中学時代に描いた漫画がXで大注目 30年のブランクを経て「描きたい!」のエネルギーから再び創作の道へ
~活用事例紹介「ibisPaintで広がる世界」 Vol.7~

モバイルペイントアプリ「ibisPaint(アイビスペイント)」を開発・運営する株式会社アイビス(東証グロース、証券コード:9343、代表取締役社長:神谷 栄治)では、「アイビスペイントで広がる世界」と題した不定期連載を掲載中。世界200を超える国と地域にユーザーを持つibisPaintが、どのようなシーンで活用され、クリエイティブが生まれているのかご紹介いたします。
今回は、漫画家のコーリ キオさんにお話を伺いました。
1994年、「郡まきお」名義でりぼんコミックスから短編集『だいぼうけん』でデビュー。一度は漫画から離れましたが、2025年、約30年ぶりにソラジマTOONよりWebtoon作家として再デビューを果たしました。SNSで注目を集めた中学時代の作品の裏側や、創作活動に使うアイビスペイントの魅力についてお話しいただきました。
「りぼん」入賞から漫画家デビューへ そして一度筆を置くまで
―まず、漫画を描き始めたきっかけと、漫画家としてのこれまでの歩みを教えてください。
コーリさん:小学1年生のときに「ときめきトゥナイト」(池野恋先生)を読んで、漫画が大好きになりました。小学2年生には自分でも描くようになって、友達と見せ合って遊ぶのが日常でした。
中学生のときに初めて漫画雑誌「りぼん」へ投稿した作品が入賞し、高校入学後に描いた作品でも再び受賞しました。そのころから本格的に「漫画の道へ進みたい」と思うようになりました。しばらくして担当編集者がつき、デビュー作の読み切り『だいぼうけん』を発表。この作品はのちに読み切り作品集として刊行された単行本のタイトルにもなっています。

集英社/りぼんマスコットコミックス(1994年)
しかしその後、お世話になっていた担当編集者がジャンプに異動してしまい、新しい担当さんとうまく息を合わせることができず、企画が通らない日々が続きました。前の担当さんから「こちらで描かないか」と声をかけてもらいましたが、当時はバイトや友人との時間が楽しくて、結局思うように描ききれず。漫画へのモチベーションも下がっていて、自然と距離ができてしまいました。
今振り返ると、ほかの出版社に投稿してみるとか別の挑戦の道もあったと思うのですが、当時の自分は“りぼんで描くこと”にこだわりすぎていましたね。
――漫画家を離れていた間は、どのように過ごされていたのでしょうか。
コーリさん:アルバイトを転々としたあと、アミューズメント施設で働きました。職場の同僚も面白くて、仕事自体が楽しく、「もう漫画じゃなくてもいいかも」と思えるくらいでした。
そのまま契約社員を経て正社員になって十数年勤め、退職後は主婦をしながら似顔絵の仕事をしていました。自分にとって漫画以外の仕事を経験し、「世界は広い」と実感できた時期でもあります。
漫画家だけが自分の世界じゃない、いろんな道があると気づけたことが、今につながっていると思います。
おうち時間をきっかけに再び出会う「漫画を描く喜び」 そして新しい挑戦へ
―そこからもう一度漫画家を目指されたのは、どうしてですか。
コーリさん:きっかけはコロナ禍です。Stay Homeで家にいる時間が増えた長女が、アイビスペイントで絵を描いていたんです。わたしのほうも似顔絵の仕事は結婚式などお祝いの場で利用されることが多かったので、依頼は激減し家にいる日々が続いていました。そんなときに長男がとあるスポーツ漫画をおすすめしてくれて。まんまとハマって、長女も使っていたアイビスペイントではじめてファンアートを描きました。2022年ごろのことでした。既存のキャラクターのイラストやマンガをファンアートとして描いているうちに、「また自分の作品を描きたい」と思うようになり、2023年に漫画家としての創作活動を再開しました。
―再び漫画を描き始めるにあたって、あえてタテ読みという新しい形式に挑戦されていますよね。実際に取り組んでみて、どんな発見や難しさがありましたか?

コーリさん:意外とすんなりなじめました。むしろ面白かったです。初めてタテ読みを描いたころから「これは面白いな」と思ったのを覚えています。画面いっぱいに人物を描いたり臨場感が出しやすかったり、新鮮さを感じました。
ページ単位で画面全体を構成する横読み(従来の漫画の形式)と違って、タテ読みはスクロールするごとに順番に情報を出す構造が大きな違いとして特徴的ですよね。
例えば「主人公の転校生がお辞儀してその後に先生が話す」というシーン、横読みだと大抵は主人公の姿も先生も同時に見えますが、タテ読みは順番に現れます。タテ読みはこうした「時間の経過」のコントロールがやりやすいです。一方で「世界の広がり」を見せるのは難しい。横読みだと見開きで一気に世界を広げることができます。こうした違いに難しさと面白さを感じながら試行錯誤している日々です。新人として、縦スクロールの流れを活かした「動いているように見える」表現など、タテ読みならではの新しい描き方に挑戦していけたらと思っています!
※「アグリ!!」ソラジマTOON(2025)https://sorajimatoon.com/comics/01K0QT8TRVD6DSA2HG2RA3WK1S
アイビスペイントが支える 自分の気持ちをエネルギーに描く創作スタイル
―ブランクを経てもなお、新しいことに挑戦し続けるコーリさんの創作活動において、アイビスペイントはどのように使われていますか?
コーリさん:紙に描くような感覚でササっと、アイデアや一枚絵などを気軽に描くのに使っています。本当に紙に描くような感覚で落書きなどラフに使えるのが好きです。SNSにアップしているイラストはほとんどアイビスペイントで描いていますね。フィルター機能でテレビのノイズのような効果を入れたりすると画面が映えますし、描画の過程を自動で残せるタイムラプスも気に入っています。
よく使うブラシは「オシャレマーカー」や「水彩(リアル)」、「キラ丸(可算・発光)」など。線画はGペンですね。すごく使いやすいです。
―コーリさんの創作の原動力はどこにありますか?
コーリさん:「むかつく!」とか「モヤモヤする!」ってときに、描きたくなることが多いです(笑)。

