花粉症、ついに1都6県で過半数に ~市場規模推移と生活者が重視する対策とは~
・利用者数が「処方薬」抜いた「市販薬」 ・「減感作/免疫療法」の重視率は5割超
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下インテージ)は、花粉症シーズンに向けて、京浜エリアでの花粉症対策商品の市場規模分析と生活者へのアンケート調査を実施した結果を公開します。
[ポイント]
やはり、花粉飛散数(図中の折れ線)と連動して市販薬の販売金額も上下していることが見てとれます。例外は2019年です。その前年、2018年の飛散数が前年の約4倍、過去10年平均の2倍以上の多さで、市販薬の販売額も30億円以上伸びた年。昨年は飛散数は2018年よりかなり少なかったものの、市販薬販売額は微減にとどまっています。2018年のつらかった経験から、市販薬による対策を怠らなかった人が多かったのかもしれません。
先シーズン、花粉症の人たちが市販薬以外にもどんな対策をしていたのかをみてみましょう(図表3)。
図表3
直近シーズンに実施した対策のダントツのトップは「マスク」で7割以上の人が実施していました。次いで、「うがい・手洗い」が半数以上と薬以上に実施されています。
対策には男女差がみられ、女性の方が男性より実施率の高い項目が多く、男性以上にいろいろと対策している様子。特に、花粉を家に入れないこと(「衣服の花粉を落とす」「洗濯物/ふとんを外に干さない」「窓を開けない」「室内をこまめに掃除する」)に男性より気をつけていることがわかります。一方、男性は、症状が出る部分の花粉を除去すること(「顔を洗う」「鼻を洗う」)の実施者割合が女性より多いことがわかりました。
次に、各対策実施率が2016年の調査時から変化しているのかをみてみました(図表4)。
図表4
花粉症対策の主軸となっている「マスク」「うがい・手洗い」実施者は15ポイント以上増えています。また、「顔を洗う」「衣服の花粉を落とす」「睡眠/休養を意識的にとる」といった対策も5ポイント以上伸びています。図表2の市場規模で、販売金額が2016年から約10億円増えていた「市販薬」は、利用している人の割合は5.5ポイント増え、一方、「処方薬」は4.6ポイント減り、市販薬利用者と処方薬利用者の割合が逆転しました。
・各対策の重視率では「処方薬」が「市販薬」以上の存在感。「減感作/免疫療法」も5割超の重視率
さまざまな対策がある中、実施している人が特に重視している対策は何かを聞いてみました。図表5は、各対策の重視率ランキングです。重視率が20%以上あったものを抜粋しています。
図表5
実施者の最も多い「マスク」は、重視率も8割超とトップですが、「うがい・手洗い」は5割未満にとどまっています。一方で「処方薬」は8割、「市販薬」は7割、「減感作/免疫療法」(花粉エキスの注射/舌下滴下)が5割超です。主な患部に花粉を入れない“マスト対策”の「マスク」、より症状がつらい人は市販薬より「処方薬」、根本的に花粉に対するアレルギー反応に働きかけたい人はまだ新しい治療法の「減感作/免疫療法」といったように、症状や志向に応じて対処を選択している様子が表れているといえそうです。
・食材・サプリの利用率トップは「ヨーグルト」「乳酸菌」。効果実感、食材では「ヨーグルト」「べにふうき茶」が2強、サプリでは「じゃばら」に「甜茶」「乳酸菌」「プロポリス」が続く
最後に、花粉症によいとされる食材やサプリメントに目を向け、花粉症の人が今までに利用したことがあるものと、実際に効果が感じられたものを聞いてみました。
図表6
食材の利用率のダントツトップは4割を超える「ヨーグルト」で、サプリメントでも「乳酸菌」が15%でトップと、“菌活”アイテムが最も利用されていることがわかります。食材ではこれに、お茶類が続き、サプリメントでも、「茶カテキン」「甜茶成分」とお茶の成分が続いています。食材で「紅茶」と「しょうが」がほぼ同率ですが、「しょうが紅茶」を作って飲んでいる人が多いのかもしれません(図表6)。
では実際、各食材・サプリ利用者のうち、どれくらいの人が効果を感じているのでしょうか。
図表7
食材利用率トップだった「ヨーグルト」は効果実感率でもトップで4割超の人が効果を感じていました。また、利用率では5位だった「べにふうき茶」も4割の効果実感率で2位にランクインしています。サプリメントでは、利用率は低いものの、利用者の5割違くが効果を感じていると回答した「じゃばら」がトップ、これに「甜茶成分」「乳酸菌」「プロポリス」が3割超と続く結果でした。
1都6県では過半数の人にとって悩ましいシーズンである春。さまざまな対処法を、自分の症状や志向にあわせて取り入れて、2020年の花粉症シーズンをできるだけ快適に過ごせるといいですね。
このレポートはインテージのオウンド・メディア「Intage 知る gallery」(https://www.intage.co.jp/gallery/)でも公開しています。あわせてご参照ください。
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使用したデータ
【SRI®(全国小売店パネル調査)】 https://www.intage.co.jp/service/platform/sri/
