国内外で受賞多数の高崎卓馬氏企画・プロデュース。同性パートナーの存在についてカミングアウトした息子とその家族のリアルを描いた短編映画「誰も悪くないのにね」4月10日(木)より公開!

~全国15地域から寄せられた「心が動く瞬間」の実話をもとに制作~

結婚の平等(同性婚の法制化)の実現を目指す、公益社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に(以下、マリフォー)は、同性婚の啓発に向けて、同性パートナーがいることをカミングアウトした息子と、カミングアウトを受けた家族それぞれのリアルを描いた短編映画「誰も悪くないのにね」を、4月10日(木)12時にYoutube上で公開いたします。

◆本編URL:https://youtu.be/iI9ue4T8NHc

◆予告編URL:https://youtu.be/UNUl5udkp4k

◆全国から届いた実話をもとに脚本・制作~当事者の周囲の人たちの葛藤を通じて自分ごと化へ~

LGBTQ+など性的マイノリティへの理解・対応が広がる中、当事者の家族など周囲の人たちに焦点が当てられることはあまり多くありません。家族や友人、職場の同僚など、当事者の身近な人々が抱く葛藤や気持ちの変化を通じて、「自分のすぐ隣に当事者がいるかもしれない、自分の子どもがもしかしたら…」と、より多くの人に共感・自分ごと化してもらい、日本では同性婚ができないこと、もし同性婚ができるようになったらについて考え、身近にすることを目指して、制作プロジェクトがスタートしました。

その後、2023年から日本全国でLGBTQ+関連の活動をしている団体と連携し、同性婚の実現に向けて地域単位で活動するプロジェクト「結婚の平等にYES!~YES!FOR MARRIAGE EQUALITY」を通じて、全国15地域から「LGBTQ+当事者の周囲の人の心が動く瞬間」を募集。集まったエピソードの中から、米国アカデミー国際長編賞にノミネートされた映画『PERFECT DAYS』で脚本・プロデュースを担当した高崎卓馬氏がひとつを選出。実話に基づいたストーリーとして脚本を作り上げました。その主旨や内容に賛同したクリエイターや俳優、制作スタッフが集結し、撮影・編集し短編映画ができあがりました。

◆ストーリー

大学を卒業する前に、両親に伝えておこうと息子は思った。両親がそれをどう受け止めるかは

わからなかったから、いつにもまして緊張する。とくに父がどう思うか。何と言うか。意を決したカミングアウトは拍子抜けするほどあっけなく終わる。だがはりつめたその空気のせいか、

小さな言葉がトゲのように痛い。そして穏やかな顔の裏で波紋のように広がる気持ちを

カミングアウトする側も、される側も止められなかった。カミングアウトする側の気持ちを描くだけでなく、される側の気持ちを描き、その痛みはやがて家族のあたらしい関係のはじまりに変わっていく。

その波紋の折り返しを、当事者の心情を、描いた作品です。

本作品の基となった、実際に届いたエピソード

”両親にカミングアウトした時に、いっしょに⼿紙とパートナーとのツーショットを封筒に⼊れて渡した。⽗親はその場では「お前の⼈⽣なんだからいいんじゃないか」と気丈に⾔っていたけれど、私が帰り家からいなくなると⽗は⺟に「その⼿紙と写真をすぐに捨てろ」と⾔ったらしい。⺟はその後少しして⼿紙をゴミ箱から回収したそう。⽗がほんとうに驚いてショックを受けたのだろうということがよくわかった。”

◆マリフォーが作品を通じて届けたいメッセージ

本作品は、カミングアウトする/しないという話を単純に描いた話ではありません。「大切な人と、人生を一緒に過ごしたい。ともに暮らしたい」という本来は嬉しいことを伝えたいだけなのに、カミングアウトをしなくてはならない、苦しさを感じなくてはならない。そんなLGBTQ+当事者の状況や周囲の葛藤、そして、同性婚が法的に保障され結婚の平等が実現した社会なら、その苦しさもいらなくなるはず、というメッセージを社会に届けていきます。

◆厚生労働省にて作品の記者発表を実施

2025年4月10日(木)に本作品の記者発表を厚生労働省にて実施。当日は、登壇者より下記のコメントがありました。(一部を抜粋・要約)

