DApps総研、「2018年ブロックチェーン業界総括レポート」発表

〜2018年大手銀行・大手IT企業も導入したブロックチェーン技術、2019年業界予測、ブロックチェーンスマートフォンや日本の法整備他〜

BaseLayer株式会社

 ブロックチェーンを活用したアプリケーション「DApps」に関するコラムやニュースの配信、トレンドや実態調査を含むマーケットリサーチを行う、DApps総研(事務局:BaseLayer株式会社内、本社:東京都渋谷区)は、「2018年ブロックチェーン業界総括レポート」を発表しました。
 このレポートは、2018年に起きたブロックチェーン関連事件やブロックチェーン導入事例及び、2019年の業界予測をまとめた業界レポートとしてご活用いただけます。
■DApps総研公式サイト:https://dapps-info.com/report/2325/

1)2018年、世界に衝撃を与えた仮想通貨事件
 2018年は衝撃的なニュースで幕を開けました。2018年1月26日(当時)、日本のみなし登録業者の一つ、コインチェック社が顧客から預かった暗号資産をクラッカーにより盗まれる、という事件が発生。その金額が460億円にものぼりました。しかし後日、コインチェック社はそれまでに蓄積した資産により全額を補償。このことが、仮想通貨取引所の資金基盤の盤石さと、この業界における「勝ち組が取引所であること」をより一層、印象付けました。(参照:コインチェック流出事件、海外メディアも一斉に報道:http://vc.morningstar.co.jp/000179.html

 もう一つ忘れられないのが、Zaifの不正アクセス事件です。大阪に本拠地を置くテックビューロ社が運営する「Zaif」がハッキング被害を受け、BTCなどの暗号資産を流出させてしまう事件が9月20日に起こりました。流出額はコインチェックに及ばないもの、67億円相当とみられました。これら2つの仮想通貨取引所における事件は、日本国内のみならず、世界中の仮想通貨利用者やプロジェクトメンバーに衝撃を与えました。
(参照:ザイフで不正アクセス、BTCなどが外部流出:http://vc.morningstar.co.jp/001305.html

2)ブロックチェーン技術導入は積極化
 一方で、こうした事件の報道の背後では、確実にブロックチェーン技術の既存のビジネススキームやサプライチェーンへの適用が進んでいました。外資系銀行のUBSは、国境を超えた法人間の国際取引にブロックチェーン技術を試験的に採用して実証事件を実施。(参照:UBS支援のブロックチェーン、実取引を完了:http://vc.morningstar.co.jp/000386.html)こうした動きに追いつくかのように、日本国内の9銀行が富士通からの技術提供を受けてブロックチェーン技術を活用した決済に関する実証実験を行ったのも2018年です。
(参照:日本の9銀行、富士通の技術を用いてBC決済を試験:http://vc.morningstar.co.jp/001535.html

 さらに、大手IT企業であるIBM社は、運輸業と飲食業のためのブロックチェーンソリューションを開発、技術特許を取得し世界中の大手企業とともにサプライチェーンの効率化を本格的に進め始めました。
(参照)
・IBM, Maersk launch TradeLens blockchain shipping platform:
https://www.zdnet.com/article/ibm-maersk-launch-tradelens-blockchain-shipping-platform/
・IBM Food Trust:https://www.ibm.com/blockchain/jp-ja/solutions/food-trust/

 このように、2018年は大きな事件もありつつ、それと並行して仮想通貨そのものよりも、むしろその基盤技術であるブロックチェーン技術を応用する動きが目立った一年だったと振り返ることができます。

3)これを踏まえた日本の規制当局の動き
 金融庁は2018年の4月より、仮想通貨業界の専門家やアンチマネーロンダリングなどの金融犯罪に詳しい専門家などを呼び、一般に公開する形での勉強会を合計11回実施。コインチェック事件後から10月に入るまでの金融庁の動きは、「強い規制をかけていく」という論調だったものの、規制にも時間的・人的・金銭的コストとその見返りとして得られるものをどう天秤にかけるか、そもそも仮想通貨に資金を投入する人物は、生活に余裕のある人物であると想定され、保護する必要性はそこまでないのではないか等の議論が持ち上がり、変化してきました。(参照:仮想通貨交換業等に関する研究会:https://www.fsa.go.jp/news/30/singi/kasoukenkyuukai.html

