LGBTQの子どもたちも、安心できる学校環境へ。「Ally Teacher’s Tool Kit：安心な学校をつくろう編」を無料公開

200名の教職員・2,670人のLGBTQユースの声をもとに作成

認定特定非営利活動法人ReBit（以下、ReBit）は、2025年3月17日（月）、LGBTQにとって安心できる学校環境づくりを支援する「Ally Teacher’s Tool Kit：安心な学校をつくろう編」を無料公開しました。

本キットは、教職員がLGBTQについて学び、安全な学校環境や相談体制を整えるための支援ツールです。研修動画やハンドブック、ポスターなど17種類の資材を収録し、どなたでも無料でダウンロード可能なほか、学校の先生にはDVDやハンドブックを含む製品パッケージを無料で送付しています。
▶ 詳細・ダウンロードはこちら：https://rebitlgbt.org/teacher/

【LGBTQの7割が、学校で困難を経験】

LGBTQは人口の約3〜10%を占め、30人クラスに1〜3人いると考えられます。

しかし、70%が過去1年で学校での困難を経験する一方、93%が教職員に相談できず孤立しています。

この状況を受け、10代LGBTQの2人に1人が過去1年で自殺を考えたという深刻な実態が明らかになっています。*1

【学校でLGBTQ支援の取り組みが求められるも、課題は山積】

2023年6月に「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律（LGBT理解増進法）」が制定され、学校設置者や学校には、LGBTQに関する教育・啓発の推進、教育環境の整備、相談機会の確保が努力義務として求められています。

また、2024年度からはすべての小学校の保健体育教科書に、2025年度からはすべての中学校の道徳教科書に性の多様性が掲載され、学校現場での取り組みが拡大しています。

しかし、国や行政から具体的な計画が示されていないこともあり、多くの学校や教職員が「どのように取り組めばよいかわからない」と悩んでいるのが現状です。

【200名の教職員と共に、実践に活かせる17種の資材を開発】

こうした現状を受け、ReBitは、LGBTQについて学び、安全な学校環境や相談体制を整えるための教材「Ally Teacher’s Tool Kit：安心な学校をつくろう編」を制作しました。

本キットには、

• 先生がLGBTQについて学ぶための研修動画やワークシート

• 安全な学校環境や相談体制を整える実践事例集や相談ケース集

• 校内にそのまま掲示できるポスターやステッカーなど、計17種類の資材

が含まれています。どなたでも無料でダウンロード可能なほか、学校の先生にはDVDやハンドブックを含む製品パッケージを無料で送付しています。

▶ 詳細・ダウンロードはこちら：https://rebitlgbt.org/teacher/

なお、このキットは、全国の学校の先生200名の実践事例やLGBTQユース2,670名が回答した「LGBTQ子ども・若者調査2022」の声をもとに作成されました。さらに、校長・教頭・担任の先生をはじめ、教育委員会、スクールカウンセラー、弁護士、医師、ユース支援団体など、多様な専門家の協力を得ています。

また、クラウドファンディングを通じて、151名のみなさまに応援をいただき本プロジェクトが実現できたことを心より御礼申し上げます。

【小・中学校での授業実践を応援するシリーズも】

「Ally Teacher’s Tool Kit」には、学校での授業実践を支援する「授業しよう編」もあります。
小学校高学年向けと中学校向けの2種類があり、先生がLGBTQについて授業で教える際に活用できるキットです。
どなたでも無料でダウンロード可能なほか、学校の先生にはDVDやハンドブックを含む製品パッケージを無料で送付しています。

▶ 小学校高学年版はこちら：https://rebitlgbt.org/

▶ 中学校版はこちら：https://rebitlgbt.org/

【教職員向け勉強会・個別相談を実施中】

ReBitでは、今後も教職員向けのオンライン勉強会・相談会を随時開催し、学校現場での支援を強化していきます。
また、学校の取り組みに悩んだ際や、児童生徒からの相談対応に困った場合に、個別相談や伴走支援も行っています（対応可能な学校数には上限があります）。

LGBTQの子どもたちが安心して過ごせる学校を、一緒に広げませんか？
ぜひお気軽にお問い合わせください。

▶ お問い合わせはこちら：https://rebitlgbt.org/

【認定特定非営利活動法人ReBit概要】

「LGBTQも、ありのままで。未来を選べる社会を創る」をミッションに、学ぶ・働く・暮らすの３分野に取り組む。学校・行政・企業でLGBTQやダイバーシティに関する授業/研修を約2,200回、22万人以上に提供。多様な性についての教材作成や、LGBTQの就活生ら約13,000名のキャリア支援を行う。LGBTQなど多様性にフレンドリーな就労移行支援事業所（福祉施設）を、東京都と大阪府で運営。

法人名：認定特定非営利活動法人ReBit（りびっと）

所在地：東京都渋谷区代々木3-26-2 新宿カメヤビル4F（本社）、大阪府大阪市北区天満2-7-10 グロー天満ビル 6F（大阪拠点）

代表理事：藥師実芳

サイト：https://rebitlgbt.org/

＜注釈＞

*1：ReBit（2022）『LGBTQ子ども・若者調査2022』