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約4,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2019年3月現在
【インテージのネットリサーチによる自主調査データ】 https://www.intage.co.jp/service/research/net/
調査地域:日本全国
対象者条件:20~59 歳の男女
標本抽出方法:弊社「キューモニター」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を、2015年度実施国勢調査データをベースにウェイトバック
標本サイズ:n=6395
調査実施時期: 2019年12月25日~27日
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【株式会社インテージ】 https://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩)は、「Create Consumer-centric Values ~お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、さまざまな業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、共に生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点に立ったマーケティングの実現を支援してまいります。
【報道機関からのお問い合わせ先】
■株式会社インテージ 広報担当:西澤
TEL: 03-5294-6000
サイト「お問い合わせフォーム」 https://www.intage.co.jp/contact/
[ポイント]
- 花粉症の人の割合、2016年から3.4ポイント増え過半数に
- 「市販薬」市場規模は飛散花粉数と連動するも、2019年は花粉数多かった前年と同規模で推移
- 「市販薬」利用者割合が「処方薬」を逆転
- 対策に男女差あり。「家に入れない」女性、「症状出る箇所の花粉除去」の男性
- 各対策の重視率では「処方薬」が「市販薬」以上の存在感。「減感作/免疫療法」も5割超の重視率
- 食材・サプリの利用率トップは「ヨーグルト」「乳酸菌」。効果実感、食材では「ヨーグルト」「べにふうき茶」が2強、サプリでは「じゃばら」に「甜茶」「乳酸菌」「プロポリス」が続く
・花粉症の人の割合、2016年から3.4ポイント増え過半数に
・花粉症歴「6年以上」が各年代で過半数、40代・50代では8割近く
日本気象協会の昨年12月の発表によると、この春、スギ花粉が飛び始める時期は例年並み、飛散量は例年より少ないと予想されています。花粉症の方の中には、すでに対策を始めている方もいらっしゃるかもしれません。
今や「国民病」ともいわれる花粉症、どれくらいの人が、いつから、どんな症状に悩まされているのでしょうか。図表1は 2019年末に実施した1都6県(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬)の20代から50代を対象にした調査結果です。
図表1
3年前の2016年末の調査では46.7%だった花粉症の人の割合は、50%を超えています。また、罹患年数は、各年代とも「6年以上」と長期の人が半数以上、40代、50代では8割近くにのぼっています。症状はほぼ全員の方が「鼻」、次いで「目」、人によってはノドや皮膚の症状、また頭痛や発熱が出るケースもあるようです。
・「市販薬」市場規模は飛散花粉数と連動するも、2019年は花粉数多かった前年と同規模で推移
・「市販薬」利用者割合が「処方薬」を逆転
・対策の主軸は「マスク」「うがい・手洗い」。実施者は3年前から大きく増加
・対策に男女差あり。「家に入れない」女性、「症状出る箇所の花粉除去」の男性
つらい症状を抑える、一番手近な対策といえる市販薬。その市場規模はどう変化しているのでしょう。小売店の販売データ「SRI®」で過去8年の推移を追ってみました(図表2)。
図表2
やはり、花粉飛散数(図中の折れ線)と連動して市販薬の販売金額も上下していることが見てとれます。例外は2019年です。その前年、2018年の飛散数が前年の約4倍、過去10年平均の2倍以上の多さで、市販薬の販売額も30億円以上伸びた年。昨年は飛散数は2018年よりかなり少なかったものの、市販薬販売額は微減にとどまっています。2018年のつらかった経験から、市販薬による対策を怠らなかった人が多かったのかもしれません。
先シーズン、花粉症の人たちが市販薬以外にもどんな対策をしていたのかをみてみましょう(図表3)。
図表3
直近シーズンに実施した対策のダントツのトップは「マスク」で7割以上の人が実施していました。次いで、「うがい・手洗い」が半数以上と薬以上に実施されています。
対策には男女差がみられ、女性の方が男性より実施率の高い項目が多く、男性以上にいろいろと対策している様子。特に、花粉を家に入れないこと(「衣服の花粉を落とす」「洗濯物/ふとんを外に干さない」「窓を開けない」「室内をこまめに掃除する」)に男性より気をつけていることがわかります。一方、男性は、症状が出る部分の花粉を除去すること(「顔を洗う」「鼻を洗う」)の実施者割合が女性より多いことがわかりました。