でも最近は、「怒りのエネルギーだけで描くのは違うかも」と感じています。怒りのパワーって、描き終わったら一気に燃え尽きてしまうんですよね。だから、これからは“好きなものを描くために描く”方向にシフトしたいと思っています。怒りだけじゃなく、光の部分もちゃんと入れながら、うまく調整して続けていきたいです。
35年前の作品が時を超えて大注目 当時の読者の反応がくれた描く勇気

―SNSでは、35年前の漫画が大きな反響を呼びましたね。(実際のポストはここをクリック)
コーリさん:これまでも昔の作品を少しずつ投稿していたんですが、あそこまで反響があったのは初めてでした。特に印象的だったのは、当時の読者の方たちが「このワンカット覚えてる!」と反応してくださったことです。「りぼん」の本誌ではなく、“別冊のさらに別冊”に掲載された、ほんのワンカットを何十年も経って覚えていてくださるなんて、本当に感謝です。
実際、私の投稿よりも、読者の方が「射干玉の針(掲載された作品名)の作者ですか?」と尋ねてくれたポストのほうがバズったんです。「読者さんの記憶力すごいな」と思いました。長い年月を経て、あのときの作品を見つけてくださったことが、何よりもうれしかったですね。
―読者の記憶に残る作品だったという証ですよね。
コーリさん:そう言ってもらえるとありがたいです。
実はその少し前に「出張編集部※」に作品を持ち込んだんですが、編集者さんに「ファンがつかない絵だね」「古いね」なんて言われてしまって(笑)。正直かなり落ち込みました。
でもその直後にXで作品が話題になり、たくさんの人が褒めてくれたことで、「ああ、描いてきてよかった」と心から思えました。
※出張編集部とは:出版社の編集者が同人誌即売会などに設ける特設ブース。主に自作の漫画や原稿を持ち込んだ参加者に対して、その場で作品の講評やアドバイスを行う場。
―悔しい思いも多かったことと思うのですが、Xのバズをきっかけに、30年前の担当編集者さんとお話されたとか。
コーリさん:メールでやり取りをしたんですが、その方に「新しい売れ筋を作ってやる!くらいの気持ちで描いてほしい」と言われて、勇気を貰えたし、背中を押されました。そのためにも、現在サポートしてもらっている担当編集者さんとは流行や売れ筋の情報を共有してもらいながら、一緒に新しいトレンドを作っていけたらと奮闘しています!
ヒット作を生み出すための分析力と、自分が描きたいものとで、良い化学反応を起こしていきたいですね。
―コーリさんの前向きな挑戦の姿勢は「もう一度描いてみたい」と思っている人にも響くと思います。
コーリさん:そうですね。やっぱり“もう一度描きたい”と思ったときに、年齢やブランクを理由にためらう人も多いと思うんです。でも、今は描く環境がとても整っていて、挑戦するのに遅すぎることはないと思います。私も49歳ですが、50代でもまったく問題ありません。アイビスペイントのように、誰でも気軽に始められるツールがある。
“アナログでしか描けない”と思っている方も、一歩踏み出してみてほしいです。
―創作を楽しみながら新しい挑戦を続けるコーリさんのお話を伺い、たくさんの刺激を受けました。
“もう一度描こう”と思う気持ちに、アイビスペイントが少しでも寄り添えたならうれしく思います。本日はありがとうございました!
お話をお伺いしたのは

モバイルペイントアプリ「ibisPaint」について
「ibisPaint(アイビスペイント)」は、指一本で本格的なイラストが描けるモバイルペイントアプリで、基本的な機能は無料、さらに高度な機能を有料会員向けに展開中。19言語に対応し、世界200以上の国と地域からのダウンロード数は累計5億を達成(2025年9月末日時点)。モバイルペイントアプリで世界のコミュニケーションを創造する、をモットーに、日本のアニメや漫画のお絵描き文化を、Z世代やα世代を中心とする世界中のユーザーへ届けております。

株式会社アイビスについて
株式会社アイビスは、モバイルに精通した高度な技術のエキスパート集団です。
モバイル無双で世界中に“ワォ!”を創り続けるというミッションのもと、自社の技術を地球の裏側まで届けるべく、ビジネスをグローバルに展開しております。今後もユーザーの皆様の要望に応えるために、さらなるアプリの機能拡充や使いやすさの向上に努めてまいります。
会社名 :株式会社アイビス
本社所在地 :東京都中央区八丁堀一丁目5番1号
代表取締役社長:神谷 栄治
事業内容 :モバイルペイントアプリ「ibisPaint」の開発/運営、及び受託開発/IT技術者派遣
設立 :2000年5月11日
上場市場 :東京証券取引所グロース市場(証券コード9343)

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