東京都教育委員会発表「平成26年度に発生した都内公立学校における体罰の実態把握について」を受けて
子どもの体やこころを傷つける罰が行われないことを目指し活動する子ども支援専門の国際NGOである公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(理事長:深田宏/専務理事・事務局長:千賀邦夫、以下SCJ)は、東京都教育委員会が「平成26年度に発生した都内公立学校における体罰の実態把握について」を実施し広く公開したこと、及び、都が2012年から調査を実施し、「体罰を根絶するための総合的な対策」をはじめとする調査から明らかになった実態に対する包括的な取組みを行ってきたことを高く評価します。
SCJは、上記の取組みの成果により体罰の禁止に言及した学校教育法第11条 が示す規範や体罰の問題性について部活動を含む現場等で広く再認識されたことが、体罰を行った教職員の数の半減(平成25年度122人→平成26年度68人)、及び、その他の「不適切な行為」「指導の範囲内」のいずれにおいても減少という結果につながったものと考えます。またこのような調査が、私たち市民社会の体罰に関する議論を高めるために重要な役割を果たすことを期待しています。
SCJは国際社会の一員として、国連による「体罰」の定義にならい、いかなる態様(体罰、不適切な行為、指導の範囲内)の区分にもとらわれない取組みを進めます。日々子どもと向き合う先生方を社会全体が支えることが重要であるという立場から、社会全体で「体罰」を根絶していく流れを形成するためにも、「叩かない・怒鳴らない子育て『ポジティブ・ディシプリン』」の普及展開を含め、養育者の立場に寄り添ったサポートにも注力をしていきます。このように官民の一層の努力が相乗効果を生み、多面的な展開をみることで、本取り組みが更に進むことを強く願います。
<セーブ・ザ・チルドレンの取組み>
セーブ・ザ・チルドレンでは、子ども虐待の早期予防を目的として、人を叩いたり暴言を浴びせたりするなどの通常「大人同士であれば許されない行為」を子どもたちも受けることが決してない社会を目指すため、体罰や暴言などの「子どもの体やこころを傷つける罰」を根絶するための取組みを進めています。
- 『子どもに対する体罰を終わらせるための手引き』
(手引き日本語版のダウンロード可)
http://www.savechildren.or.jp/scjcms/press.php?d=1892 - 『ポジティブ・ディシプリンのすすめ』(書籍紹介)
http://www.savechildren.or.jp/sc_activity/japan/pd-book.html - ポジティブ・ディシプリンについてのワークショップ実践報告
http://www.savechildren.or.jp/scjcms/sc_activity.php?d=1500
<セーブ・ザ・チルドレン/セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとは>
1919年に英国にて設立。子ども支援の世界的リーダーとして、世界30カ国の独立したセーブ・ザ・チルドレンがパートナーシップを結び、現在約120の国と地域で、すべての子どもにとって「生きる・育つ・守られる・参加する」子どもの権利が実現されている世界を目指して活動する国際NGO。国連の経済社会理事会(ECOSOC)の最高資格である総合諮問資格(General Consultative Status)を取得しています。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは日本のパートナーとして1986年に設立。
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