており、結果的に情報の網羅性に課題が残ります。
今回アップデートした「Agentic RAG(dona-rag-2.0)」は、この「複合的なクエリ」を生成AIが自律的に複数のサブクエリ(より具体的な複数の質問)へ分解します。これは、暗黙の前提を洗い出しながら人間が質問の角度を変える思考プロセスに相当します。分解されたサブクエリに基づき、複数のAIエージェントが欠落した前提や背景情報を補完しながらRAGのデータソースを自律的かつ再起的に探索・統合することで、人間が行うような思考・情報収集プロセスを再現し、高精度な回答を導き出します。これにより、単なる情報検索に留まらず、高度な情報収集と情報統合のプロセスをAIエージェントが担い、業務効率を飛躍的に向上させます。
Agentic RAG(dona-rag-2.0)の回答精度
「Agentic RAG(dona-rag-2.0)」は、「複合的なクエリ」においても高い回答精度が得られることが実証されています。理化学研究所と行った「複合的なクエリ」のテスト質問では、100点満点中80点以上を獲得(*2)しました。これは、Azure AI Searchなど一般的なクラウドサービスやオープンソースソフトウェアで構築したRAGシステムと比較して、20ポイント以上高いスコアです。AskDonaの利用が定着すると「複合的なクエリ」の割合が増えることも確認されており、「Agentic RAG(dona-rag-2.0)」のような仕組みの有用性が明確になりました。

Agentic RAG(dona-rag-2.0)の使い方
現在「AskDona」は、SaaS型のプラットフォームとして提供されています。AskDonaの機能の一つであるRAGチャットにAgentic RAGが適用されており、情報の網羅性が高い回答を生成します。「AskDona」は、分散された資料を統合して生成AIに適した状態へデータを整形する技術的なプロセスを一気通貫で担っています。お手元の資料をアップロードいただくことで、高精度な回答を得ることができます。AskDonaは、タスクや用途に合わせたAIエージェントを取り揃えており、質問や依頼事項に合わせて回答を生成します。例えば、今年3月に開発をした社内ナレッジを深掘り調査する「RAG×DeepResearch」機能は国内初(*3)の深掘り調査エージェントとして、組織内の情報を深く掘り下げ、より複雑な問いかけにも対応できます。

「社内の情報探索に時間がかかりすぎるという課題感をお持ちの企業様へ。
日々の業務において、「必要な資料がどこにあるか分からない」「過去の事例を探すのに何時間もかかる」「同じような質問を何度も受けて対応に追われる」といったお悩みはございませんでしょうか。マッキンゼーの調査(*4)によると、知識労働者は労働時間の約20%を社内情報の検索に費やしており、これは企業にとって大きな機会損失ともなります。しかし、適切なAI技術の導入により、この課題を根本的に解決することが可能です。
実際に、理化学研究所様ではAskDonaの導入により、従来3-4時間を要していたサポート対応時間をわずか5秒に短縮し、99.96%(*5)の時間削減を実現いたしました。
貴社の情報活用における課題や改善の可能性について、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
株式会社GFLOPSについて
株式会社GFLOPS(ジーフロップス)は、大規模言語モデル(LLM)とRAG(検索拡張生成)技術を組み合わせた独自のソリューションを提供しています。、法人向け生成AI活用プラットフォーム「AskDona」のRAGチャットは高い回答精度を基盤としたDeepResearch等の機能を搭載しており、社内ナレッジの活用に課題を解決するソリューションとして多くの企業で導入が進んでいます。
会社名:株式会社GFLOPS(英語表記:GFLOPS Co., Ltd.)
代表者名:代表取締役CEO 盛本マリア、共同代表 鈴木亮祐
本社所在地:東京都渋谷区
事業内容:大規模言語モデル(LLM)生成AI技術等を活用したAIサービスの開発・提供
公式HP:https://askdona.com
*(1) シンプルな質問への正答率100%
理化学研究所との共同検証において、理化学研究所が定めた技術要件を満たすことを確認するための「導入前技術評価」が2024年5月に実施され、AskDonaの初期バージョン(dona-rag-1.0)が、R-CCSが定める技術要件(回答精度80%以上)に対し設定質問へ全問正解(回答精度100%)を達成し、大容量データから高い回答精度を実現する基本的なRAGの仕組みが評価されて採択された。
出典:理化学研究所スーパーコンピュータ「富岳」のユーザーサポートにおける生成AIチャット「AskDona」の導入・運用実績レポート(第1章 はじめに:スーパーコンピューター「 富岳 」サポートサイトの生成AIの取り組み)
*(2) 他社RAGシステムを20ポイント上回る
理化学研究所との共同検証(2024年4月)において、複数の情報を統合する必要がある「複合的なクエリ」対する性能評価テストの結果。AskDona(dona-rag-2.0)比較対象のRAGシステム(Azure AI Search等)に対して約20ポイント上回った実績。
出典:理化学研究所スーパーコンピュータ「富岳」のユーザーサポートにおける生成AIチャット「AskDona」の導入・運用実績レポート(第4章 RAGエージェント|次世代RAGアーキテクチャと回答精度検証)
*(3)当社調べ。2025年3月12日時点。対象: 日本国内にてRAGサービスを提供している事業者の公開情報。
*(4) 知識労働者は労働時間の約20%を社内情報の検索に費やしている
マッキンゼー・グローバル・インスティテュートのレポートによる調査結果。知識労働者(interaction worker)は、勤務時間のうち約20%を「社内情報の検索、または特定の業務を手助けできる同僚を探すこと」に費やしていると報告されている。
出典:McKinsey Global Institute "The social economy" (2012)
*(5) 99.96%の時間削減
理化学研究所計算科学研究センターでの実証実験において、スーパーコンピュータ「富岳」の利用に関する複雑な問い合わせに対し、従来3~4時間要していた回答作成時間をAskDona導入により平均5秒に短縮した実績。
出典:理化学研究所スーパーコンピュータ「富岳」のユーザーサポートにおける生成AIチャット「AskDona」の導入・運用実績レポート(第3章 R-CCSの有人サポート業務へのAskDonaの導入効果)
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