「凱風快晴」が「神奈川沖浪裏」に?フレンチレストラン「élan vital」が明治大学総合数理学部 宮下芳明研究室と開発した「見る角度によって見え方が変わる料理」の提供を開始
宮下研究室では、音楽、映像、ゲームと同じように、味覚を含めた「食体験」も人間の「表現」であると捉え、飲食物の味と見た目を変える装置「TTTV」や、キリンホールディングスと共同研究している「エレキソルト」といった独自の研究を進めてきました。
élan vitalは2016年にオープンした「5Dレストラン」であり、プロジェクションマッピングや分子ガストロノミーなどを用いて新しい食体験を追求しています。
宮下研究室とélan vitalは、2022年から宮下研究室の吉本健義さん(総合数理学部 先端メディアサイエンス学科4年生)が開発した可食レンチキュラレンズで、レンチキュラレンズの光学特性を生かした新しい食体験の可能性を追求してきました。
可食レンチキュラレンズを利用した「レンチキュラーサラダ」。
見る角度によって富嶽三十六景の凱風快晴と神奈川沖浪裏へと絵柄が変化します。
今回「見る角度によって見え方が変わる料理」として提供を開始したこのサラダは、「ポーセラーツ」という陶磁器に絵柄を転写する技術を用いてお皿にレンチキュラ画像を印刷し、その上に寒天とだしを使って作製した可食レンチキュラレンズを載せています。レンチキュラレンズの光学特性によって、見る角度によって「富嶽三十六景」の「凱風快晴」と「神奈川沖浪裏」へと絵柄が変化します。
宮下研究室の吉本健義さん(総合数理学部 先端メディアサイエンス学科4年生)らがデザインシステムとともに開発した可食レンチキュラレンズの技術は、2023年11月29日(水)から2023年12月1日(金)に山梨県で開催された第31回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2023)にて発表されました。
この研究発表では、可食レンチキュラレンズの設計から作製までの一連のワークフローを支援するシステムを提案しました。このシステムを用いて、ユーザはソフトウェアによるシミュレーションを通じてレンチキュラレンズの視覚効果をデザインし、ハードウェアを用いて切断成形手法によるレンズ作製を行うことができます。
吉本健義, 村上崇斗, 宮下芳明: 可食レンチキュラレンズデザインシステムの提案, 第31回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2023)予稿集, pp.1 - 3, 2023
【動画】可食レンチキュラレンズデザインシステムの提案
WISS2023で吉本健義さんが登壇発表するようす
WISS2023でのデモ発表のようす
フレンチレストラン「élan vital」にて。
左から、シェフ藤原俊城氏、総合数理学部4年生 吉本健義さん、総合数理学部 宮下芳明 教授、シェフ深作直歳氏。
この記事に関連するページ
フレンチレストラン「élan vital」公式サイト
明治大学プレスリリース(2022年10月19日)
明治大学総合数理学部 宮下芳明研究室とフレンチレストラン「élan vital」が 方向によって見え方が変わるデザートを開発
https://www.meiji.ac.jp/koho/press/mkmht0000001so5q.html
MEIJI NOW「レンズをデザートに?食体験に新たな常識を」吉本健義さん(2023年10月12日)
https://meijinow.jp/activity/focus/88361
明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 宮下芳明 研究室サイト
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