・映画は、他人の世界を想像したり、自分とは違う世界がどういうことを考えてるかを想像するための道具。

・この映画にある通り、何か「答え」があるものじゃないと思います。誰かがいいとか悪いとかではなく、カミングアウトを始まりにして、優しい気持ちを持って世界を作っていくことが大切だと考えています。

企画/原案 高崎 卓馬

・お父さんは寛容なふりをして、実はでもそう思っていなかったシーンがあったが、その”寛容なふりをすることが逆に人を傷つけたりする”という点が、とてもリアルだった。

・やっぱり人間って、本音を言えなかったりする面もある。また、人と人との関わりでしか生きていけないと思う。そういう部分を感じる作品にできたらいいなと思いながら、作っていました。

監督/脚本 大森 歩

・全国5つの地域で進む同性婚訴訟で「現在の法律は憲法に違反する」という明確な違憲判決が下されたことは、極めて、極めて異例です。今後予定される最高裁判決においても、ほぼ確実に違憲判決が見込まれる中、政府が放置し続けている状況も、極めて異例。法制度が性的マイノリティを差別し続けている中で、社会における差別・偏見をなくすことは不可能です。1日も早い法改正を実現するために、多くの方に具体的なアクションを起こしていただきたい。

・今回の短編映画のタイトルにあるように、マイノリティ当事者、その家族も誰も悪くないにも関わらず、苦しまなければならない原因は現在の法制度にあります。ご覧になって誰しも何か感じるところがあると思います。その思いをどうか法改正に向けた具体的なアクションに繋げていただければと思います。

公益社団法人Marriage For All Japan -結婚の自由をすべての人に 共同代表 寺原 真希子

・この極めて異常な状態を解消するために、すべての人が当事者として関わる問題であるという認識が重要。多くの方々と一緒に活動をしていきたい。

・また、福岡高等裁判所の判決が映画のテーマに繋がっているので紹介したいです。

”現在の我が国においても同性のカップルによる婚姻を制度として認めることに対して否定的、ないし消極的な意見は少なくないが、これらは新たな法制度の登場に対する不安や違和感によるものと見られる。このような不安等は、同性のカップルによる婚姻について法制度が整えられ、法的な地位が明確にされることで、抑止されると考える”

公益社団法人Marriage For All Japan -結婚の自由をすべての人に 共同代表 三輪 晃義

また、家族のカミングアウトを受けたひとりの当事者として、本作品をご覧いただいた京都弁護士会の木内弁護士から下記のメッセージをいただき、マリフォー共同代表の三輪より会場で代読いたしました。

