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長さ3m CLTの屋外暴露試験に着手

中大規模建築における国産木材活用の可能性を広げる

株式会社大林組

 三菱地所株式会社(東京都千代田区、代表執行役 執行役社長:中島 篤)と、株式会社大林組(東京都港区、代表取締役 社長 兼 CEO:蓮輪 賢治)は、CLT(直交集成板)※の屋外利用における技術確立を目的に、共同研究開発(以下「本研究」)契約を締結し、長さ3mの大型試験体による屋外暴露試験に着手しました。CLTの製造・加工会社をグループ企業に持つ両社は、発注者、設計・施工者としての知見とニーズを持ち寄り、今後の中大規模建築における国産木材利用を推進します。

▲試験体 設置状況(サイプレス・スナダヤ本社工場敷地内、愛媛県西条市)

【本研究の目的】

(1)多様な保護塗料の特性把握

(2)適切なメンテナンス方法の検証

(3)基材(木材)への必要な加工の検証

 本研究では、三菱地所のグループ会社であるMEC Industry株式会社(鹿児島県姶良郡湧水町)、及び大林組のグループ会社である株式会社サイプレス・スナダヤ(愛媛県西条市)の本社工場敷地内に計23本の大型試験体を長期的に設置し、経年変化を定期的にモニタリングします。

本研究の成果を、CLTや木材の屋外活用につなげることで、国産木材の普及に寄与し、脱炭素・循環・自然共生社会の実現に貢献していきます。

■本研究の概要                                       

期  間

2024年6月17日開始 (検証期間は長期を予定)

場  所

MEC Industry敷地内(鹿児島県姶良郡湧水町)

サイプレス・スナダヤ 本社工場敷地内(愛媛県西条市)

試験内容

両試験地に計23本の試験体を設置

適宜メンテナンスを実施しながら経年変化のモニタリングを行う

試 験 材

縦3.0m×横0.9m×厚み150mm の CLT

■取り組み背景                                       

 持続可能な社会の実現に向け、CLTや集成材などの技術開発が進み、木材を建築の構造部に採用した「木造建築」や、内外装で木材を採用した「木質建築」の普及が進行しています。

 しかし木材の屋外活用においては、太陽光による紫外線や風雨への暴露、気温の変化など、屋内と比べて木材に与える外的要因が多いことから、限定的な普及に留まっていると言われています。

 木材の屋外活用に向けて、特殊機械を用いた促進耐候性試験や、小型試験体による屋外暴露試験は行われていますが、一方で中大規模建築への実利用を想定した加工や、長期間の暴露試験を実施している事例は少なく、プロジェクトごとのニーズに適切な仕様選定が困難な状況があります。

 中大規模建築への国産木材活用の可能性を広げるため、CLTや木材の屋外活用に求められる品質に関わる各塗料の特性・適切なメンテナンス・基材への加工を検証すべく、三菱地所と大林組は本研究を開始しました。

 三菱地所は、今後も建物の構造や内外装に国産木材を積極的に活用することで、森林による炭素固定、水源涵養機能、災害防止機能等の維持・向上につなげ、国内森林の好循環を生み出すことで SDGsの達成や社会課題の解決にも貢献していきます。

 大林組は、今回の試験で得た知見とノウハウを活用し、木造・木質建築のさらなる普及に努めるとともに、顧客からの木造・木質建築へのニーズに対して多様なソリューションを提供することにより、「Obayashi Sustainability Vision 2050」で掲げる「地球・社会・人」のサステナビリティの実現に貢献します。

【注釈】

※CLT(直交集成板):
CLT(Cross Laminated Timber)とは、ひき板(ラミナ)サイズの製材を、同程度の強度のもの同士で直交方向に貼り合わせ、均質な大断面部材を作るエンジニアリングウッド(木質材料のうち強度性能が所定の試験によって水準を満たしているもの)の一種です。

集成材は平行に張り合わせることで繊維方向に強く柱梁などの使用に向き、CLTは直交方向に貼り合わせることで2方向に強くなるため、床や壁などへの使用に向いています。重量当たりの強度はコンクリートよりも強く、断熱性にも優れています。

▲CLT
▲MEC IndustryのCLT製造ライン(鹿児島湧水工場)

【参考】中大規模建築における屋外木材活用の事例(予定)                   

 福岡市中央区天神一丁目において施工中の「(仮称)天神1-7計画」(事業主:三菱地所、施工者:大林組、設計者:三菱地所設計、2024年5月着工、2026年12月竣工予定)において、MEC Industry株式会社が製造する九州産の木材からなるCLTパネルを建物外装に約450㎥使用します。CLTパネルの使用により、二酸化炭素の固定化や日射熱の低減といった環境配慮・省エネ効果が期待できるほか、森林保全、林業振興にも貢献します。

(参考リリース)

2024年5月15日付 「(仮称)天神 1-7 計画」新築工事着工

URL:https://www.mec.co.jp/news/detail/2024/05/15_mec240515_tenjin1-7

【参考】グループ会社概要                             

MEC Industry株式会社(三菱地所グループ会社)

所  在:鹿児島県姶良郡湧水町木場3102

代 表 者:小野 英雄

創  立:2020年1月24日

業務内容:建材材料の仕入、製造及び販売等

Webサイト:MEC Industry株式会社 (mec-industry.com)

株式会社サイプレス・スナダヤ(大林組グループ会社)

所  在:愛媛県西条市小松町新屋敷甲1171-1

代 表 者:砂田 和之

創  業:1892年

事業内容:木材の生産ならびに販売、住宅資材の生産ならびに販売

Webサイト:株式会社サイプレス・スナダヤ (sunadaya.co.jp)

【参考】三菱地所グループの木造木質建築への取り組み                    

 三菱地所は2016年から国内の潤沢な資源である森林に着目し、木材が持つ高い炭素固定効果を活かすことによる気候変動への対応や、木材の活用により「切る→使う→植える→切る…」といった国内森林の循環再生、森林の持つ土砂崩れ等災害防止機能の維持・向上などに寄与することで、社会課題の解決に貢献するべく、国産木材を活用した建築物を多く手掛けてきました。

三菱地所グループサステナビリティサイト:

https://mec.disclosure.site/j/sustainability/activities/environment/timber/

【参考】大林グループの木造木質建築の取り組み                      

木造・木質建築は炭素を長期間安定的に貯留することで「脱炭素」に貢献することに加え、こころとカラダの健康につながる「ウェルビーイング(人間の豊かな生活)」な空間を提供します。大林グループは、持続可能な社会の実現に向けた脱炭素・循環・自然共生社会への取り組みとして木造・木質建築を推進しており、これまでに、さまざまなプロトタイプとなる実績を残しています。

大林グループ「木を活かす自然共生の循環型モデル」:Circular Timber Construction®

大林組は木造・木質建築の推進にとどまらず、グループが保有する森林関連の事業実績やノウハウ・知見を活かし、国産木材に関する川上(植林・育林)から川中(加工・調達)、川下(建設、発電、リユース、リサイクル)まで、素材生産~製材~利用~植林という循環サイクル全体を活性化させることによる持続可能な森林資源の利用、自然共生社会の実現を目指し、川上・川中・川下の各段階でさまざまな形でコミットしています。


    

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種類
その他
ビジネスカテゴリ
建設・土木
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会社概要

株式会社大林組

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URL
https://www.obayashi.co.jp/
業種
建設業
本社所在地
東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟
電話番号
-
代表者名
蓮輪 賢治
上場
東証プライム
資本金
577億5200万円
設立
1936年12月