フリースケールとイーソル、車載向けVybridデバイス用ソフトウェア・ソリューションの提供で協業

フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:ディビッド M. ユーゼ、以下フリースケール)とイーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田 勉、以下イーソル)は、フリースケールの車載向け「Vybrid」デバイス用のソフトウェア・ソリューションの提供で協業することを発表します。非対称のデュアルコアを搭載したVybridデバイスは、リアルタイム・アプリケーションとマルチメディア・アプリケーションを同時にワンチップで実行できます。このたびイーソルが開発した車載Vybridデバイス用のソフトウェア・プラットフォームを利用することで、電子制御ユニット(ECU)と通信を行うAUTOSAR対応リアルタイム・アプリケーションと、ITRON資産を再利用した情報系アプリケーションを効率的に開発できます。さらに、両アプリケーションを連携させる仕組みを提供します。ECUの車両情報を用いたドライブ支援や、スマートフォンや車内機器との連携など、高度で多彩な機能とサービスをもつ、メータ・クラスタやオーディオ、カー・ラジオ、カーナビ、リアビューカメラなどのドライバ・インフォメーション・システムに最適です。

2012年10月22日(月)、23日(火)、ザ・プリンス パークタワー東京(東京都港区)で開催される「Freescale Technology Forum Japan 2012(FTF Japan 2012)」のイーソルブース(ブース# AT-14)にて、本ソフトウェア・ソリューションの参考展示を行います。

フリースケールの車載向けVybridコントローラ・ソリューションは、長年にわたりマイクロコントローラ開発とマルチコア設計をリードしてきたフリースケールの技術をベースとし、非対称型マルチプロセッシング・アーキテクチャ・プラットフォームを確立しています。Vybridプラットフォームは、ARM® Cortex-A/Cortex-Mコアを統合し、車載アプリケーションの複雑性とコストを抑えつつ、システム・セキュリティを高めます。このVybridコントローラ・ソリューションは、i.MX(アイドット・エムエックス)アプリケーション・プロセッサとともに、ARMアーキテクチャをベースとするスケーラブルなソリューション・ポートフォリオを形成します。このVybridは主流車種において、カー・ラジオ、エントリレベルのインフォテイメント・システム、再設定可能なグラフィック・メータ・クラスタなどに最適で、製品化を容易にするリファレンス・ソフトウェアも合わせて提供されます。

今回、ARM Cortex-M4コアに、AUTOSARメソドロジ支援ツール「eSOL ECUSAR」のAUTOSARベーシック・ソフトウェア(BSW)を移植し、CAN通信でECUから車両情報などを取得するサンプルアプリを試作しました。今後市場のニーズに合わせて、AUTOSAR BSWの自動生成もできるeSOL ECUSARをVybridデバイスに本格的に対応させ、商品化することを検討しています。一方、ARM Cortex-A5コア上のマルチメディア・アプリケーション向けには、TRONアーキテクチャを引き継ぐイーソルのリアルタイムOS「eT-Kernel」をコアとし、各種ミドルウェア、開発ツールを統合したT-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム「eCROS」を提供します。eCROSは、カーナビやカーオーディオ、ドライブレコーダー、車両周辺モニターなど、多くの車載情報システムに採用された実績があり、カーナビとスマートフォンの連携技術「MirrorLink」の動作実績もあります。さらにARM Cortex-A5コアとARM Cortex-CM4コア間で通信できる仕組みを用意しているため、双方のアプリケーションで取得した車両情報などを共有できます。今後は洗練されたグラフィックス機能など、ドライバ・インフォメーション・システムに必要な機能を追加し、さらにVybrid向けソフトウェア・プラットフォームを進化させていきます。

ソフトウェア・プラットフォームの提供に加え、AUTOSARや機能安全を含む、車両情報系、制御系両方の豊富な実績と経験ベースとするイーソルのプロフェッショナルサービスも合わせて提供します。これにより、フリースケールとイーソルは、Vybridベースの車載ソフトウェア開発者を強力に支援していきます。

▽Freescale Technology Forum Japan 2012:http://www.freescale.co.jp/event/ftfj/

フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン オートモティーブ&インダストリアル・ソリューション・グループ プロダクト・マーケティング本部 部長 武藤 功二のコメント
「イーソルは、Vybrid 製品のエコシステムにおいて、戦略的に重要なパートナーです。ARM® Cortex-A/Cortex-Mコアを搭載するフリースケールのVybridにおいて、非対称型マルチプロセッシング・アーキテクチャのM4コアの上でAUTOSARを実装する事によって、イーソルは車メーカの車載ネットワーク内の標準化のニーズに対応できると期待しています。さらに、Cortex-A5とCortex-M4コアを連携させる仕組みによって車載市場の開発者の情報系アプリと制御系アプリの連携への要求に答え、Vybrid製品の特徴を最大限に発揮できると思います。」