私も映画と同様、息子から同性愛者であることをカミングアウトされた経験を

持っています。映画での父親の気持ちが痛いほど分かりました。

言葉とは裏腹に本当は認めたくない、だけどそれを口に出すと息子を傷つけてしまう、

葛藤の中で、受け入れざるを得ない、それが苦しい。

その苦しさは、社会からどう見られるのだろう、世間体が悪い、

社会的少数者となって差別に苦しむことになるなど、

様々な思いから来るのだろうと思います。

しかし、同性を愛することは息子にとって自然の摂理、持って生まれたもの。

それはおかしいことでも、差別することでも、まして苦しむことでは全くない。

そう思います。

けれどそのように思いにくいのは、同性を愛することを正面から認めない社会のあり方、同性同士の結婚を認めない法律の縛りが大きな障壁になっているからだと思います。

家族を大切にしたい、息子の恋愛を喜びたい。それを素直に受け入れたい。

ただ、それだけのことです。

マリッジフォーオールジャパンの活動を心から応援します。

作品概要

・タイトル:「誰も悪くないのにね」

・公開日:2025年4月10日(木)12:00

・予告編URL:https://youtu.be/UNUl5udkp4k

・本編URL:https://youtu.be/iI9ue4T8NHc

予告編

本編

■出演:杉田雷麟、服部樹咲、河井青葉、赤堀雅秋

■企画・原案:高崎卓馬

■監督・脚本:大森歩

■音楽:林正樹

■プロデューサー:小林祐介

■撮影監督:安藤広樹 

■照明技師:土屋昌己 

■美術:佐藤彩 

■助監督:李潤秀 

■制作担当:大友俊平・神谷諒

■ロケーションコーディネーター・パートナー役:川畑航大 

■スタイリスト:立花文乃 

■ヘアメイク:大上あづさ 

■音楽プロデューサー:福島節

■編集:対馬天伸 

■録音:吉川貴人 

■カラリスト:長谷川ましろ 

■本編集:宮本武瑠

■制作:株式会社スプーン

■特別協力:公益社団法人Marriage For All Japan -結婚の自由をすべての人に/結婚の平等にYES!全国連携団体のみなさま

企画・原案者コメント

みなさんからいただいたエピソードのなかで、

ひとつの言葉がとても印象的でした。

「カミングアウトには失敗も成功もない」というものです。

その言葉と、いただいたひとつのエピソードを軸に小さな物語にしました。

カミングアウトする側と、される側の物語です。

苦しんでいるひとがいて、

苦しませてしまうことで苦しんでしまうひとがいる。

外からみるとそれはとても小さな心の動きかもしれませんが

その両者にとって大きなとても大きな出来事で。

外からみると計り知れないことがあって。

その計り知れなさを映像にしたいと思いました。

自分も含めて、すべてのひとが当事者です。

この短編そのものも、できるだけ多くのひとが

それぞれの立場から当事者として観てもらって

そして「自分だったら」と考えてもらうそのきっかけになるといいなと思います。

CMと、映画はちがいます。

それは「伝える」と「伝わる」の違いに近い気がします。

自分とはちがう誰かのことを想像する。

それがみんなもっと豊かにできるようになったら

この世界はずっと素晴らしいものになると信じています。

何かのきっかけになるとうれしいです。

個人として当然の権利を勝ち取るために

仕組みと戦うみなさんの

背中を押す温かな風になりますように。

クリエイティブ・ディレクター

高崎 卓馬

プロフィ―ル

高崎 卓馬/クリエイティブ・ディレクター 小説家

1969年福岡生まれ。2024年、自身3度目の受賞となるJAAAクリエイター・オブ・ザ・イヤーを受賞。数多くの広告キャンペーンを手掛ける。主な著書に、小説「オートリバース」(中央公論新社)、絵本「まっくろ」(講談社)などがある。共同脚本・プロデュースを担当したヴィム・ヴェンダース監督作品「PERFECT DAYS」では、カンヌ国際映画祭で役所広司氏が、主演男優賞を受賞。さらに米国アカデミー賞では国際長編部門でのノミネートを果たす。J-WAVE「BITS&BOBS TOKYO」で毎週金曜深夜にMCを担当。

大森歩/監督・脚本

東京都出身、愛知育ち。2009年、多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。2018年、自身の実体験をもとに制作した短編映画『春』(認知症の祖父と2人で暮らす美大生の1年間を描く)が、文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門で新人賞を受賞。

2020年には、短編映画『リッちゃん、健ちゃんの夏』で小布施短編映画祭コンペティション部門をはじめ、国内外3つの映画祭にてグランプリを獲得。近年では、監督・脚本を手がけた『卵と彩子』が、SSFF & ASIA 2023 秋の国際短編映画祭にて上映されるなど、映像作家として活躍の幅を広げている。また広告分野においても、JR、Amazon、リクナビ、SUNTORYなどの大手企業の映像制作を多数手がけ、2022年に大和ハウス工業で制作した「家族の群像」シリーズでは、ACCフィルム部門ゴールドを受賞。

杉田雷麟(すぎた・らいる)

2002年生まれ。栃木県出身。2017年より俳優活動を開始。

2019年阪本順治監督『半世界』で稲垣吾郎演じる主人公の息子役を演じ、第41回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、第34回高崎映画祭最優秀新進俳優賞を受賞。近年の出演作に、『福田村事件』(23/森達也監督)、『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』(24/井上淳一監督)、『プロミスト・ランド』(24/飯島将史監督)、『あるいは、ユートピア』(24/金允洙監督)など。最新作に『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』(25/近藤亮太監督)、配信ドラマ『ガンニバル』 シーズン2(25/片山慎三監督/Disney+)がある。

