ソラコム、次世代SIMテクノロジー「iSIM」の実証実験を実施
IoTデバイスの小型・軽量化のニーズに応える、先進技術への取り組み
株式会社ソラコム(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長 玉川憲、以下ソラコム)は、iSIMの実証実験を完了しました。 iSIM(integrated SIM)は、従来のセルラー通信において、独立したコンポーネントとして存在していた通信モジュールとSIM/eSIMの機能を、1枚のチップ(SoC:System-on-Chip)に集約する技術規格です。物理的なSIM/eSIMが不要になることで、基板スペースの削減や回路の簡素化によるモジュールの小型・軽量化、省電力化、処理能力向上、コスト削減、商流の簡素化など従来のSIM/eSIMにおける多くの課題の解決が期待されています。
チップ内でハードウェア的にセキュアな領域を確保するため、セキュリティが高く、次世代のSIMテクノロジーとして注目されています。
ソラコムは、IoT通信プラットフォームSORACOMを通じて、セルラーIoTおよびSIMの先進技術の検証と実装を進めてきました。2017年には産業機器向け、2020年2月にはコンシューマー向けのeSIMにも対応。いずれもOTA(Over the Air、無線経由)での回線契約の書き換えはもちろん、1枚のSIMに複数の回線契約を格納し必要に応じて切り替える「サブスクリプションコンテナ」機能も開発、商用提供しています。これらのeSIMで培ったノウハウを、本実証実験にも活かしています。
今回の実証実験は、セルラーIoT向けのチップセットを開発するSony Semiconductor Israel Ltd.(以下ソニー)と、セルラーIoTデバイス向けにセキュアな認証情報を提供する「Kigen®」の提供元のKigen社、クラウド上に構築されたセルラー向けコアネットワークと回線管理プラットフォームを提供するソラコムの3社で共同実施しました。
具体的には、ソニーが提供するセルラーIoT向けチップセット(Altair ALT1250)の評価ボード内に、ハードウェア的にセキュアな領域を確保し、「Kigen®」が提供するiSIM OS上にパーソナライズされたソラコムのキャリアプロファイルの書き込みを実施。ソラコム独自の鍵情報の生成、キャリアプロファイル情報のモジュールへのセキュアな書き込み、セルラー通信網への接続、およびソラコムの各種プラットフォームサービスへの接続まで、すべて正常に動作することを確認しました。
今後の商用利用に向け、引き続き実証実験に取り組みます。
実証実験にあたり、共同で取り組んだ3社は以下のようにコメントを寄せています。
Sony Semiconductor Israel Ltd.
当社は、セルラーIoT市場の発展において重要な役割を担う技術であるiSIMの開発に先駆的に取り組んでまいりました。当社のチップセットは小型でかつ多機能でもあり、消費電力の低さも業界トップクラスである点から、IoT分野の様々なアプリケーションに最適なソリューションであります。この度は、ソラコム様のネットワークでのiSIMの利用を大変喜ばしく思っております。当社のiSIM技術とソラコム様のネットワークにより、お客様による経済性、持続性、安全性を有した統合型IoTソリューションの大規模な展開を可能にします。
Sony Semiconductor Israel Dima Feldman(VP Product Management and Marketing)
Kigen
数十億ものIoTデバイスの世界への移行には、セキュリティ基盤の構築を容易にし大規模拡張を可能にするイノベーションが必要であり、iSIMが重要なテクノロジーになると信じています。市場をリードするKigenのiSIM OS、プロビジョニングサービスや関連する専門知識、ソニー社のiSIMチップセット、ソラコム社のグローバルコネクティビティが組み合わさり、今回の実証実験を実施できたことを大変喜ばしく思います。低消費電力、極小型、また設計段階から安全性を確保するSecure-By-DesignなIoTソリューションを提供する新たな段階へのパートナーシップを期待しています。
Kigen VP Product and Marketing Loic Bonvarlet
株式会社ソラコム
業界を主導するテクノロジーパートナーとともに今回iSIMの実証実験の実施を嬉しく思います。ソラコムはクラウドネイティブなセルラーコアネットワークを強みに、IoTのためのグローバルコネクティビティと、IoTシステム活用のためのサービスを拡充させてきました。iSIMのテクノロジーは、産業や身近な生活にイノベーティブな進化をもたらすと確信しています。
最新のSIMテクノロジーを誰もが使えるように「民主化」し、お客さまにお届けできるよう引き続き検証を続けていきます。
株式会社ソラコム 最高技術責任者 CTO 安川 健太
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