B型・C型肝炎の治療成績や助成制度、よく知るケアマネジャーほど、ウイルス検査や治療を勧める
―ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査『CMNRメディカル』第6回―
■調査概要
調査名:CMNRメディカル(第6回) 「ウイルス性肝炎のご利用者に関するアンケート」
期間:2019年3月5日~2019年3月17日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー
(30代:8%、40代:32%、50代:40%、60代:18%、その他:2%)
調査サンプル数:810名
調査方法:WEBアンケート
■調査結果(サマリー)
B型・C型肝炎ウイルスの感染率は高齢者ほど高く(1)、肝臓がんの約80%は、B型およびC型肝炎ウイルスの持続感染による慢性肝炎が原因で発症する(2)と言われており、肝臓がんや肝硬変への進展防止、また新たなB型・C型肝炎ウイルスの感染者を増やさない対策が求められています。肝炎ウイルス感染者への差別・偏見につながらないようにするためにも、ウイルス性肝炎に対する正しい認識は重要です。
本調査において、B型・C型肝炎の治療成績や助成制度をよく知るケアマネジャーほど、要支援・要介護の高齢者(以下、要介護者)に対してウイルス検査やウイルス性肝炎の治療を勧めていることが分かりました(P<0.001)。ケアマネジャーはウイルス性肝炎の感染対策に対する知識がまだ十分ではないと示されましたが、約8割のケアマネジャーが肝炎に関する学習(講習)を受けたいと回答したことから、多くのケアマネジャーに肝炎に関する情報ニーズがあるようです。
今後、医療と介護の連携の要であるケアマネジャーに対してウイルス性肝炎に関する情報提供を行うことにより、肝炎ウイルス感染者の発見や治療、介護現場での感染防止につながることが期待されています。
【参考文献】
(1).JunKo Tanaka et. Total Numbers of Undiagnosed Carriers of Hepatitis C and B Viruses in Japan Estimated by Age- and Area-Specific Prevalence on the National Scale . Intervirology 2011;54:185–195
(2).工藤正俊. 第19回全国原発性肝癌追跡調査報告(2006~2007)肝臓57巻1号45-73(2016)
■調査結果
B型・C型肝炎のウイルス検査が無料で受けられること、HBVワクチンにより
B型肝炎ウイルスの感染を防ぐことができることを知っていますか?
※無料検査:B型・C型肝炎のウイルス検査が無料で受けられる
ワクチン:HBVワクチンでB型肝炎ウイルスの感染を防ぐことができる
「B型・C型肝炎のウイルス検査が無料で受けられること、HBVワクチンによりB型肝炎ウイルスの感染を防ぐことができることを知っていますか?」という質問に対して、「無料ウイルス検査とHBVワクチンの両方を知らない」ケアマネジャーが約半数の45.7%(370人)、「無料ウイルス検査とHBVワクチンの両方を知っている」が18.4%(149人)でした。
B型・C型肝炎の無料ウイルス検査やHBVワクチンに関する回答と「ご利用者(要介護高齢者)にB型・C型肝炎のウイルス検査を薦めたことがありますか?」という質問に対する回答には関連が見られ、ウイルス検査の助成制度、HBVワクチンの効果の両方を知っているケアマネジャーほど、B型・C型肝炎のウイルス検査を勧めることが分かりました(P<0.001)。
抗ウイルス治療として、飲み薬でC型肝炎ウイルスを排除できること、
B型肝炎ウイルスを抑えられることを知っていますか?
