世界自然遺産・奄美大島の海と自然を将来世代につなぐ活動に賛同し、「嘉徳海岸侵食対策事業の一時中止の要望」を支持します
令和3年7月に決定した「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録について、鹿児島県、沖縄県、地元市町村、専門家、地元団体、関係省庁をはじめ、多くの皆様のご尽力に心からの敬意を申し上げます。
同時に、10月初旬にも着工が予定されている鹿児島県大島郡瀬戸内町の嘉徳海岸浸食対策事業(護岸工事)について、私たちの環境助成先の公益財団法人 日本自然保護協会をはじめとする環境団体が河川の健全度、海と陸の連続性が壊されることを危惧し要望する「嘉徳海岸侵食対策事業の一時中止と管理体制の再構築」(*注1)を、奄美大島で生まれ育ったパタゴニア・サーフィン・アンバサダーの碇山勇生とともに支持します。
「世界遺産登録に関するIUCN(国際自然保護連合)評価書では、 現在計画されている嘉徳海岸侵食対策事業が計画以上に拡大されないことを確認したとあるものの、本事業の発端となった砂浜の侵食は現状では大幅に解消されてきています。(*注2)護岸工事の必要性が低下していると考えられるいま、本事業は見直すべきであると考えます。」防災・減災については、国際的には、護岸などの人工構造物ではなく、生態系を基盤にした防災・減災(Eco-DRR:Ecosystem-based Solutions for Disaster Risk Reduction)の考え方、つまり自然が持つ力を利用した方策が注目されています。
気候変動の影響が強まるなか、これまでのような海岸部は県、河川は町という管理方法から、河口域から海岸部までの統合的な管理を必要としています。鹿児島県と瀬戸内町が主体となり、長期的な防災と生物多様性の保護を両立するEco-DRR の先進的な取り組みを行うこと、必要な場合には自然再生の技術を適用していくこと、また長期的な保全にとって市民の参画が重要であるとするものです。
全国的に自然度の高い河川や砂浜の生態系が失われつつあるなか、奄美大島の嘉徳は海から陸、川から砂浜まで連続性をもって、ひとまとまりに残されている地域です。特に嘉徳海岸に流れ込む嘉徳川は自然の水の流れを保つ貴重な河川であることが、世界自然遺産の諮問機関である IUCNにより高く評価されました。その世界的に高く評価された嘉徳川と嘉徳海岸を将来世代につなぐための取り組みに注力し、「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」企業として行動していきます。
*注1
公益財団法人日本自然保護協会「嘉徳海岸侵食対策事業の一時中止と管理体制の再構築」
https://www.nacsj.or.jp/archive/2021/09/12439/
*注2
(1)鹿児島県 第1回嘉徳海岸侵食対策事業検討委員会(概要)
https://www.pref.kagoshima.jp/aq12/kiban/documents/61205_20170907153524-1.pdf
6-7ページ 西隆一郎委員 発言部分
(2)宇多高明 奄美大島の嘉徳海岸の侵食とその対策に関する提案 (2018年)
https://www.nacsj.or.jp/archive/wp-content/uploads/2018/02/20180214_tnpusiryo1.pdf
6ページ部分
●パタゴニア日本支社 会社概要
パタゴニア・インターナショナル・インク日本支社
Patagonia International Inc., Japan Branch
・所在地:神奈川県横浜市戸塚区川上町91-1 BELISTA タワー東戸塚5階
・設立年月日:1988 年 8月 23日
・日本支社長:マーティ・ポンフレー
・パタゴニア日本支社公式ウェブサイト: www.patagonia.jp
●本件に関するお問い合わせ先
公益財団法人 日本自然保護協会
所在地:東京都中央区新川1-16-10 ミトヨビル2F
担当:安部、大野
Tel: 03-3553-4101
Email: abe@nacsj.or.jp
パタゴニア日本支社 コミュニケーション &PR
担当:太宰、ロジャース、松崎
Email: Japan.pr@patagonia.com
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