服部樹咲 (はっとり・みさ)

2006年生まれ。愛知県出身。映画『ミッドナイトスワン』(20)ではヒロインを演じ、第44回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。『docomo future project KAZE FILMS』『meiji』などのCMに出演、『GINZA』ではDIORを着用するなど、女優だけではなくモデルと活動の幅を広げている。月9ドラマ『競争の番人』(フジテレビ)に出演。主演短編映画も多く、2023年11月配信のDMM.TVオリジナルドラマ『EVOL』でトリプル主演の1人を、2024年10月に公開された『BISHU~世界でいちばん優しい服~』では長編映画初主演を務めている。

河井青葉(かわい・あおば)

1981年生まれ。東京都出身。10代からモデル活動を始め、20代で女優活動をスタート。

以降、多くの映画・ドラマで活躍する。2015年に『お盆の弟』(大崎章監督)、『さよなら歌舞伎町』(廣木隆一監督)で第37回ヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞。2022年に『偶然と想像』(21/濵口竜介監督)で第35回高崎映画祭最優秀主演俳優賞を受賞。近年の出演作に『ミドリムシの姫』(22/真田幹也監督)、『雑魚どもよ、大志を抱け!』(23/足立紳監督)、『あんのこと』(24/入江悠監督)、『ルート29』(24/森井勇佑監督)、『ガンニバル』シリーズ(Disney+)、『忍びの家‐House of Ninjas‐』(NETFLIX)がある。

赤堀雅秋(あかほり・まさあき)

1971年生れ。千葉県出身。劇作家、脚本家、演出家、俳優。人間の機微を丁寧に紡ぎ、市井の人々を描くその独特な世界観は多くの支持を集めている。第57回岸田國士戯曲賞を『一丁目ぞめき』(上演台本)にて受賞。映画初監督作品『その夜の侍』(12年)では同年の新藤兼人賞金賞、ヨコハマ映画祭・森田芳光メモリアル新人監督賞を受賞した。同作はモントリオール世界映画祭、ロンドン映画祭、台北金馬奨映画祭などに正式出品され、各方面で話題になる。16年の監督第2作『葛城事件』では、主演の三浦友和を数々の映画賞へと導いた。近年の作演出作品として、舞台『台風23号』『ボイラーマン』(24)『蜘蛛巣城』(23)『パラダイス』『ケダモノ』(22)『白昼夢』(21)他。出演作品として、舞台 ナイロン100℃『イモンドの勝負』(21)、映画『cloud』(23)ドラマ『ガンニバル1.2』(22-24)『まどか26歳、研修医やってます!』(24)がある。

■Marriage For All Japan(マリフォー)について

性のあり方に関わらず、誰もが結婚するかしないかを自由に選択できる社会の実現を目指して活動しています。2019年2月提起の「結婚の自由をすべての人に」訴訟の弁護団に所属する弁護士の一部と、社会課題の解決に取り組む様々な専門家等のプロフェッショナルによって、結婚の平等(同性婚の法制化)を実現させるために設立されました。

「2人で一生を共に生きていきたい」と考えたとき、カップル双方が結婚したいと望めば結婚することができ、また、結婚という形をとらないことを望むならば結婚を強制されないということ。それが「結婚の自由」です。

「Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」という法人名は、そのような結婚の自由(結婚という選択肢)が、異性カップルであるか同性カップルであるかにかかわらず、平等に用意されるべきであるという思いを表したものです。私達は、この「結婚の自由をすべての人に」訴訟をPRという形でサポートするほか、イベントやセミナー、メディア出演、調査研究、ロビイングなどを通じて、結婚の平等(同性婚の法制化)の実現を目指します。

・名称:公益社団法人 Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に

・設立:2019年1月

・代表理事:寺原真希子・三輪晃義

・理事:上杉崇子・加藤丈晴・前田信・松中権・柳沢正和

・公式ホームページ:https://www.marriageforall.jp/

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会社概要

URL
http://marriageforall.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都港区南青山4-16-11 アールスクエア208
電話番号
-
代表者名
寺原真希子・三輪晃義
上場
未上場
資本金
-
設立
2019年01月