グレープフルーツ果実エキスに皮膚のバリア機能改善作用を発見!!
株式会社ファンケルは、グレープフルーツ果実のエキスにビタミンD受容体※(以降、VDRと表記)を介して皮膚のバリア機能の改善作用を発見しましたのでお知らせします。今後は、同エキスを配合した新しい皮膚バリア機能の改善効果を持つ機能性化粧品の開発に活用してまいります。
なお、本研究結果は、2017年3月25日から27日に開催された日本薬学会 第137年会(於:仙台)で発表いたしました。
※ビタミンD受容体・・・・・・細胞内にあり、ビタミンDと特異的に結合して生理作用を発現する機能を持つ
なお、本研究結果は、2017年3月25日から27日に開催された日本薬学会 第137年会(於:仙台)で発表いたしました。
※ビタミンD受容体・・・・・・細胞内にあり、ビタミンDと特異的に結合して生理作用を発現する機能を持つ
<外的要因によりVDRの機能が低下する>
皮膚内にあるVDRの機能について、表皮細胞※を用いて紫外線や活性酸素などの外的要因による影響を測定しました。その結果、紫外線や活性酸素によってVDRの発現量が低下して機能が低下することが分かりました(図1)。
図1 左図:紫外線の有無によるVDRの発現量変化 右図:活性酸素の有無によるVDRの発現量変化
※表皮細胞・・・表皮を構成している細胞。表皮は皮膚の一番外側に位置し、外部からの異物の侵入の阻止や体内の水分を維持するバリア作用を持つ。
<VDRの機能低下がバリア機能を低下させる>
さらに、VDRの機能低下が肌にどのような影響を与えるかを検討するために、VDRの機能を低下させた表皮細胞を作成し、バリア機能に関連する遺伝子の発現量を測定しました。その結果、VDRの機能を低下させていない細胞と比較すると、フィラグリン、トランスグルタミナーゼ、カリクレイン7、ABCA12、アクアポリンなどが、皮膚のバリア機能に重要な役割を果たすタンパク質の遺伝子発現が低下していることが分かりました(図2)。これらのことより、VDRの機能の低下は皮膚のバリア機能の低下につながることが推測されました。
図2 VDR低下によるバリア機能関連遺伝子への影響
VDRを低下させない場合(通常の場合)の遺伝子発現量を1とした時のVDR低下によるバリア機能に重要な役割を果たす各タンパク質の遺伝子の発現量の低下を相対比で表示
<グレープフルーツ果実エキスがVDR機能を高めバリア機能を改善する>
以上の結果から、 バリア機能を高めるためには、VDRの機能を高めてバリア機能に関連する遺伝子の発現量を増やす必要があると考えました。そこで今回、柑橘類の果実に多く含まれるヘスペリジンに着目し、表皮細胞に数種の柑橘類エキスを1%添加し、VDRの機能を高める成分の探索を行い、グレープフルーツの果実から抽出したエキスに、VDRの機能を高める活性化作用があることを発見しました(図3)。
図3 グレープフルーツ果実エキスのVDR活性化作用
培養皮膚細胞にエキスを添加しない時のVDR発現量を1とし、添加した時の相対比で表示
これらの結果よりグレープフルーツ果実エキスは、外的要因などで低下したVDRを活性化させて、皮膚バリア機能の改善に効果を持つ可能性が判明しました。
<研究背景・目的>
皮膚のバリア機能を保つことは、健やかな肌をつくる上で重要です。ビタミンDは、皮膚にとって新陳代謝やバリア機能に重要な役割を持つビタミンです。ビタミンDは、皮膚細胞内に取り込まれるとVDRと結合して、バリア機能改善にも影響のある皮膚機能を維持する遺伝子の発現を高めます。以上のことから当社では、VDRの機能は皮膚のバリア機能を保つ上で重要であると考えました。本研究は、VDRの機能に着目して機能低下の要因や皮膚のバリア機能への影響、メカニズムを確認し、皮膚のバリア機能の改善を目的に進めてまいりました。
ファンケル研究サイトはこちら
http://www.fancl.jp/laboratory/
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