「保育ドキュメンテーション」、実施率は56.4%!71.7%の保育士が、「保護者との会話の接点になる」と効果を実感 一方で67.9%が「忙しすぎて手が回らない」と悩む声も
~さらに、41.7%の保育園が、「組織として方針が決まっておらず導入できない」状況~
子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営する株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗)は、保育士94名を対象に、「保育ドキュメンテーション」に関する実態調査を行いましたので、結果を発表いたします。
- 調査サマリー
- 調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2022年3月2日〜同年3月4日
有効回答:保育士94名
- 56.4%の保育園が、現在「保育ドキュメンテーション」を実施
・行っている:56.4%
・行っていない:38.3%
・わからない:5.3%
- 実施している内容、「保育者による写真・動画などの素材撮影」が81.1%で最多
・保育者による写真・動画などの素材撮影:81.1%
・素材をもとに保育者間でレビューやフィードバックを行う:47.2%
・素材を園内で掲示する:41.5%
・子どもたちによる写真・動画などの素材撮影:37.7%
・素材をもとに保護者とのコミュニケーションを行っている:37.7%
・保育者間でレビューした内容をもとに保育計画へ反映している:35.8%
・その他:3.8%
- 保育ドキュメンテーションを行うことで、71.7%が「保護者との会話の接点になる」ことを実感
・保護者との会話の接点になる:71.7%
・自身の保育を視覚的に振り返ることができる:64.2%
・次の保育計画に活きる:49.1%
・自然と子どもたちの次活動につながる:45.3%
・保育者間の連携を深め組織力強化につながる:32.1%
・保育書類に連動でき、業務効率化につながる:28.3%
・その他:0.0%
・特にない:0.0%
- 「子供たちが自分達の活動に関心を持ち次の活動に意欲を持つ」や、「保護者が安心して預けられる」という効果も
<自由回答・一部抜粋>
・46歳:子供たちが自分達の活動に関心を持ち次の活動に意欲を持つ。
・33歳:保護者が安心して預けられる。
・32歳:遊びの中で子どもたちが何を考え学び、どう感じているかをみることができる。おもしろい発言なども残すことができる。
・43歳:文章では伝わらない、活動中の子どもの表情などが伝わる。
・38歳:他クラスの活動内容や子どもの成長など分かりやすく知ることが出来る。
・31歳:SNSでの保育園の宣伝。
- 保育ドキュメンテーションを行う上での課題、「業務が忙しく手が回らない」が67.9%、「ノウハウのある指導者がいない」が45.3%
・業務が忙しく手が回らない:67.9%
・ノウハウのある指導者がいない:45.3%
・ノウハウのある担当者がいない:34.0%
・組織として方針が決まっていない:34.0%
・メリットがわからない:11.3%
・特にない/わからない:7.5%
・その他:1.9%
- 「1人担任だと、撮影と保育を同時にしなくてはいけない」や「ノウハウを職員で研修していくのが大変」などの課題も
<自由回答・一部抜粋>
・32歳:1人担任だと、撮影と保育を同時にしなくてはいけない。
・47歳:ノウハウを職員で研修していくのが大変。
・37歳:なかなか若い子が意見できない。
・43歳:プリントアウトやコメントを添える時間が取りにくい。
・46歳:行事が多い月はなかなか実施することが、難しいことがある。
・40歳:同じような内容になってしまうので、明確な課題を念頭におかないと意義がなくなる。
- 保育ドキュメンテーションを導入できない理由、「組織として方針が決まっていない」が41.7%で最多
・組織として方針が決まっていない:41.7%
・業務が忙しく手が回らない:38.9%
・ノウハウのある担当者がいない:38.9%
・ノウハウのある指導者がいない:25.0%
・特にない/わからない:16.7%
・メリットがわからない:2.8%
・その他:0.0%