 2018年当初は「規制」に舵を切っていた金融庁にも、一考の価値があるとの空気が流れてきたことは注目に値します。実際の法整備、および施行にはさらに議論を重ねる必要があると考えられるため、少なくとも2019年6月、遅ければ2019年末までは明確な規制の枠組みが示されない可能性もあります。

4)2019年業界予測〜ブロックチェーンスマートフォン、法規制など
 2018年の国内外の業界における動きを見るに、2019年の業界動向を占う上で欠かせない要因が3つあります。
 まず、ブロックチェーンスマートフォンの誕生です。Siren LabとHTCは、2018年11月末からサイト上にてブロックチェーンスマートフォンの予約を受け付けています。ブロックチェーンスマートフォンは従来のスマートフォンと違い、ウォレット機能が追加。ウォレットに保管した暗号資産をPCを使うことなくDAppsにて利用できるようにしてくれます。ブロックチェーンスマートフォンを使えば、これまでPC経由で行っていた暗号資産の取引や移転などの全ての操作がスマートフォン上で可能になると予想されています。

 2つ目は、大企業によるブロックチェーン技術の採用例が増えると予想されることです。上記の例にでたIBMやUBSだけでなく、マイクロソフト、アクセンチュア、デロイト、アビームコンサルティングなど、世界中の大企業がブロックチェーン技術に2017年の初期から注目はしていました。しかし、実際に既存のビジネスソリューションの一つとして採用し始めたのは、2018年に入ってからでした。特にIBMがパッケージとして開発したFood Trustは、海外の大手食品販売店が採用したこともあり、普及が進むと予想されます。

 3つ目は、規制の枠組みが固まってくることです。これまでは、規制当局の意図を事業者側が汲みとり、それに従って技術開発やアプリ開発を進めてきました。しかし、それが裏目に出て規制当局から警告を受けるケースがありました。2018年に様々なプロジェクトが、様々なアプリやプロトコル、新しい暗号資産を生み出したおかげで、規制当局にも知見が溜まってきました。それを受け、日本のみならず、世界中の規制当局がそれぞれの国、商習慣をもとに規制の枠組みを2019年中に整えていくと思われます。

 これまでは、法律が未整備であることを、よくも悪くも利用したプロジェクトが目につきました。来年、2019年は法律に則りつつも、ユーザーにとって使いやすい、仕事や生活にポジティブな変化を生み出すプロダクトが数多くできてくることを願ってやみません。

■DApps総研とは
 「DApps総研」とは、ブロックチェーンを活用したアプリケーション「DApps」に関するシンクタンクです。「DApps総研」では、同領域のニュースの配信、トレンドや実態調査を含むマーケットリサーチ、イベント・セミナー情報を提供し、世界を変えうるポテンシャルを秘めた世界中のDAppsがどのような未来を創造していくのかなど、DAppsの魅力を発信していきます。


■DApps総研 概要
名称  :DApps総研
サイト :https://dapps-info.com/
事務局 :BaseLayer株式会社内
事業内容:ブロックチェーンを活用したアプリケーション「DApps」に関するシンクタンク。
     業界ニュースの配信、調査・研究等

■運営会社概要
会社名 :BaseLayer株式会社
所在地   :渋谷区千駄ヶ谷3-14-5 第16スカイビル4階
代表者 :代表取締役 競仁志
事業内容:海外ブロックチェーンの日本向けPR・マーケティング・
     コミュニティマネジメントをワンストップで提供
TEL     :03-5775-1313
MAIL   :info@baselayer.asia
URL    :http://www.baselayer.asia/

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本社所在地
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代表者名
競仁志
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設立
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