都内の大手バス会社と乗降者数計測システムの実証実験を実施
~コロナ対策や運行スケジュール作成に役立つ乗降者データの取得を実現~
※本画像は、実証実験実施前に弊社スタッフにより設置テストを行った際に撮影したものです。
■実証実験の背景
バス業界においては運転士の不足が慢性的な課題となっており、改善に向けたバスの運行スケジュールの適正化が必要とされてきましたが、乗降者の利用実態に関する正確性の高いデータが入手できていなかったため検討が進んでいませんでした。これまで人による計測の他にセンサーを使った乗降客のカウントシステムも存在しましたが、正確性と詳細な情報の不足が課題でした(※1)。
また、新しくAIカメラによる計測が注目されましたが、AIカメラに関しては、バス特有の「真夏の停車時の温度上昇」、「不安定な電源」、「走行に伴う振動」などが故障を引き起こす原因となりやすく、導入が進んでいませんでした。
上記の経緯を受け、Will Smartと都内のバス会社で協議しAIを活用してバス利用者情報の把握するための実証実験を行うことになりました。
※1:たとえば均一料金制で運行しているバス会社の場合は、乗客は乗り降りのどちらかでしか交通系ICカードを車載器にタッチしないため、停留所ごとの正確なデータが取れないという問題がありました。
■検証項目
バス車内にカメラ等を設置し以下の3つの検証項目について検証しました。
1.乗降者数の精度、乗降客の属性情報(※2)の取得
2.バス車内への環境適合の可能性
3.実運用に際して発生するメンテナンスの課題の有無と改善方法
※2:属性情報とは年代・性別の情報です。
■実証実験の結果
1.乗降者数の精度、乗降客の属性情報の取得
乗降者数を高い精度で計測できました。また、年代・性別など属性分析情報に関しても、マスクをつけた状態でも、高い精度で取得することができました。
2.バス車内への環境適合の可能性
「真夏の停車時の温度上昇」、「不安定な電源」、「走行に伴う振動」に加え、バス車内への機器の設置方法、電源やネットワークの取得方法などの課題に対し対策を実施しました。
3.実運用に際して発生するメンテナンスの課題の有無と改善方法
メンテナンス性を考慮し、機器仕様やシステム構成を見直しました。またバス運行中の揺れ等によるカメラの位置ズレについてはAIが検知次第係員にアラートで知らせる仕様を追加しました。
■今後の展望
高い精度で乗降者数の計測を実現した今回の実証実験をふまえ、今後の展望として、Will Smartでは、以下の検討を進めています。
- 時間帯や停留所ごとの利用者状況を元に、顧客利便性と適正な運転士配置を両立させる運行スケジュールを作成する。
- 新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症対策の一環として、車内の混雑度をバス停のディスプレイや乗り換え等のスマホアプリに表示する。
- バス事業者が人手によって対応している、ODデータの取得
- 利用者属性を元にしたバス車内広告の出し分け
ソリューションの詳細についてはこちらのURLよりご確認下さい。
詳細URL:https://willsmart.co.jp/work/ai/20210317
今後もWill Smartでは、お客様の事業におけるデジタライゼーション、DXの実現をサポートしてまいります。
■Will Smartについて
株式会社ゼンリンデータコムの社内ベンチャー企業として、2012年に設立。人々の価値観や必要性から生まれる社会課題を、アイデアとテクノロジーによって解決することを使命とし、事業モデルの共創からハードウェアの企画製造及びソフトウェアの開発、導入後の運用までを提供しています。
■会社概要
会社名 :株式会社Will Smart
代表者 :代表取締役社長 石井康弘
設立 :2012年12月12日
事業内容 :課題解決型のAIソリューション及びパッケージAIソリューションの提供、カーシェアリングシステムの構築及びパッケージシステムの販売、インターネットに接続するハードウェアの企画製造販売、クラウドサービスによるシステム開発。
資本金 : 496,050,000円
URL :https://willsmart.co.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社Will Smart マーケティング担当
TEL:03-3527-2100
E-mail:marketing@willsmart.co.jp
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