イトーキ、6者との共同研究による5Gスマートオフィス実証試験を実施
5G環境下でも、無線LAN環境をストレスなく利用できるソロワーク用スペースを開発、有用性を実証
【ソロワーク用スペースにおける通信状況の実証】
■背景
5G環境が整備されたオフィスでは、様々な種類の小規模ネットワークが混在する“ヘテロジニアスネットワーク”が実現することが期待されています。一方、近年注目されている働き方改革がさらに進展すると、個々のワーカーのアクティビティ(活動)にふさわしいワークプレイスを用意し、活動に応じてワーカー自らが自立的に使い分ける「ABW (Activity Based Working)」の浸透が進むとイトーキは考えています。
イトーキでは、ABWの考え方に基づいてアクティビティを10に分類しており(※)、そのなかでも「ソロワーク」用のスペースにおいて、5G環境下で無線LANの通信の質がワーカーの作業を阻害する可能性について検証しました。
■今回の取り組みと結果について
今回、ソロワークスペースの天板を、LANSheet Lightを内蔵する構造に改良することで、天板の使いやすさとストレスを感じさせない無線通信環境の両立を目指しました。検証の結果、問題なく通信ができることを確認し、様々なIoT機器が通信を行う5Gネットワーク環境下においてもワーカーがストレスなく作業できることが実証できました。
■将来像
将来的には、LANSheet Lightに5Gの基地局を接続することで、机上に置いたデバイスのみが接続可能な小規模ネットワークを構成し、高速かつ低遅延な資料の共同編集や、超高精細映像の転送による多拠点間コミュニケーションも可能になるとイトーキは考えています。
【MRを応用した臨場感のある遠隔会議システムの実証実験】
■背景
5Gが屋内オフィス空間をカバーするようになると、遠隔会議もより臨場感のあるものへ発展すると考えられます。特にリモートワークが進めば、非対面型のコミュニケーションが増えることが想定されます。一方、非対面型のコミュニケーションは表情や態度などの非言語情報が少なく、遠隔地の参加者の存在が薄くなりがちというデメリットもあります。
■今回の取り組みと結果について
実証試験では、MRを応用した臨場感のある会議システムの環境を構築し、東広島市役所様内の会議で試験使用して課題を抽出しました。会議室と遠隔地を高速通信接続し、3D映像(センサーで取得した点群データからの立体投影)による会議を開くことで、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着した人は、あたかも遠隔地の相手がその場にいるかのような感覚で会議に参加できるようになりました。
■将来像
今回構築したシステムは、ネットワーク速度に課題が残るものの、リアリティのある会議が実現できることが検証できました。将来、5Gの通信網が整備された場合、より高精細な映像を滑らかに表示することが可能になり、遠隔地の参加者の存在感を上げ、さらに密度の高い議論を後押しすることができるようになると考えられます
- ABW(Activity Based Working)の10の活動はオランダのワークスタイルコンサルティング企業VELDHOEN+COMPANYの研究により作られた考え方です
- HMD(ヘッドマウントディスプレイ)は、頭部に装着する携帯型ディスプレイ全般を指します。本検証で扱ったHMDは透過型のディスプレイにPCも搭載したデバイスで、「頭部装着型PC」と呼ばれるものです。
- LANSheet Lightとは、有線LANと無線LANのメリットを融合したイトーキ独自のシート状ネットワーク通信システムです。詳しくは、イトーキのウェブサイトをご覧ください。⇒https://www.itoki.jp/special/lansheet/
- MRを応用した遠隔会議システムは、イトーキと株式会社ホロラボ(本社:東京都品川区、代表取締役CEO:中村薫)との共同研究による、次世代遠隔コミュニケーションシステムのプロトタイプです。ヘテロジニアスネットワーク(異種混合ネットワーク)とは、種類・規格・送受信範囲が異なる無線通信を組み合わせ、効率のよい通信環境を実現することを指しています。
<LANSheet Light を内蔵したソロワーク用スペース、3D遠隔コミュニケーションに関するお問い合わせ先>
商品開発統括部 秋山、川村、安達 TEL 03-6204-0052
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