日本国内の大学における情報系学部・学科の実態調査を公表
〜情報系学部・学科への進学需要が34%増加しているのに対し、大学の定員数は過去10年間で増加なしという実態が明らかに〜
公教育における情報教育の発展を目指す特定非営利活動法人みんなのコード(東京都港区、代表理事:利根川 裕太、以下みんなのコード)は、 Google の協力のもと、日本国内の大学における情報系学部・学科の実態調査を実施し、レポートにまとめて公表しました。なお、この実態調査は学校法人河合塾(以下河合塾)の全統模試受験者の志望校データ(*1)の提供を受けて実施しました。
(*1)全統模試データ:2011・16・21年度に高3・卒生を対象に実施した全統共通テスト模試(旧:全統マーク模試)を利用。受験者数は約40万人(年度により異なる)。
レポートはこちら URL:https://onl.sc/S99SQhQ
①情報系学部・学科への進学希望者と、入学者定員数の需給バランスの不均衡が発生しているのではないか
②女子の情報系学部・学科の志願者・入学者が少なく、ジェンダーギャップが存在するのではないか
河合塾から提供を受けたデータ等を用いてこれらを検証したところ、仮説を支持する結果が得られました。
また、情報系以外の理学部、工学部における女子比率は2011年から21年にかけて微増しているのに対して情報系は微減していました。
①地域間格差の把握
都道府県ごとの差異については、今回、国公立大学に焦点を当てて調査を実施しましたが、私立大学も含めた調査によって地域間格差の全容を把握することが必要です。
②情報教育における高校から大学への接続性の確保
高校段階と大学での情報教育における学習内容の相互理解が必要であり、高校の教員が、生徒の適性や興味関心に応じた適切な進路指導ができるようになり、さらに大学の教員が高等学校「情報I」の学習内容を把握した上でのカリキュラム設計が必要です。
③大学での教育内容の充実について
情報系の学部・学科の新設はスタートラインであり、重要なのは学生一人ひとりが充実した学びを実現し、社会に出て活躍することです。その為、ジェンダーバランスにも考慮した優秀な教員の確保、卒業後も見据えたカリキュラムの設計等が求められます。
具体的な今後の対策として、デジタル等の成長分野への大学の再編・統合・拡充を促進する仕組みの構築、成長分野における定員増等が挙げられています。今回の調査で明らかになった情報系学部・学科の需給バランスの不均衡を改善するものと期待しています。
(*2)https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2022/2022_basicpolicies_ja.pdf
(*3)https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kyouikumirai/pdf/honbun.pdf
今回、 Google 及び河合塾の協力をいただき実態調査をしたところ、「志望者の大幅な増加に対し定員が全く追いつかず、学びたくても学べない学生が増加している」「志望者の女子比率は悪化している」という結果に衝撃を受けました。
先日公開された「教育未来創造会議」の提言を受け、昨日発表されました「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太の方針)で大学のデジタル系分野へのシフトが打ち出されていることは、次世代の希望になると感じています。その上で、情報系学部・学科への再編はゴールでなくスタートラインであり、高校段階の教科「情報」との有機的な接続、ジェンダーバランスにも考慮した優秀な教員の確保、地域との連携も含めた卒業後の活躍に繋がるカリキュラムの提供が重要であると考えます。
今回の結果を踏まえ、今後みんなのコードがどのような支援が出来るのか検討して参ります。
(*1)全統模試データ:2011・16・21年度に高3・卒生を対象に実施した全統共通テスト模試(旧:全統マーク模試)を利用。受験者数は約40万人(年度により異なる)。
レポートはこちら URL:https://onl.sc/S99SQhQ
- 調査の背景・概要
①情報系学部・学科への進学希望者と、入学者定員数の需給バランスの不均衡が発生しているのではないか
②女子の情報系学部・学科の志願者・入学者が少なく、ジェンダーギャップが存在するのではないか
河合塾から提供を受けたデータ等を用いてこれらを検証したところ、仮説を支持する結果が得られました。
- 今回の調査結果について
また、情報系以外の理学部、工学部における女子比率は2011年から21年にかけて微増しているのに対して情報系は微減していました。
- 今後の課題
①地域間格差の把握
都道府県ごとの差異については、今回、国公立大学に焦点を当てて調査を実施しましたが、私立大学も含めた調査によって地域間格差の全容を把握することが必要です。
②情報教育における高校から大学への接続性の確保
高校段階と大学での情報教育における学習内容の相互理解が必要であり、高校の教員が、生徒の適性や興味関心に応じた適切な進路指導ができるようになり、さらに大学の教員が高等学校「情報I」の学習内容を把握した上でのカリキュラム設計が必要です。
③大学での教育内容の充実について
情報系の学部・学科の新設はスタートラインであり、重要なのは学生一人ひとりが充実した学びを実現し、社会に出て活躍することです。その為、ジェンダーバランスにも考慮した優秀な教員の確保、卒業後も見据えたカリキュラムの設計等が求められます。
- 教育未来創造会議提言・骨太の方針について
具体的な今後の対策として、デジタル等の成長分野への大学の再編・統合・拡充を促進する仕組みの構築、成長分野における定員増等が挙げられています。今回の調査で明らかになった情報系学部・学科の需給バランスの不均衡を改善するものと期待しています。
(*2)https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2022/2022_basicpolicies_ja.pdf
(*3)https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kyouikumirai/pdf/honbun.pdf
- 本調査にあたり、特定非営利活動法人みんなのコード代表 利根川 裕太のコメント
今回、 Google 及び河合塾の協力をいただき実態調査をしたところ、「志望者の大幅な増加に対し定員が全く追いつかず、学びたくても学べない学生が増加している」「志望者の女子比率は悪化している」という結果に衝撃を受けました。
先日公開された「教育未来創造会議」の提言を受け、昨日発表されました「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太の方針)で大学のデジタル系分野へのシフトが打ち出されていることは、次世代の希望になると感じています。その上で、情報系学部・学科への再編はゴールでなくスタートラインであり、高校段階の教科「情報」との有機的な接続、ジェンダーバランスにも考慮した優秀な教員の確保、地域との連携も含めた卒業後の活躍に繋がるカリキュラムの提供が重要であると考えます。
今回の結果を踏まえ、今後みんなのコードがどのような支援が出来るのか検討して参ります。
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