『ナレッジマネジメント白書 2026』を公開。生成AIが広がる時代に、競争優位の源泉はどこにあるのか──"情報"と"ナレッジ"の間にある、組織の溝

ナレッジマネジメントは認知から理解の段階へ。一橋ビジネススクール 特任教授 楠木建氏インタビュー「ナレッジが生み出す競争戦略」を特別収録

any株式会社

any株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役CEO:吉田和史、以下:any)は、従業員数300人以上の企業に勤務する1,000人を対象にした「ナレッジマネジメント白書 2026」を発行しました。4年目を迎える本白書は、「AI時代における企業優位性の源泉とは」をテーマに、生成AI活用とナレッジマネジメントの実態を調査・考察しています。

また、競争戦略を専門とする一橋ビジネススクール 特任教授 楠木建氏へのインタビューを掲載。ナレッジマネジメントの学術的背景から競争戦略との関係まで、経営学の視点で論じています。

「ナレッジマネジメント白書 2026」ダウンロードはこちら:

https://qast.jp/knowledge-report/ 

■AI時代における競争優位の源泉とは

生成AIの進化により、情報の探索から整理・要約・アウトプットまでをAIが担う時代が到来しています。知識や情報はかつてない速度で流通し、その価値は急速にコモディティ化が進んでいます。

こうした変化は、企業経営に大きな問いを突きつけています。「誰もが同じ情報にアクセスできる時代に、競争優位はどこから生まれるのか」-私たちはその答えを「経験から生まれるナレッジ」に見ています。顧客との向き合い方、失敗の乗り越え方、現場で積み重ねてきた判断の経緯。そうした経験知の蓄積こそが、他社には模倣できない競争優位の源泉です。しかしその多くは、いまだ「人の暗黙知」の中に眠っています。

AIは人の価値を奪うものではなく、人にしか生み出せない経験や知見の価値をこれまで以上に高める存在です。企業の未来をつくるのは情報量ではなく、独自の経験知をいかに蓄積し、活かせるかにかかっています。

「ナレッジマネジメント白書 2026」では、企業における生成AI活用とナレッジマネジメントの実態を調査・分析するとともに、AI時代における競争力の源泉をテーマに考察しています。

『ナレッジマネジメント白書 2026』発行に寄せて

any株式会社 マーケティング責任者 / Growth Marketer 堀 城斗のコメント 

ナレッジマネジメントは、30年にわたって「解のない問い」であり続けてきた領域です。野中郁次郎氏が知識創造理論を提唱して以来、多くの企業がその実践に挑み、そして「仕組みはあるが、使われない」「資産のはずが、眠っている」という壁に直面してきました。

その状況が、いま確実に変わりつつあります。

生成AIの台頭により、情報の探索・整理・活用はかつてなく効率化されました。しかし同時に、「誰でも同じ情報にアクセスできる時代」の到来でもあります。情報の量や速度が競争優位の源泉にならなくなる中で、企業が真に問われるのは「自社にしかない経験知を、どれだけ資産として持っているか」です。

現場での判断の経緯、失敗から学んだ教訓、顧客との向き合い方に宿るノウハウなど、そうした暗黙知は、今も多くの組織で「人の頭の中」に留まり続けています。AIはそれを奪うのではなく、可視化し組織全体で活かすための手段になりえます。暗黙知を形式知へ、個人の資産を組織の資産へ。この変換こそが、AI時代における競争力の根幹です。

本白書は4年目を迎えます。調査を重ねるたびに、ナレッジマネジメントへの関心が「認知」から「理解」へ、「実践」へと深まっているのを実感します。それでもなお、多くの組織に構造的な課題が残っています。私たちはQastの提供を通じて、その課題に正面から向き合い、この領域を深耕していく決意です。

本白書が、皆さまの組織における「ナレッジマネジメント」を前進させる一助となれば幸いです。

<一橋ビジネススクール 特任教授 楠木建氏との対談を掲載>

「ナレッジマネジメント」は、1990年代に野中郁次郎氏が提唱した学術的概念を起源とします。経営学においてどのように継承・発展してきたのか、その歴史的文脈と、競争戦略の観点からナレッジがいかに企業の優位性につながるのかを、any株式会社代表の吉田が一橋ビジネススクール特任教授である楠木建氏に伺いました。

※本対談は2025年11月5日に開催された「知識創造DAY 2025」(any株式会社主催)にて実施されたセッション「ナレッジが生み出す競争戦略」の一部を収録したものです。

一橋ビジネススクール 特任教授 楠木建氏 のインタビュー:ナレッジが生み出す競争戦略

■調査サマリー ※一部抜粋

◆業務課題の解決に必要なのは、“情報”ではなく“ナレッジ”

