「Withコロナ時代の進路指導と高校教育に関するアンケート調査」報告①

≪令和3年3月高校卒業予定者の進路選択・求人・進路決定状況≫

高校生向けに大学・短期大学・専門学校等に関する進路情報を提供する株式会社さんぽう(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:渡邉王雄)は、コロナ禍における高等学校卒業予定者の進路選択傾向、高校教員の情報収集の現状と課題等を明らかにするため、「Withコロナ時代の進路指導と高校教育に関するアンケート調査」を実施しました。その内、「令和3年3月高校卒業予定者の進路選択・求人・進路決定状況」に関して、主な集計結果を以下の通りご報告いたします。
調査結果のポイント
●今春卒予定高校生の進路選択は、昨年度に比較し新型コロナウイルス感染拡大の影響が顕著。
★求人件数減の高校が56.5%、11月末時点での就職内定者減の高校が26.3%。
★進学は総合型選抜出願、学校推薦型選抜出願とも30.2%の高校で増加。
★都道府県外への進学希望が「減った」高校22.4%、就職希望が「減った」高校22.2%。
★家計の影響、企業の採用動向による進路変更も増加傾向。
[調査概要]
調査目的
コロナ禍における高等学校卒業予定者の進路選択傾向、高校教員の情報収集の現状と課題等を明らかにする

調査方法
配付回収:FAXによる配付・回収
調査対象:全国の高等学校進路指導部 (全国:全日制・定時制・通信制・サポート校など)
調査時期:令和2年12月16日~12月25日
※11都府県への緊急事態宣言再発令(令和3年1月8日、14日)前の調査です。
回収枚数:490枚

【アンケート調査結果概要】

問1.進路選択・求人・進路決定状況の数字を昨年度と比較して当てはまるものを1つ選択してください。

 各高校における令和3年3月卒業生の進路選択・求人・進路決定状況(昨年度との比較)については、求人件数の減少が目立ちました。「減った」が56.5%と半数を超えています。厚生労働省公表の令和2年10月末現在の全国高卒新卒者の求人数は前年同期比20.7%減でした(*1)ので、各高校単位で見ても、新型コロナウイルス感染拡大の影響による求人の減少傾向が明らかになりました。「増えた」がわずか2.0%(10校)しかありませんでした。
 就職内定者数については「ほぼ同じ」が47.6%と半数近いですが、「減った」(27.8%)が「増えた」(4.9%)を上回っています。文部科学省から弊社調査と同じ令和2年11月末現在の就職内定率を公表しており、それによると前年同比3.2ポイント増の80.4%でした(*2)が、弊社調査の高校単位では内定者数も減少傾向が強いことがうかがえます。

 進学に目を転じてみますと、今年度から名称変更となった総合型選抜(旧AO入試)、学校推薦型選抜(旧推薦入試)とも「増えた」が30.2%と増加傾向にあります。入試制度変更の混乱とコロナ禍による不安から、早めに進学先を決定したいと安全志向になり、両形式の出願へと向かっているようです。

 また、令和2年4月に発令された1回目の緊急事態宣言にて都道府県境を越えての移動自粛が呼びかけられたことも影響し、進学・就職ともに都道府県外希望者の減少傾向が見られます。進学での「減った」が22.4%、就職での「減った」が22.2%と、それぞれ「増えた」を上回っています。

 さらに、景気動向の進路選択への影響も広がっています。家計の影響により志願校変更が「増えた」が14.1%、進学から就職への変更が「増えた」が11.8%ありました。一方、企業の採用動向による進路変更者(就職→進学)も今年は急増しているようです。「増えた」が13.7%ありました。専門学校進学希望者が「増えた」が21.2%と、四年制大学、短期大学の希望者増より多いのはこの進路変更者層を含むと推測されます。

(*1)厚生労働省「令和2年度高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」(令和2年12月8日公表)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000184815_00009.html
(*2)文部科学省「令和3年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況(令和2年11月末現在)に関する調査」(令和3年1月15日公表)
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kousotsu/kekka/k_detail/mext_00007.html

【求人件数増減の地域別比較】

 地域別の求人件数増減について、「減った」高校は北陸・東海地区が70.2%と最多、次いで東北地区及び近畿地区が62.5%、九州・沖縄地区が60.7%でした。一都三県(東京・埼玉・千葉・神奈川)では「減った」が35.4%、「ほぼ同じ」が39.0%、「増えた」が3.7%と全国の中では減少規模が最も小さいです。

問2.昨年度と比べ気になった変化、志望学部・分野や希望業種・職種の傾向などがありましたらご記入ください。

[記述回答。「変化あり」や傾向の記述=153校(31.2%)]
変化のあった主な学部・分野・業種・職種(記述回答のみ集計。回答数2以上。重複あり)>

 

 

 昨年度と比べての変化、志望学部・分野や希望業種・職種の傾向については、「変化あり」や傾向の記述回答は153校(31.2%)、「変化なし」「無回答」は337校(68.8%)でした。変化のあった主な学部・分野・業種・職種についての記述を抽出したのが上記の表です。「看護・医療系の進学希望者増」について35校の記述があり、他の学部・分野に抜きん出て多いです。ただし、今年1月の11都府県での緊急事態宣言再発令の前後から医療スタッフの疲弊が報道されるようになり、今後の動向に影響があるかどうかが注目されます。12月の調査時点で「看護・医療系が減少している」も4校ありました。
 また、傾向の中で「公務員希望者が増えた」と特筆している回答が6校ありました。問1の調査結果でも、公務員希望が「増えた」は17.1%ありました。

