中央アフリカ共和国:長引く紛争で6割以上もの子供たちがPTSDに
子ども支援国際NGOセーブ・ザ・チルドレンが報告
2013年から2年5ヵ月にもおよぶ武装勢力間の衝突による混乱の中で、中央アフリカ共和国の5歳から16歳の子どものほぼ4分の3が、家族・親戚や隣人に対する暴行や殺害のほか、砲撃、そして、なたによる襲撃を目撃したとされています。
調査の中で、セーブ・ザ・チルドレンがインタビューした子どもの43%が、身体的虐待や銃撃の被害に遭ったり、あるいは生命の危険に直面したりした経験がありました。彼らの65%は学校に行くのが恐くなるときがあると感じ、25%が恐怖のために実際に学校に通えないと答えました。また、インタビューを受けた子どもたちの91%が、過去に殺される、あるいはひどく傷つけられるのではないかという恐怖を経験しており、保護者の半数以上が、自分たちが暮らす地域は子どもたちにとって危険が大きすぎると思っていることもわかりました。さらには、調査の対象となった子どもたちの3分の2が、情緒、行動、学習、人間関係などの面で困難に直面していることが、子どもたち自身または保護者や教師の証言からわかりました。このような状況は、子どもたちの今後の成長に重大な影響を与える可能性があります。
こうした莫大なニーズがあるにも拘わらず、中央アフリカ共和国の子どもたちへの資金援助は非常に限られており、人道支援組織に対する拠出は、国連とNGOなどのパートナーシップによって策定された、中央アフリカ戦略的対応計画で要請された総額の約5分の1に留まっています。また、子どもたちの学び、安心・安全、そして健やかな成長(well-being)にとって欠かすことのできない教育支援に対する資金は皆無の状態です。
わたしたちは、子どもたちが心身ともに安心・安全に過ごせる場所としての学校を、早急に復興しなければなりません。同時に、心理的な問題を抱える子どもを識別し、そうした子どもたちが家庭や学校での日常生活を取り戻すことができるよう、コミュニティーの大人、保護者、教師、及び医療関係者の対応力を高めるための支援を行う必要があります。」と現場の深刻な状況を伝えています。
*1:本調査(An evaluation of psychological needs of school-aged children in Bangui/Ouaka)は、2015年第1四半期に、18の学校と、2つのセーブ・ザ・チルドレンの「子どもひろば」で543人の子どもたちを対象に実施しました。調査の中で、111人の子ども、113人の保護者、66人の教師に対し、臨床心理士が直接的なコンサルテーションを行いました。また、調査対象となった子どもたちのうち、11%が学校に登校していませんでした。
中央アフリカ共和国の子どもたちへのご支援は、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「いのち・みらい貯金箱」より可能です。
<セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン ご寄付の受付先> ゆうちょ銀行からの「いのち・みらい貯金箱」への指定寄付 口座名:いのち・みらい貯金箱 口座番号:00190-8-791030 ※ 備考欄に「いのち・みらい貯金箱」とご記入ください。 ※ 振込手数料はご負担をお願いしております。 ※ 領収証ご希望の方は、振込用紙通信欄にその旨ご記入ください クレジットカードによるご寄付はホームページから http://www.savechildren.or.jp/lp/childemergencyfund/ |
<セーブ・ザ・チルドレン、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン概要>
1919年に英国にて設立。子ども支援の世界的リーダーとして、世界30カ国の独立したセーブ・ザ・チルドレンがパートナーシップを結び、現在約120の国で、すべての子どもにとって「生きる・育つ・守られる・参加する」子どもの権利が実現されている世界を目指して活動する国際NGO。国連の経済社会理事会(ECOSOC)の最高資格である総合諮問資格(General Consultative Status)を取得しています。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは日本のパートナーとして1986年に設立。http://www.savechildren.or.jp/
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