【スキマバイト経験者に聞くスキマバイトに関する実態調査】スキマバイトの5割以上が勤務先でトラブルに遭遇、多くは解決に至らず「仕事内容が事前に聞いていた内容と異なる」トラブル多く4割以上が相談先知らない
労働条件通知書が送られて来なかった経験がある人が5割以上いる一方で1割弱が全く読まず3割以上が内容を理解できないと回答。スキマバイトに関する社内ルールの整備など受け入れる企業側の対応が求められる結果に
調査の結果、働きたい時だけ働ける柔軟な雇用形態であることを理由にスキマバイトを選ぶ人が多い中、5割以上が勤務先でトラブルに遭ったことがあると回答し、4割以上がトラブルに遭った際の相談先を把握していないと回答しました。また、トラブルに遭ったことがある人のうち約5割は仕事内容が事前に聞いていた内容と異なると回答しました。
さらに、労働基準法ではスキマバイトにも労働条件通知書を交付する必要があるとされていますが、仕事を開始する際に勤務先から労働条件通知書が送られて来なかった経験がある人が5割以上いることが分かりました。一方で、1割弱が労働条件通知書の内容を全く読まず、3割以上が読んでも内容を理解できないと回答し、その理由として最も多かったのは文量が多いためでした。
主な調査結果
①スキマバイトを選ぶ理由として「働きたい時だけ働ける柔軟な雇用形態だから」と回答した人が62.6%で最多。次いで「採用面接を受けずに働き始めることができるから」と「就業後すぐに給料を受け取れるから」と回答した人が47.1%。
②仕事を開始する際に勤務先から労働条件通知書が「1度も送られてきたことがない」人が14.1%。「送られてこないことがある」人は39.9%で、半数以上の人が送られてこなかった経験がある。
③仕事を開始する前に、労働条件通知書の内容を全く読まない人は7.8%。
④労働条件通知書の内容を読むと回答した92.2%のうち、37.0%が内容を理解できないと回答。理由を聞くと「文量が多いから」63.0%、「重要な箇所が分からないため」45.4%、「専門用語が多いから」24.4%。
⑤スキマバイトの勤務先で、担当者から労働条件通知書の内容を口頭で説明されなかった経験がある人は73.3%。
⑥勤務先で就業規則の内容を確認するか質問をしたところ、「確認する」58.0%、「確認しない」34.2%、「覚えていない」7.8%。
⑦スキマバイトの勤務先でトラブルに遭ったことがある人は51.4%。トラブルの内容で最も多かったのは「仕事内容が事前に聞いていた内容と異なる」と回答した人が52.0%、次いで「労働条件(労働時間や給与など)が異なる」が46.9%。他、「教育や指導・指示が不十分」が20.1%、「パワハラやモラハラが横行する職場だった」が15.6%、「勤務中に怪我や事故に巻き込まれたが労災認定されなかった」が12.8%との結果に。
⑧勤務先でトラブルに遭ったことがあると回答した51.4%のうち、勤務先とのトラブルを紹介元(仲介会社)へ相談した人は63.1%。そのうち、トラブルが未だ解決していない人は57.5%。
⑨勤務先でトラブルに遭った際、どこに相談したらいいか把握していない人は44.3%。
詳細
①スキマバイトを選ぶ理由として「働きたい時だけ働ける柔軟な雇用形態だから」と回答した人が62.6%で最多。次いで「採用面接を受けずに働き始めることができるから」と「就業後すぐに給料を受け取れるから」と回答した人が47.1%。
「スキマバイトを選んだ理由は何ですか」と質問したところ、最多の回答は「働きたい時だけ働ける柔軟な雇用形態だから」が62.6%、次いで「採用面接を受けずに働き始めることができるから」と「就業後すぐに給料を受け取れるから」が47.1%だった。
②仕事を開始する際に勤務先から労働条件通知書が「1度も送られてきたことがない」人が14.1%。「送られてこないことがある」人は39.9%で、半数以上の人が送られてこなかった経験がある。
「スキマバイトで仕事を開始する際に勤務先から労働条件通知書は送られてきますか」と質問したところ、「1度も送られてきたことがない」と回答した人が14.1%、「送られてこないことがある」と回答した人が39.9%で、5割以上が勤務先から労働条件通知書が送られてこなかった経験があることが判明した。
労働基準法ではスキマバイトにも労働条件通知書を交付する必要があるが、半数以上が送られてこなかった経験があることから、スキマバイトに関するルールの整備や周知が追い付いていない実態が明らかになっただけでなく、労働基準法に反している企業が一定数いることも明らかとなった。