※C型:C型肝炎は抗ウイルス治療として、飲み薬で体内のウイルスを排除できる
B型:B型肝炎は抗ウイルス治療として、飲み薬で血液中のウイルスを抑えることができる
「抗ウイルス治療として、飲み薬でC型肝炎ウイルスを排除できること、B型肝炎ウイルスを抑えられることを知っていますか?」という質問に対して、「C型肝炎ウイルスを排除できることも、B型肝炎ウイルスを抑えられることも知らない」ケアマネジャーが約半数56.4%(457人)、「C型肝炎ウイルスを排除でき、B型肝炎ウイルスを抑えられることを知っている」が26.7%(216人)でした。
治療薬によりC型肝炎ウイルスを排除でき、B型肝炎ウイルスを抑えられることに関する回答と「ご利用者が肝炎ウイルス感染者であるのに未治療の場合、治療を勧めますか?」という質問に対する回答には関連が見られ、C型肝炎治療薬の効果、B型肝炎治療薬の効果の両方を知っているケアマネジャーほど、ウイルス性肝炎の治療を勧めることが分かりました(P<0.001)。
ケアマネジャーに治療や助成制度に関する知識を啓発することにより、要介護者に対するB型・C型肝炎のウイルス検査・治療を促すことができるかもしれません。
B型・C型肝炎の感染(対策)において、正しいものは「共同入浴では感染しない」「皮膚に生じた傷はできるだけ絆創膏やガーゼで覆う」「ピアスや刺青でなどでも感染する可能性がある」ですが、介護をする際によく遭遇する状況(共同入浴、皮膚に傷を生じる)に関する正解率は約6割でした。正しい知識に対して認識がまだ不十分だと考えられます(n=810)。
ケアマネジャーが肝炎ウイルスキャリアの人が出血した場合、感染を防ぐ適切な処置方法を「知っている」方が46.9%、「知らない」26.4%、「分からない」26.7%でした(n=810)。
76.9%のケアマネジャーが肝炎に関する学習(講習)を受けたいと回答しており、多くのケアマネジャーに肝炎に関する情報ニーズがあるようです(n=810)。
■調査レポート販売のご案内
本調査結果を、詳細レポートとして6月17日より販売いたします。上記掲載以外にも、
ケアマネジャーが担当しているB型、C型肝炎の患者数
ケアマネジャーのウイルス性肝炎の治療費助成制度の認知率
ケアマネジャーの肝炎医療コーディネータ認知率
介護施設のスタンダード・プリコーション(標準予防策)の実施率
介護施設における肝炎ウイルスキャリア(保因者)の受け入れ拒否状況
等の内容が、収載されています。
※医薬品マーケティングご担当者様※
本調査レポートの内容、価格等につきましては、下記窓口までお問い合わせください。
■お問い合わせ窓口■
株式会社インターネットインフィニティー Webソリューション部(担当:江口)
TEL:03-6697-5505 FAX:03-6779-5055 MAIL:neguchi@iif.jp
■CMNRメディカルについて■
『CMNR(CareManager Network Research)メディカル』は、医療と介護連携のキーマンであるケアマネジャーをパネルとした調査サービスです。複数の医療機関を受診することが多い要介護・要支援高齢患者の処方薬や、服薬管理状況など、医師や薬剤師をパネルとした調査ではなかなか把握しにくい医薬品使用の実態を調査できます。
専門サイト「ケアマネジメント・オンライン」に登録する、日本のケアマネジャー16万人のうち6割に相当する9万人のネットワークを『CMNRメディカル』では活用しています。
※ケアマネジャー(介護支援専門員)は、適切な介護サービスを受けられるように高齢者とその家族の支援をしており、医療と介護の連携の要を担っています。
■調査のご依頼について■
「ケアマネジメント・オンライン」では、『CMNRメディカル』をはじめ、ケアマネジャーを対象にした様々な調査を常時行い、企業やメディア、行政などにお届けしています。今後調査を実施してほしい疾患や医薬品のリクエスト等ございましたら、下記窓口までお気軽にお問い合わせください。
■記事引用時のお願い■
・「ケアマネジメント・オンライン」調べ、と明記ください。
・WEB上での引用に際しましては、「ケアマネジメント・オンライン」にhttp://www.caremanagement.jp/へのリンク付与をお願いいたします。
■■■ニュースリリース及びサービスに関するお問合せ先■■■
株式会社インターネットインフィニティー Webソリューション部(担当:江口)
TEL:03-6697-5505 FAX:03-6779-5055 MAIL:neguchi@iif.jp
■■■その他IRに関するお問合せ先■■■
株式会社インターネットインフィニティー IR担当
TEL:03-6779-4777 MAIL:ir@iif.jp
すべての画像