データから、業務課題の解決において求められているのは、単なる「情報」ではなく、「経験」や「背景」を含んだナレッジであると考えられる。

マニュアルやルール、過去資料といった形式知は重要であり、基盤となる情報として広く求められているが、それだけでは不十分であり、「ベテランのノウハウ(26%)」や「成功・失敗事例(23.9%)」といった経験知が同程度に求められていると言えるだろう。

さらに、「誰に聞けばよいか」「意思決定の背景」といった項目が一定割合存在することから、業務における意思決定や問題解決は、単なる情報参照ではなく、“文脈理解”や“人へのアプローチ”を伴うプロセスであることがわかる。

◆情報取得の課題は「探せない・辿り着けない」に集約

情報取得の本質的な課題は「情報がないこと」ではなく、「必要な情報に効率的にアクセスできないこと」にあるという点にある。

特に、「どこにあるかわからない(35.9%)」「辿り着くまでに時間がかかる(25.5%)」という結果は、情報の蓄積そのものよりも、検索性や構造、導線設計といった“アクセスの設計”に問題があることを示している。

また、個人単位や限定的な範囲で取り組んでいる場合に課題が顕著であることから、ナレッジが分散し、検索の起点が統一されていない状態にあると考えられる。

一方で、全社的に取り組んでいる企業においても同様の課題が残っている点は重要である。これは、ナレッジマネジメントが「導入」や「展開」にとどまり、実際に使われるための設計(検索性・構造・導線)まで最適化されていない可能性があるのではないだろうか。

◆AIの利用は進む一方で、組織的な活用には構造的な課題

AI活用における課題は「業務の定義」「ナレッジの整備」「ガバナンス」という複数の要素に分散している。なかでも「AIに任せられる業務範囲が定義できていない(17.7%)」が最も高く、課題の重心がツール導入から設計フェーズへと移行しつつあることがうかがえる。

活用度別に見ると、個人単位での活用が先行する企業では「業務範囲の未定義」や「ナレッジの分散」が顕在化している一方、チーム・全社レベルに進むと「セキュリティ・ガバナンスへの不安」が主要な課題に変化しており、活用フェーズによって課題の性質が異なることが読み取れる。


【any】ナレッジマネジメント白書 2026

■調査概要

性別:男女 

年齢:20 ~ 69歳 

居住地:全国 

対象者数:1000人

調査方法:インターネットアンケート調査

調査期間:2026年1月30日(金)~2月2日(月)

実査機関:株式会社クロス・マーケティング 

組織規模:従業員数300人以上の企業に勤務している

職業:会社勤務(一般社員・管理職・経営者・役員も含む)、 公務員・教職員・非営利団体職員、専門職(弁護士・税理士等・医療関連)

■引用・転載にあたってのお願い

本レポートの著作権は全てany 株式会社に属します。無断複製・無断転載は固く禁じます。 

本白書の内容を引用する場合、info@anyinc.jpよりお問い合わせください。

●any株式会社について

私たちanyは、「個の幸福と組織の実利を両立する」をパーパスに掲げています。

このパーパスの元、ナレッジマネジメントを通して組織に新しい力を生み出し、よりよい社会を実現させるためにAIナレッジプラットフォーム「Qast」を提供しています。そのナレッジマネジメントというドメインはこれまで30年来解がなかった領域で、最適解を導きだすことに全力で取り組んでいます。

「Qast」は、社内の膨大な資料をアップロードすることで、ファイルの分類と要約を自動で行います。また、蓄積されたデータを参照し、業務で発生する質問に対して生成AIが自動で回答するRAG(Retrieval Augmented Generation)の仕組みを搭載しています。さらに、Q&AとKnowWho機能により、人々の知識や経験を引き出す“共創型“のナレッジマネジメントシステムです。

製造業や建設業、小売業を始めとする大企業にも多数の導入実績があり、既に98,000名以上のユーザーにご利用いただいています。

会社概要

・企業名:any株式会社

・代表者:吉田 和史

・所在地:東京都千代田区神田錦町2-2-1  KANDA SQUARE 11F WeWork内

・設立:2016年10月3日

・事業内容:「Qast(キャスト)」の企画、開発、運営

・会社HP: https://anyinc.jp/

・採用HP: https://careers.anyinc.jp

・サービスサイト: https://qast.jp/

・運営メディア: https://qast.jp/media/

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会社概要

any株式会社

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URL
https://anyinc.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区神田錦町2-2-1 KANDA SQUARE 11F WeWork内
電話番号
-
代表者名
吉田和史
上場
未上場
資本金
3億4700万円
設立
2016年10月