イーソル株式会社 常務取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「最近の車載情報システムは、ナビゲーションなどの情報提供や音楽や動画再生などのエンターテインメント機能にとどまらず、制御系システムとより一層緊密に連携していくことが求められています。イーソルは、車載情報系システムおよび制御系システムのソフトウェア開発支援で多数の実績があり、両方に精通している数少ない企業であると自負しています。高い信頼性が要求される車載システム向けのソフトウェアベンダとして、機能安全への取り組みも行っています。フリースケールと協調し、Vybrid向けにリアルタイムOSを中心とするソフトウェア・プラットフォーム製品と、プロフェッショナルサービスを組み合わせてご提供することにより、車載システム開発現場の多様なニーズに柔軟にお応えします。」


■補足資料

eCROSについて
eCROSは、イーソルのコア技術を注入したリアルタイムOSをベースとするソフトウェアプラットフォームです。eCROSにより、ソフトウェア共通化によるコスト削減および開発期間短縮と、システムの信頼性確保を支援します。マルチコアプロセッサもサポートするT-Kernel拡張版「eT-Kernel」とμITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」を中心に、開発ツール「eBinder」、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの豊富なミドルウェアに加え、製品サポートや受託開発などを含むプロフェッショナルサービスで構成されています。動作検証があらかじめ済んでいるので、チューニングやカスタマイズなどの必要なく、すぐに動作します。ソフトウェアだけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eCROSは、カーナビやデジタル家電に加え、航空・宇宙分野、FA機器、OA機器など幅広い分野で多くの採用実績があります。
▽「eCROS」詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/ecros.html

eT-Kernelについて
eT-Kernelは、リアルタイムOSベンダであるイーソルがこれまでµITRONで培ってきたノウハウと技術をもとにして、T-Engineフォーラムが配布するオープンソースのT-Kernelに性能面・機能面で改良・拡張を加えたT-Kernelの拡張版です。システムの高速起動を可能にする「高速ブート」、複数ファイルシステムの透過アクセスを可能にする論理ファイルシステム(LFS)、システム稼動中の問題解析を支援する「例外マネージャ」などの多くの拡張機能を実装しています。マルチコア対応版「eT-Kernel Multi-Core Edition」では、独自のスケジューリング技術「ブレンドスケジューリング」により、ひとつのシステム内でSMP型プログラムとAMP型プログラムを混在させられるほか、システム保護技術「メモリパーティショニング」により、マルチコアシステムの信頼性と品質確保を支援します。eT-Kernelには、さまざまなシステム規模と用途をカバーするスケーラブルな4つのプロファイルがあります。µITRONと近い構成を持つµITRONからの移行に最適な「eT-Kernel/Compact」、eT-Kernel/CompactをベースにT-Engine標準のデバイスドライバが付属した「eT-Kernel/Standard」、メモリ保護機能とプロセスモデルをサポートする大規模開発に最適な「eT-Kernel/Extended」、およびPOSIXに準拠した「eT-Kernel/POSIX」です。それぞれのプロファイル上で構築したソフトウェアを共通化したプロダクトライン型ソフトウェア開発も容易です。eT-Kernel/POSIXは仕様で規定されているほとんどの800個近いPOSIX APIを実装しており、UNIXプログラミングでよく利用されるfork、pthread、シグナルなどの機能も含みます。このため、LinuxなどのUNIX系OSの市販/オープンソースの豊富なソフトウェア資産に加え、国内外のUNIX系エンジニアリソースを容易に活用できます。またeT-Kernel/POSIX上で、T-Kernelベースのアプリケーションも同時に動作させることができます。
▽eT-Kernel詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/et-kernel.html


フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、先進の自動車、民生、産業、およびネットワーク市場において、業界を牽引する製品を提供する組込みプロセッシング・ソリューションの世界的リーダーです。マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラ、センサ、アナログ製品やコネクティビティといった私たちの技術は、世界中の環境、安全、健康を向上させ、そしてそれらをよりつなげるイノベーションの基盤となります。また、オートモーティブ・セーフティ、ハイブリッドや電気自動車、次世代のワイヤレス・インフラストラクチャ、スマートエナジー、ポータブル医療機器、家電やスマート・モバイル製品といったアプリケーション向けの製品を提供しています。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。詳細は、http://www.freescale.com/(英語)、またはhttp://www.freescale.co.jp/(日本語)をご覧ください。

イーソル株式会社について
イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。
▽eSOL ホームページ:http://www.esol.co.jp/

*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectはイーソル株式会社の登録商標です。
* eCROS、eT-Kernel、PrCONNECT、PrFILE、PrUSB、PrMTPはイーソル株式会社の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

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会社概要

URL
http://www.freescale.com
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号 恵比寿ガーデンプレイスタワー 29F
電話番号
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代表者名
ケンリック P. ミラー
上場
未上場
資本金
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設立
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