【労働者意識に関するグローバル調査 ランスタッド・ワークモニター 2019年第4四半期】日本の働き方改革が浸透の兆し?

時間外の労働・業務対応への職場からの期待が2015年から約10ポイント減。目立つ男性回答者の数値改善

ランスタッド

総合人材サービス会社ランスタッド・エヌ・ヴィー(本社:オランダ王国ディーメン、CEO:ジャック・ファン・デン・ブルック)は、世界34の国と地域で実施する労働者意識に関するグローバル調査「ランスタッド・ワークモニター」を四半期毎に実施しています。本リリースでは、2019年第4四半期に実施した調査の中から「ワークライフバランス」に関する項目に焦点を当て、2015年実施時の結果と比較して発表します。

2016年に「働き方改革実現会議」が発足し、昨年4月には大企業で残業時間の罰則付き上限規制を含む「働き方改革法」が施行されました。ランスタッドが今回実施した調査では、日本の労働環境が2015年時と比べて改善の兆しが見えることが分かりました。
< 2019年第4四半期  ランスタッド・ワークモニター 特筆事項 >


 
■ 職場からの時間外労働や時間外の業務対応への期待は、2015年の調査結果からいずれも約10ポイント低下。グローバル平均は横ばい
 

■ 「時間外の連絡にも即座に対応」、「休暇中でも業務に対応」の数値も前回の調査から低下。見える労働者側の意識変化

■ 日本では、女性より男性労働者の数値が大きく改善。働き方改革の推進は特に男性のワークライフバランス向上に寄与か


< 調査結果 概要 >
■ 
職場からの時間外労働や時間外の業務対応への期待は、2015年の調査結果からいずれも約10ポイント低下。グローバル平均は横ばい
勤務時間外に「働くこと」、「電話、メール、テキストメッセージで連絡が取れること」を職場から期待されているかについて、調査対象の国と地域の労働者の平均値は2015年の調査から大きな変化はありませんでした。一方、日本の労働者の「同意する」の数値は、前回からそれぞれ約10ポイント、と大きく減少しました。
 




■ 「時間外の連絡にも即座に対応」、「休暇中でも業務に対応」の数値も前回の調査から低下。見える労働者側の意識変化
「勤務時間外の連絡に即座に対応する」、「休暇中も業務に対応する」の値は、調査対象の国と地域の「同意する」の平均値が微増する中、日本の労働者の回答はいずれも減少しました。以上のことから、日本では勤務時間外の対応に関する職場からのプレッシャーが減少したことに加え、労働者側の「対応しなければいけない」という意識も変化し、雇用主と労働者の双方ともにワークライフバランスを改善しようという傾向であることがうかがえます。
 




■ 日本では、女性より男性労働者の数値が大きく改善。働き方改革の推進は特に男性のワークライフバランス向上に寄与か
日本の労働者の結果を性別で見ると、「勤務時間外に連絡が取れることに対する職場からの期待」では、2015年と比較して女性のほうが減少傾向でしたが、それ以外の項目では男性の結果が10ポイント以上減少しました。

また、「勤務時間外の連絡に即座に対応する」への同意は女性がそれぞれ2ポイント程度の減少にとどまるのに対し、男性は2015年から15.4ポイント、「休暇中も業務に対応する」は同12.0ポイント減少しました。このことから、ここ4年の間に特に日本の男性労働者の働き方に変化があったことが推察できます。

 




■ランスタッド・リサーチインスティテュート(RRI) 所長  中山 悟朗からのコメント

今回のワークモニター調査は、ここ数年で特に日本の男性労働者の働き方改革が推進されていることが推察できる結果でした。一方で、総務省が実施する「労働力調査」※1では、昨年4月に大企業の残業に罰則付き上限が導入されてからも、月80時間以上残業をしている労働者が約300万人いることが分かっています。複合的な要因が考えられますが、労務管理が厳格になったことでサービス残業が表面化し数値が上がったこと、そして部下が残業削減した分の業務を管理職が補っていることがあるようです。

日本は現在「労働時間の見直しをする」という第一ステージが実を結びつつあるところです。今後さらなる働き方改革の推進には、テクノロジーの導入や、社内外で蔓延する過剰サービスの見直し、業務の遂行方法の再考などを通して、低いと言われる日本の労働生産性※2の改善を進める必要があると考えます。


※1「令和元年労働力調査結果」(総務省統計局)

※2「労働生産性の国際比較 2019」(日本生産性本部)




< ランスタッド・ワークモニターについて >
ランスタッド・ワークモニターは、2003年ランスタッドの本社のあるオランダでスタートし、現在は欧州、アジアパシフィック、アメリカ大陸の世界34の国と地域で行われています。ワークモニターは年4回実施され、労働市場の動向に関するグローバルトレンドを調査しています。本調査はオンライン上で行われ、18-65歳の週24時間以上の勤務をする労働者を対象にしています(自営業を除く)。
 

2019年の調査(今回)

調査期間:
2019年10月22日~11月6日

調査実施国:
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港特別行政区、ハンガリー、インド、イタリア、日本、ルクセンブルク、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、シンガポール、ルーマニア、スペイン、スウェーデン、スイス、オランダ、トルコ、イギリス、アメリカ
以上34の国と地域

 

2015年の調査(前回)

調査期間:
2015年4月17日~5月4日

調査実施国:
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港特別行政区、ハンガリー、インド、イタリア、日本、ルクセンブルク、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、オランダ、トルコ、イギリス、アメリカ
以上34の国と地域

2015年はスロバキアを含めた34の国と地域で、今回はスロバキアが対象からはずれ、ルーマニアを入れた34の国と地域で調査を実施しました



< ランスタッド 会社概要 >
ランスタッド株式会社は、1960年オランダで創業された世界最大級の総合人材サービス、ランスタッド・ホールディング・エヌ・ヴィーの日本法人です。人材派遣、人材紹介、アウトソーシング、人事サービスを中心に、全国93拠点(内インハウス拠点数30)で事業を展開しています。

〇ランスタッド株式会社 会社概要
[社名] ランスタッド株式会社
[設立] 1980年8月
[代表] 代表取締役会長兼CEOカイエタン・スローニナ、代表取締役社長兼COO 猿谷哲
[所在地] 東京都千代田区紀尾井町4-1ニューオータニガーデンコート21F
[拠点数] 93拠点 (内インハウス拠点数33)
[資本金] 1億円
[事業内容]人材派遣サービス/紹介予定派遣サービス/人材紹介サービス/就職支援サービス/アウトソーシング
[URL] https://www.randstad.co.jp/

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

ランスタッド株式会社

23フォロワー

RSS
URL
https://www.randstad.co.jp
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート21F
電話番号
-
代表者名
猿谷 哲
上場
海外市場
資本金
1億円
設立
1980年08月