③仕事を開始する前に、労働条件通知書の内容を全く読まない人は7.8%。
「スキマバイトで仕事を開始する際に、勤務先から送られてくる労働条件通知書の内容を読みますか」と質問したところ、「全く読まない」と回答した人が7.8%、「知りたいところだけ読む」が49.4%、「全て読む」が42.8%との結果に。1割弱の人が勤務先での賃金や始業及び就業の時刻など条件面を把握せずにスキマバイトを開始している実態が明らかとなった。
④労働条件通知書の内容を読むと回答した92.2%のうち、37.0%が内容を理解できないと回答。理由を聞くと「文量が多いから」63.0%、「重要な箇所が分からないため」45.4%、「専門用語が多いから」24.4%。
「スキマバイトで仕事を開始する際に、勤務先から送られてくる労働条件通知書の内容を読みますか」と質問し、「全て読む/知りたいところだけ読む」と回答した人に対し「勤務先の労働条件通知書の内容を理解できますか」と質問したところ、「ほとんど理解できない/あまり理解できない」と回答した人が37.0%との結果に。
「ほとんど理解できない/あまり理解できない」と回答した人に理解できない理由を聞くと、「文量が多いから」と回答した人が63.0%で最多、次いで「重要な箇所が分からないため」と回答した人が45.4%、「専門用語が多いから」と回答した人が24.4%との結果に。
⑤スキマバイトの勤務先で、担当者から労働条件通知書の内容を口頭で説明されなかった経験がある人は73.3%。
「スキマバイトの勤務先で、担当者から労働条件通知書の内容を口頭で説明されましたか」と質問したところ、「1度も説明されたことがない」と回答した人が23.6%、「説明されないことがある」と回答した人が49.7%との結果に。
働き手と企業とで労働条件の認識合わせを行わないことがトラブルの原因となっている可能性がうかがえる。
⑥勤務先で就業規則の内容を確認するか質問をしたところ、「確認する」58.0%、「確認しない」34.2%、「覚えていない」7.8%。
「スキマバイトの勤務先で、就業規則の内容を確認しますか」と質問したところ、「確認する」と回答した人は58.0%で、「確認しない」が34.2%、「覚えていない」が7.8%との結果に。
⑦スキマバイトの勤務先でトラブルに遭ったことがある人は51.4%。トラブルの内容で最も多かったのは「仕事内容が事前に聞いていた内容と異なる」と回答した人が52.0%、次いで「労働条件(労働時間や給与など)が異なる」が46.9%。他、「教育や指導・指示が不十分」が20.1%、「パワハラやモラハラが横行する職場だった」が15.6%、「勤務中に怪我や事故に巻き込まれたが労災認定されなかった」が12.8%との結果に。
「勤務先でトラブルに遭ったことがありますか」との質問に対し、「はい」と回答した人が51.4%。半数以上の人がトラブルに遭ったことがあることが判明した。
「はい」と回答した人に対し、具体的にどのようなトラブルに遭遇したことがあるか聞いたところ、「仕事内容が事前に聞いていた内容と異なる」と回答した人が52.0%で最多、次いで「労働条件(労働時間や給与など)が異なる」が46.9%。他、「教育や指導・指示が不十分」が20.1%、「パワハラやモラハラが横行する職場だった」が15.6%、「勤務中に怪我や事故に巻き込まれたが労災認定されなかった」が12.8%との結果に。
⑧勤務先でトラブルに遭ったことがあると回答した51.4%のうち、勤務先とのトラブルを紹介元(仲介会社)へ相談した人は63.1%。そのうち、トラブルが未だ解決していない人は57.5%。
「勤務先でトラブルに遭ったことがありますか」と質問し「はい」と回答した人に対し、「勤務先とのトラブルを紹介元(仲介会社)へ問い合わせや相談等をしましたか」と質問したところ、「相談した」と回答した人が63.1%、「相談しなかった/相談していない」が34.1%、「相談窓口がない/なかった」が2.8%との結果に。
「相談した」と回答した人に、「問い合わせや相談等をした結果、勤務先とのトラブルは解決しましたか」と質問したところ、「解決した」と回答した人は42.5%、「一部解決した」が51.3%、「解決しなかった」が3.5%、「現在相談中」が2.7%との結果に。未だ解決していない人が57.5%いることが判明した。
⑨勤務先でトラブルに遭った際、どこに相談したらいいか把握していない人は44.3%。
