2025~2030年の予測
「流動する世界」の今後の5年間を占う5つのワイルドカード
※ 本プレスリリースは、2025 年1 月10日(現地時間)にKearney より米国で配信された英語版の抄訳です。
経営コンサルティング会社A.T. カーニー(グローバル・ブランド名はKEARNEY)のマクロ経済部門シンクタンクであるグローバル・ビジネス・ポリシー・カウンシル(米国バージニア州アーリントン、以下GBPCと称す)は、「2025~2030年の予測~流動する世界(原題:World in flux - Global Wildcards 2025–2030)」を公開しました。
"流動する世界" と題された本レポートは、今後5年間の世界的な見通しと、ビジネス環境を劇的に変える可能性のある5つのワイルドカード(不確実ながら重要な要素)に焦点を当てています。
1. 転換期にあるグローバル・サウス
米中間の緊張が高まるなか、インド、インドネシア、ブラジルなどの「中堅国」や、エジプト、エチオピア、南アフリカなどのアフリカ諸国は、経済成長に伴い、今や全世界に対してより大きな影響力を行使できる立場にあります。世界の二大経済大国の間でどのように舵を切るか地政学的にも難しい判断を迫られますが、新たな生産拠点や生産性の高い若い労働力を活用し、大きな利益を得るなどビジネスにとって重要となるでしょう。
2. 国際貿易政策にとって厳しい時期
今後5年間で世界中で報復関税争いが激化する可能性が高く、これが世界経済を根本的に変えるかもしれません。また、成長の鈍化、インフレの上昇、サプライチェーンをとりまく課題、そして最終的には企業と消費者にとってのコスト増加など、大きな下振れリスクも伴います。それでも国境を越えた競争が激化するなか、関税は新たな経済秩序の原動力であり続ける可能性が高く、政府、企業、消費者に重大な影響を及ぼすでしょう。
3. 蔓延する腐敗
従来から蔓延しているキックバックに加え、昨今はディープフェイクなどのテクノロジーが、世界的な「腐敗」の火に油を注いでいます。これを克服するには、政府と企業が国民の信頼を再構築するしかありません。
4. 世界は21世紀の電力需要を満たすことができるか?
膨大なAI需要、老朽化するインフラ、容赦ない気候変動等により、電力需要は限界に追い込まれています。技術の進歩とともに電力需要が増大するなか、政府も企業も、持続可能な方法で需要を満たし、関連するリスクを軽減するという課題に直面することになります。
5. 「超権力者」の新時代
実業家イーロン・マスクから歌手テイラー・スウィフトまで、「超権力者」がこれまでにないレベルの影響力を持ち始めています。彼らはアクティビズム(積極的な行動)を再定義し、その知名度を活用して気候変動、社会正義、テクノロジーなどの世界的問題に影響を与えています。彼らは、有益かつ破壊的な方法で新たな「経済」を形成し始めています。企業にとって、このようなカリスマたちと関わるかどうか、もし関わるとしたらそれはいつ、どのように?を決めることは、ビジネスチャンスの増加と潜在的な評判リスクの両方を伴う可能性があります。
GBPC のマネージング・ディレクターで本レポートの共著者 エリック・ピーターソン(Erik R. Peterson)のコメント:
「私たちは、国際的なビジネス環境に影響を与える、大きくかつ増大する不連続な変化の力を反映するために、レポートの名称をこれまでの 『グローバル・トレンド』 から 『グローバル・ワイルドカード』 に変更しました。」
GBPC のプリンシパルで本レポートの共著者 テリー・トーランド(Terry Toland)のコメント:
「このレポートで提示されたワイルドカードはそれぞれ、ビジネスにとっての課題と機会の両方を反映しています。戦略的な政治家や企業経営者たちは、これらの急速に変化する分野に内在するリスクを軽減し、それに応じて能力を強化する方法を見つけようと努めるでしょう。」
「2025~2030年の予測 ~流動する世界 / World in flux - Global Wildcards 2025–2030」
全文(英語)はこちらから
https://www.kearney.com/service/global-business-policy-council/article/world-in-flux
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