●「昨年と比べての変化」についての記述回答(抜粋)

【進学】
  • 現役で合格しようとする安全志向が高まっている。(北海道)

  • 保護者の安定を求める気持ちを汲んで、公務員系の専門学校志望が増えた。(山形県)
  • 大学の公募推薦入試が難化傾向にあるように思う。(福島県)
  • 商・経済・経営・情報の分野が昨年度よりもさらに厳しくなった。(茨城県)
  • 附属校推薦の志望が増え、一般選抜を目指す生徒が減ってしまった。(東京都)
  • 一人あたりの受験校がやや減少傾向。(静岡県)
  • オープンキャンパス参加がままならないため、志望先に自信が持てない人がいる。(静岡県)
  • 看護が一服し経済系が増えたが、コロナ以降再び看護志望に切り替えた者が目立つ。(鳥取県)
  • 総合型選抜の発表日が遅くなったこともあり、出願希望が減った。(宮崎県)
  • コロナ禍での就職求人が遅かったため、進学に切り換えた生徒は病院奨学金の付く看護が多かった。(鹿児島県)


【就職・公務員】

  • 1ヶ月就職日程が後ろ倒しになり、検討しすぎて受験機会を逃す生徒がいた。(北海道)
  • 明らかに求人数が減ったうえに、採用控えと思われる傾向が見られた。(青森県)
  • 公務員志望者が増えた一方、合格者は減った。(福島県)
  • 就職の選考基準が厳しくなった。(埼玉県)
  • 高齢者施設への就労が難しくなった。(在学中のインターンシップが受入れられなかった)(新潟県)
  • 就職1次不合格者が倍以上増えた。(長野県)
  • 就職でホテルスタッフ、飲食業が少なくなった。(大阪府)
  • 縁故就職、指定校推薦等、より安全にを考える者が増えた。(大分県)


【「変化はないが気になる」という記述】

  • 特に変化がない点が、逆に一般入試に影響されないか不安。(福岡県)
  • 今年度は気にならないが、次年度以降の医療技術系が減るのではないか。(宮崎県)
問3.コロナ禍を踏まえ、生徒に勧めたい学部・分野・業種・職種、あるいは学校・企業がありましたらご記入ください。

[記述回答。学部・分野・業種・職種の記述=54校]

 

 コロナ禍を踏まえ、生徒に勧めたい学部・分野・業種・職種等については、学部・分野・業種・職種の記述は54校(11.0%)と多くはありませんでした。こちらでも「看護・医療系」が、「IT・情報系」と並び最多の14校で記述がありました。また、学部・業種ではなく、「地元企業」や「地元の大学・上級学校」を勧めたいという声もありました。
 一方、「コロナ禍を踏まえたという視点はない」、「あくまでも生徒の希望を優先」という記述も複数あり、「わからない」を含め19校(3.9%)でした。未だコロナウイルスの収束の目途がついていないこともあり、「ありません(理由記載なし)」「無回答」が417校と85.1%を占めました。

●「勧めたい学部・分野・業種・職種あるいは学校・企業」についての記述回答(抜粋)

  • 医療機器、ドローンでの配達・人の移動、AI・IoTを利用した仕事など。(福島県)
  • 医療系・福祉系は進学・就職ともに将来性が期待される。(茨城県)
  • 資格を取得でき、確実に就職につながる分野(東京都)
  • 企業は地元優良企業または東証上場企業。(岐阜県)
  • オンライン・ICT化を進めることも大切だが、対面や大学生活も重視している大学を勧める。(新潟県)

●「『コロナ禍を踏まえ勧めたい学部・業種』等はない」「不明」についての主な意見(一部類型化し抜粋)

  • あくまでも本人の元々の進路希望が優先。(岩手県、山形県、茨城県、福井県、福岡県)
  • コロナ禍が数十年続くわけではないので、「コロナ禍を踏まえた」進路指導は行わないようにしている。(福島県)
  • 特にコロナを踏まえた視点、進路指導、勧める学部等は考えてない。(栃木県、群馬県、静岡県)
  • コロナに関係なく高卒求人に理解のある企業を勧めている。(東京都)
  • 就活は3年後なので、現時点でジタバタするのは無意味。(東京都)
  • 先が見えないなか何を推していくのか、頭を抱えている。(愛知県)
  • どの進路に向かわせたらいいのか全くわからない。(茨城県)
  • 特にない(コロナの影響を受けてほしくない)(宮崎県)

【会社概要】
株式会社さんぽう(https://company.sanpou-s.net/
本社所在地:東京都渋谷区初台1-31-16
代表取締役:渡邉王雄

【問い合わせ先】
株式会社さんぽう 情報管理センター
TEL:03-3378-7977(担当:西)

コロナ休校による進路情報不足の高校生のための進路対策動画特集
https://www.sanpou-s.net/movie/
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