東山魁夷館開館35周年記念展 東山魁夷 永遠の海 ― 私は、いま、波の音を聴いている
2025年10月4日(土)- 11月16日(日) 長野県立美術館 展示室1・2・3
長野県立美術館では「東山魁夷館開館 35 周年記念展 東山魁夷 永遠の海-私は、いま、波の音を聴いている」 を開催します。 (主催 : 長野県、長野県立美術館、信濃毎日新聞社、SBC信越放送、日本経済新聞社、(公財)信毎文化事業財団)

東山魁夷館の開館35周年を記念して
皇居宮殿壁画《朝明けの潮》の原寸大下図を額装後初公開
東山魁夷館は、画家本人からの作品寄贈により1990年に開館し、今年開館35周年を迎えました。寄贈作品の中には多数の下図やスケッチが含まれ、作品の制作過程なども合わせて紹介してきました。こうした下図の中には、東山魁夷が手掛けた屏風や襖絵、壁画など、大型作品の原寸大の下図もいくつか含まれています。
特に皇居宮殿壁画 《朝明けの潮》の原寸下図は、1面が縦約4m、横2.5mにもなり、さらにそれが6面から構成されるという大掛かりなもので、既存の展示室では公開が難しく、寄贈されてから今日までほとんど公開できずにいましたが、当館では、開館35周年を記念してこの大下図を額装し、展示公開できるよう2年をかけて整備しました。
この大下図が6面揃って公開されるのは、1968 年11 月の皇居宮殿落成後に、銀座松屋で開催された「朝明けの潮・京洛四季」 展に展示されて以来、57 年ぶりです。また、皇居宮殿にある本画は通常一般公開されていないため、皇居外で完成作と同じ大きさを体感できるのは当館のこの大下図のみです。
本展では、この《朝明けの潮 色分け大下図》
(1967 年) を中心に、皇居宮殿壁画 《朝明けの潮》の制作過程にスポットをあて、下図や資料と合わせて紹介します。 また、《朝明けの潮》 は、画家が日本の美に回帰するきっかけとなったことから、東山魁夷が描いた日本の風景を、代表作 《残照》(1947 年)、 《道》(1950 年) などとともにご紹介します。

▶見どころ
1. 皇居外では当館だけ原寸大の《朝明けの潮》
皇居宮殿壁画 《朝明けの潮》 は、 通常非公開の作品で、 海外からの賓客など限られた人々しか見る事が出来ません。 当館の 《朝明けの潮 色分け大下図》 は、 本画のような煌びやかさはありませんが、モチーフの構図や下図の線からは作品の骨格が際立ち、 彩色も最小限ながら、波のグラデーションには画家が追求した自然の波の形と日本伝統の波模様の融合をみることができます。そして何より原寸サイズの巨大な画面から、本画の迫力と東山魁夷が見た日本の海景の雄大さを体感できます。
2. 東山魁夷の代表作多数出品
本展では東山魁夷が描いた日本の風景の代表作も多数展示します。《朝明けの潮》の制作に関連した下図類に加え、戦後、初めて日展で特選を受賞した《残照》 (1947 年) や、広く一般にも知られるきっかけとなった代表作 《道》(1950 年) を展示します。また、戦前の優品《自然と形象 雪の谷間》 《自然と形象 秋の山》 《自然と形象 早春の麦畑》 なども展示します。
▶展示構成(仮)
第 1 部 皇居宮殿壁画 《朝明けの潮》
第 2 部 東山魁夷が描いた日本の風景


▶主な展示作品
《朝明けの潮 色分け大下図》 1967 年 長野県立美術館蔵
《残照》 1947 年 東京国立近代美術館蔵
《自然と形象 雪の谷間》 1941 年 個人蔵
《自然と形象 秋の山》 1941 年 個人蔵
《自然と形象 早春の麦畑》 1941 年 個人蔵
《道》 1950 年 東京国立近代美術館蔵
《霧》 1951 年 個人蔵
《門》 1952 年 千葉県立美術館蔵
《谿紅葉》 1968 年 兵庫県立美術館蔵
《晴れゆく嶺》 1982 年 衆議院蔵
《波響く磯》 1983 年 参議院蔵
▶作家略歴
東山 魁夷 HIGASHIYAMA Kaii (1908~1999)
日本画家、横浜生まれ。本名、新吉。3歳の時、神戸に引越し同地で育つ。
1926年、東京美術学校日本画科に入学。卒業後、同校研究科に入学し結城素明に師事、雅号を「魁夷」とした。研究科修了後、2年間ドイツに留学して西洋美術史を学び、欧州各国の美術を精力的に見てまわった。1947年《残照》が日展で特選受賞、1950年日展に《道》を発表、一躍「国民的画家」と呼ばれる存在となる。1969年文化勲章受章。日本だけでなく北欧やドイツ、オーストリアの自然や風景を数多く描く。また皇居宮殿壁画や唐招提寺御影堂障壁画など障壁画にも傑作を残した。

