人の声をAI音声化し、公正な利用を促すプラットフォームCoeFont、声優の"声の権利"を守る「ボイス・ライト・プロテクション」を始動
CoeFontへの声の登録で権利の保護と正当な収益が還元される仕組みを実現
取り組み開始の背景
近年、生成AIの技術進化にともない、望まない形で声優や俳優、著名人のAI音声が生成され、不当に利用されるケースが相次いでいます。一度AI音声を作ってしまえば、その音声を使って不正に動画を作成したり、歌を歌わせたり、配信したりすることはもちろん、極端な例としては犯罪への利用も可能となります。しかし、現行法の下では「声の権利」は明確に確立されておらず、事前に対策を採らない限り、こうした事象を防止することは困難です。
自身の「声」が不当に利用されているのを発見した場合、その作成者を探すこと自体がそもそも大変です。不当利用が投稿・配信されているプラットフォームに通報しても、必ず協力してくれるとは限りません。また、仮に作成者が判明したとしても、このような「不法行為」は侵害された側に証明責任があるため、現行法の下で「声の権利」が保護されるべき法的利益といえるのか、被った損害の額はいくらと算出されるのか、その証明のハードルは高く、泣き寝入りするしかない場合が多いのが現状です。
CoeFontのこれまでの取り組みと今後の展開
当社は、サービス開始当初から、法律事務所をはじめとする有識者と協議を行いながら「声の権利」を保護し、声に対する利益を還元するために、AI音声の登録者に対して、音声の不正利用を防止する仕組みと正当な報酬をお支払いする取り組みを進めてまいりました。
昨今の生成AIの台頭による状況を鑑み、「声の権利」の侵害リスクを減らす取組みとしての『ボイス・ライト・プロテクション』を本日より改めて始動します。CoeFontの下で声優や俳優、著名人の方がAI音声を作成・登録した場合、公序良俗に反する使用は規約違反として決してなされないことは前提に、その音声の利用について、一般公開にする他、許可制にすることが可能です。許可制を選択した場合には、利用申請者の特定が可能な上に、その者がどのような用途で利用するのかを事前に把握し、自身のイメージを害するような望まない形での利用を防ぐことができます。また、CoeFontの下では「声」の提供者、利用者の間に契約関係が結ばれることになるため、「声の権利」を契約上保護される権利とすることが可能です。さらに、現在検討されている「背信的利用に対する違約金制度」が導入されれば、損害の額の算定で苦労することもなくなります。
また、他に類を見ない当社独自の優れた技術で作成されるAI音声は、自然な発話、文脈に応じたアクセントや読み上げに大きな特徴があります。そのため、CoeFontでAI音声の作成・登録・公開がなされれば、そちらで優れたAI音声が容易に利用できる以上、声優や俳優、著名人の方の「声」を利用したいと思った者はそれを利用すれば足り、本人に無断で粗雑なAI音声を無理に作成するといった行為の必要性がそもそも無くなります。そしてその結果、「声の権利」の侵害といった現象自体も淘汰されていくことになります。なお、もちろんその際には、「声の権利者」に正当な収益も還元されることになります。
もっとも、それでも無断作成をする者は出てくるかもしれません。しかし、そのような場合に当社は、CoeFontにてAI音声を作成・登録いただいた「声の権利者」の方々に対し、法律事務所と連携した上で、「声の権利」の侵害に対する救済のために可能な限りの法的サポートを提供する予定です。
当社は今後も、「声」を登録する方にも、「声」を使う方にも、公正で倫理的なサービスを提供してまいります。
AI音声プラットフォーム「CoeFont」とは
AI音声プラットフォーム「CoeFont( https://CoeFont.cloud )」は、最新のAI技術を活用し、「声」を表現力豊かな「フォント」に変換することで、だれもが、簡単に利用できるAI音声サービスです。
10,000種類程度のAI音声を利用できる「Text to Speech(文章読み上げ)」やリアルタイムで声を変換する「Voice Changer」、日本語などの母国語で収録・作成したAI音声を、英語や中国語を含む多言語のAI音声に声質をそのままに変換する「Cross-Lingual TTS」などの機能を、世界中のすべての国・地域に提供しています。
株式会社CoeFontについて
株式会社CoeFontは、AIを利用したサービスの開発、提供を行っています。2020年に設立し、東工大ベンチャーに登録されています。現在、AI音声の研究を行っており、すべての国・地域でAI音声プラットフォーム『CoeFont( https://CoeFont.cloud )』を提供しています。
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