次に、各対策実施率が2016年の調査時から変化しているのかをみてみました(図表4)。
図表4
花粉症対策の主軸となっている「マスク」「うがい・手洗い」実施者は15ポイント以上増えています。また、「顔を洗う」「衣服の花粉を落とす」「睡眠/休養を意識的にとる」といった対策も5ポイント以上伸びています。図表2の市場規模で、販売金額が2016年から約10億円増えていた「市販薬」は、利用している人の割合は5.5ポイント増え、一方、「処方薬」は4.6ポイント減り、市販薬利用者と処方薬利用者の割合が逆転しました。
・各対策の重視率では「処方薬」が「市販薬」以上の存在感。「減感作/免疫療法」も5割超の重視率
さまざまな対策がある中、実施している人が特に重視している対策は何かを聞いてみました。図表5は、各対策の重視率ランキングです。重視率が20%以上あったものを抜粋しています。
図表5
実施者の最も多い「マスク」は、重視率も8割超とトップですが、「うがい・手洗い」は5割未満にとどまっています。一方で「処方薬」は8割、「市販薬」は7割、「減感作/免疫療法」(花粉エキスの注射/舌下滴下)が5割超です。主な患部に花粉を入れない“マスト対策”の「マスク」、より症状がつらい人は市販薬より「処方薬」、根本的に花粉に対するアレルギー反応に働きかけたい人はまだ新しい治療法の「減感作/免疫療法」といったように、症状や志向に応じて対処を選択している様子が表れているといえそうです。
・食材・サプリの利用率トップは「ヨーグルト」「乳酸菌」。効果実感、食材では「ヨーグルト」「べにふうき茶」が2強、サプリでは「じゃばら」に「甜茶」「乳酸菌」「プロポリス」が続く
最後に、花粉症によいとされる食材やサプリメントに目を向け、花粉症の人が今までに利用したことがあるものと、実際に効果が感じられたものを聞いてみました。
図表6
食材の利用率のダントツトップは4割を超える「ヨーグルト」で、サプリメントでも「乳酸菌」が15%でトップと、“菌活”アイテムが最も利用されていることがわかります。食材ではこれに、お茶類が続き、サプリメントでも、「茶カテキン」「甜茶成分」とお茶の成分が続いています。食材で「紅茶」と「しょうが」がほぼ同率ですが、「しょうが紅茶」を作って飲んでいる人が多いのかもしれません(図表6)。
では実際、各食材・サプリ利用者のうち、どれくらいの人が効果を感じているのでしょうか。
図表7
食材利用率トップだった「ヨーグルト」は効果実感率でもトップで4割超の人が効果を感じていました。また、利用率では5位だった「べにふうき茶」も4割の効果実感率で2位にランクインしています。サプリメントでは、利用率は低いものの、利用者の5割違くが効果を感じていると回答した「じゃばら」がトップ、これに「甜茶成分」「乳酸菌」「プロポリス」が3割超と続く結果でした。
1都6県では過半数の人にとって悩ましいシーズンである春。さまざまな対処法を、自分の症状や志向にあわせて取り入れて、2020年の花粉症シーズンをできるだけ快適に過ごせるといいですね。
このレポートはインテージのオウンド・メディア「Intage 知る gallery」(https://www.intage.co.jp/gallery/)でも公開しています。あわせてご参照ください。
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使用したデータ
【SRI®(全国小売店パネル調査)】 https://www.intage.co.jp/service/platform/sri/
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約4,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2019年3月現在
【インテージのネットリサーチによる自主調査データ】 https://www.intage.co.jp/service/research/net/
調査地域:日本全国
対象者条件:20~59 歳の男女
標本抽出方法:弊社「キューモニター」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を、2015年度実施国勢調査データをベースにウェイトバック
標本サイズ:n=6395
調査実施時期: 2019年12月25日~27日
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【株式会社インテージ】 https://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩)は、「Create Consumer-centric Values ~お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、さまざまな業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、共に生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点に立ったマーケティングの実現を支援してまいります。
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