【開催概要】
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展覧会名: 東山魁夷館開館 35 周年記念展 東山魁夷 永遠の海 ― 私は、 いま、 波の音を聴いている
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会 期: 2025 年 10 月 4 日 (土)- 11 月 16 日 (日)
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会 場: 長野県立美術館 展示室 1 ・ 2 ・ 3
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開館時間: 9:00-17:00 (展示室への最終入場は閉館 30 分前まで)※夜間特別開館 10 月 11 日 (土) は 20:00 まで開館
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休 館 日 : 毎週水曜日
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主 催: 長野県、長野県立美術館、信濃毎日新聞社、SBC 信越放送、日本経済新聞社、(公財) 信毎文化事業財団
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特別協力: 東山魁夷記念一般財団法人、東京国立近代美術館
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共 催: 長野県教育委員会
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協 賛: 八十二銀行 長野銀行
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後 援: 長野市、長野市教育委員会、長野商工会議所、善光寺、長野県芸術文化協会、(公財)八十二文化財団、(公財)ながの観光コンベンションビューロー、JR 東日本 長野支社
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観 覧 料 :[当日券]一般 1,700(1,600)円、大学生1,300(1,200)円、高校生以下又は 18 歳未満無料
※コレクション展 [ 本館 ・ 東山魁夷館 ] との共通料金 : 一般 2,200 円、 75 歳以上 2,000 円、 大学生 1,600 円
※( ) 内は 20 名以上の団体料金 ※割引の併用不可
※身体障害者手帳、 療育手帳、 精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方と付き添いの方 1 名は無料
◎7月18日(金)からお得な前売券を販売します
前売り券: 一般券のみ 1,500 円
販売期間: 7/18 (金)-10/3 (金)
<前売券プレイガイド>
長野県立美術館、 ローソンチケット (L コード : 35970)、 セブンチケット (セブンコード : 110-450)、ホクト文化ホール、 キッセイ文化ホール、 長野県伊那文化会館、 長野県庁内生協売店、 長野県内合同庁舎内生協売店 (長野・ 上田・ 佐久・ 松本・ 諏訪・ 伊那)、 信毎メディアガーデン 1 階まちなか情報局、 信濃毎日新聞販売店 (お取り寄せ)、 長野県カルチャーセンター
信濃毎日新聞 ID をお持ちの方はローチケ ・ セブンチケット web より一般前売券 1,400 円で購入できます



【関連イベント】
①記念講演会 「東山魁夷を読み解く」
講 師 : 野地耕一郎氏(泉屋博古館東京 館長)
日 時 : 11 月 1 日 (土) 14:00 ~ 15:30 頃
場 所 : 長野県立美術館 本館地下 1 階ホール
定 員 : 70 名 (要申込、 先着)
参加費 : 無料 (要観覧券)
②ゲストスライドトーク「東山魁夷と皇室の仕事」
講 師 : 田中純一朗氏(皇居三の丸尚蔵館 研究員)
日 時 : 10 月 18 日 (土) 14:00 ~ 45 分程度
場 所 : 長野県立美術館 本館 3 階レセプションルーム
定 員 : 30 名 (要申込、 先着)
参加費 : 無料 (要観覧券)
③びじゅつかん探検隊特別編 (親子向け)
展示室でおこなう対話による鑑賞プログラムです。
作品を見て感じたことを、みんなで話しながら作品鑑賞を楽しみます。
日 時 : 10 月 25 日 (土) 10:00 ~ 1 時間程度対象: 小学生以下の子どもとその保護者
定 員 : 8 組 16 名程度 要申込先着順
※兄弟でのご参加や参加者が 3 名以上になる場合は、その旨と人数を申込時に必ずお知らせください。
参加費 : 無料 (要観覧券)
④学芸員によるギャラリートーク
日 時 : (1) 10 月 11 日 (土) 17:30 ~ (2) 10 月 25 日 (土) 14:00 ~
場 所 : 長野県立美術館 展示室 1 ・ 2 ・ 3
参加費 : 無料 (要観覧券)、 申込不要
○イベントお申込み方法
①、②、③は事前申込が必要。 美術館ホームページの各イベントページからお申込ください。
※受付開始 : 9 月 16 日 (火) 9:00 ~
※手話通訳や要約筆記などサポートが必要な方は、イベントやご来館の 2 週間前までにご連絡ください。
■報道関係のお問い合わせ
長野県立美術館 広報 ・ マーケティング室 〒380-0801 長野市箱清水 1-4-4 (善光寺東隣)
TEL : 026-232-0052 FAX : 026-232-0050 E-mail : nam-pr@naganobunka.or.jp
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