- 「園の考えが古いため、新しいことへの導入はとても困難」なども保育ドキュメンテーション導入のハードルに
<自由回答・一部抜粋>
・35歳:園の考えが古いため、新しいことへの導入はとても困難。
・37歳:今のところ必要とされていないから。
・45歳:園がアナログ体制なので取り入れはまだまだ先になるのではないか。
・41歳:予算がない。時間がない。公平性を保証できない。
・49歳:方針としてそのような内容は示されていない。
・48歳:まだ、勉強不足だから。
- 「保育ドキュメンテーション」未導入保育園の半数が、保育施設としての質向上のために「保育ドキュメンテーションを導入すべき」と回答
・絶対に必要:2.8%
・やや必要:47.2%
・あまり必要でない:19.4%
・全く必要でない:5.6%
・わからない:25.0%
- まとめ
まず、56.4%の保育士が、勤める保育園で「現在保育ドキュメンテーションを実施している」と回答し、具体的に行っている内容として、「保育者による写真・動画などの素材撮影」が81.1%で最多であることが明らかとなりました。保育ドキュメンテーションを行うことによる効果としては、「保護者との会話の接点になる」(71.7%)や、「自身の保育を視覚的に振り返ることができる」(64.2%)といった回答があった他、「子供たちが自分達の活動に関心を持ち次の活動に意欲を持つ」や、「保護者が安心して預けられる」という声も挙げられました。
また、保育ドキュメンテーションを行う上での課題として、「業務が忙しく手が回らない」が67.9%、「ノウハウのある指導者がいない」が45.3%という回答が得られました。他にも「1人担任だと、撮影と保育を同時にしなくてはいけない」という声も挙げられました。
一方、勤める保育園で「現在保育ドキュメンテーションを実施していない」と回答した保育士に、保育ドキュメンテーションを導入できない理由を尋ねてみたところ「組織として方針が決まっていない」(41.7%)や、「業務が忙しく手が回らない」(38.9%)などが挙がり、「園の考えが古いため、新しいことへの導入はとても困難」という声も寄せられました。また、その半数が、保育施設としての質向上のために「保育ドキュメンテーションを導入すべき」と考えていることが分かりました。
今回の調査では、現在「保育ドキュメンテーション」の導入が半数以上進んでおり、未導入保育園においても、半数が、保育施設としての質向上のために「導入すべき」と考えていることが明らかとなりました。一方で、導入するべきか分からない、あるいは、組織として方針が決まっていないという保育園も多く、保育ドキュメンテーションの意義が普及していないケースも少なくないことが伺えました。また、保育ドキュメンテーションを導入することがいかに保育園の質向上に繋がるのかを理解したとしても、保育士の負担増加を筆頭に、園内の意識改革なども必要になることから、日々のルーティンにするためには組織そのものの課題をクリアし、心理的安全性が確保された環境を築くことが求められているとも言えます。保護者との会話の接点が増え、保育士自身の保育を視覚的に振り返る材料となる「保育ドキュメンテーション」。選ばれる保育施設となるためには、保育の質向上を担う手段として、今後益々需要が増えるのではないでしょうか。
- 会社概要
設立 :1994年8月30日
代表取締役:萩野 吉俗
所在地 :東京都文京区小石川5丁目2番2号 わかさビル3F
事業内容 :・保育室の設置・運営(院内保育室、企業内保育室、認可保育所)
・自治体と連携した子育て支援事業
(児童館、放課後児童クラブ、子育て支援拠点、こども広場等の運営)
・保育に関わる人材の派遣・紹介(保育士・幼稚園教諭・看護師・栄養士など)
・居宅訪問型子育て支援
(ベビー・キッズシッターサービス、家事代行サービス、自治体の委託業務)
・臨時保育室の設置・運営(イベント時保育サービス)
・保育に関わる人材の教育(研修会、講演会、各種セミナーの開催)
・新規保育事業の開発及びコンサルティング
URL :https://www.g-asuka.co.jp/
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