「スキマバイトの勤務先でトラブルに遭った際、どこに相談したらいいか把握していますか」と質問したところ、「いいえ」と回答した人は44.3%、「はい」が55.7%との結果に。相談先を十分に周知できていない企業や仲介会社のサポート体制不足がうかがえます。
考察
近年、スマートフォンのアプリなどを利用し、空いた時間(スキマ時間)に働く「スキマバイト」と呼ばれる働き方が広まっています。
企業は必要なタイミングのみ人材を雇用することができるため、人手不足の解消に有効な手段の一つとして注目を集めています。特に、インバウンドの需要回復や新型コロナウイルスの収束もあり人手不足が深刻な問題となっていた宿泊施設や飲食店では、スキマバイトが重要な戦力となっています。また、働き手にとってもスキマバイトは柔軟な働き方を実現できるため双方にとってメリットのある仕組みといえます。
2023年6月時点で働き手と企業を仲介する大手事業者(4社)の会員登録数の合計は1,000万人を超えており※1、今後も少子高齢化に伴う労働人口不足や働き方の多様性などもあいまってスキマバイトの活用は期待できます。
しかし、今回の調査結果では約半数が勤務先でトラブルを経験していることや、トラブルに遭遇した際の相談先を把握していないことなど、企業だけでなく仲介会社(紹介元)のスキマバイトに対するサポート体制が追い付いていない実態が明らかとなりました。
また、5割以上の方が労働条件通知書が送られてこなかった経験があると回答しており、現場においてスキマバイトに関するルールの徹底が追い付いていない実態が明らかとなっただけでなく、労働基準法に反している企業が一定数いることも明らかとなりました。加えて、労働条件通知書を読んでも理解できないと回答した方も3割以上存在するなど、スキマバイトをする人が内容を理解できるよう口頭で補足説明を行うなど、企業側が支援体制を整える必要があると考えます。
企業が法令を遵守する上で、スキマバイトをする人に対しても十分な情報提供を行うことは非常に重要ですが、現状のままでは、スキマバイトと企業側のトラブルが増え続け、結果大きな労務問題に発展する可能性や、ひいてはスキマバイト人口の減少による労働機会の損失や日本全体の生産性低下につながる可能性があります。
働き手と企業の双方が安心して働ける環境(世界)の実現に向けて、スキマバイトに関するルールを社内規程として整備し周知・運用していくこと、相談窓口の設置や就業後にヒアリングを行うなどのサポート体制を強化することは、企業だけでなく仲介会社(紹介元)も一丸となって対応すべきことです。
今後も当社は社内規程管理クラウド「KiteRa」の提供を通じて、人々が安心して働ける世界の実現に取り組んでまいります。
参考:
※1 日本経済新聞 2023 年 6 月 22 日発表 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO72101510S3A620C2MM8000/
調査概要
調査名:スキマバイトに関する実態調査
調査期間:2024年4月24日〜4月25日
調査方法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:348
対象条件:「2023年5月~2024年4月の間にスキマバイトをしたことがありますか」との設問に対し、「現在している/過去にしていた」を選択した全国の20代以上の男女
株式会社KiteRaについて
「安心して働ける世界をつくる」をミッションに掲げ、安心して働くためのルール(仕組み)である社内規程をTechnologyの力で簡単に正しく運用できる社内規程作成クラウドサービス、企業向けの「KiteRa Biz」と、社労士向けの「KiteRa Pro」を展開しています。今後も社内規程を通じて誰もが安心して働くことのできる世界の実現を目指します。
名称:株式会社KiteRa
所在地:東京都港区北青山1-2-3 青山ビル7階
代表者:代表取締役CEO植松隆史
設立:2019年4月1日
事業内容:社内規程クラウド「KiteRa」の企画・開発・運営
主要サービス:
社労士向けSaaS「KiteRa Pro」 https://kitera-cloud.jp/pro/
企業向けSaaS「KiteRa Biz」 https://kitera-cloud.jp/biz/
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