日常的に料理を作る1368人へのアンケート調査結果 94%が「水産資源減少の危機」に関心があり24%がMSC「海のエコラベル」を見たことがあると回答
持続可能な漁業の普及に取り組む国際的な非営利団体MSC(海洋管理協議会)の日本事務所であるMSCジャパンは、レシピサイトNadiaの協力のもと、日常的に料理を作るNadiaユーザーを対象に、水産資源やエシカル消費についてアンケート調査を実施しました。
この調査は、MSC認証の水産物を使った世界各国のレシピを紹介する「サステナブルなお魚レシピ 2023」キャンペーン( https://www.msc.org/jp/sustainable-recipe-2023 )の一環として実施したものです。
アンケートに回答いただいた1368人のうち、家で魚料理を作る頻度が週に1~3回以上という人が約7割を占めました。魚料理を作る理由として最も多いのが「健康にいいから」(81.7%)で、続いて「味がおいしいから」(57.2%)、「旬を楽しめるから」(40.1%)でした。
図① 魚料理を作る理由を教えてください(複数回答)
「世界的に魚の獲りすぎなどにより、水産資源が減少の危機にあることを知っていますか?」という質問に対しては、「知っているし、関心がある」が56.1%、「知らなかったが、関心はある」が38.2%と、合わせて94.3%が関心を持っていました。水産資源の減少をどうすれば防げるかという問いへの回答で最も多かったのが「魚の廃棄を減らすため適切な量を販売・消費する」(70.4%)、続いて「魚の獲りすぎを減らす」(59.9%)でした。
図② 水産資源が減少することで、将来、身近な魚が食べられなくなるかもしれません。どうすれば防げると思いますか?(複数回答)
MSC「海のエコラベル」を見たことがあるかという質問については、「見たことがある」が24%で、そのうちラベルの意味も知っているのが8.1%、意味は知らないのが16.1%でした。MSCラベルを見た場所は「スーパー」(75.7%)がトップで、「インターネット」(31.5%)、「宅配(生協など)」(28.8%)が続きました。
図③ MSC「海のエコラベル」をどこで見ましたか?(複数回答)
MSC「海のエコラベル」を見たことがない、どのようなラベルか知らないと回答した人に対し、ラベルの意味を伝えてから「選びたいと思うか」と尋ねたところ、「とてもそう思う」(33.2%)、「そう思う」(60.8%)を合わせた94%が選びたいと答えました。
「魚介類を選ぶ際に、多少値段が高くても選びたいと思うもの」は、「新鮮で美味しそうなもの」(88.7%)、「安心・安全なもの」(65.8%)、「添加物が使われていないもの」(38.5%)など、水産物の状態に関する回答が多くを占めましたが、「違法な漁業で不正に獲られたものではないもの」(21.3%)、「生産者の思いや理念に共感が持てるもの」(18.1%)、「環境やサステナビリティに配慮した認証ラベルがついたもの」(16.7%)といった生産方法に関する回答も一定数ありました。
図④ 魚介類を購入する際に、多少値段が高くても選びたいと思うものはどれですか?(複数回答)
日常的に料理を作る層は水産資源の減少についての危機意識が高く、その解決策として魚の獲りすぎを防ぐことの重要性が理解されていますが、一方で、魚介類を購入する際に多少値段が高くても選びたいものとして認証ラベル付き水産物を選びたいとする回答は約17%に留まりました。MSC「海のエコラベル」の意味を知った後には選びたいという意識が強くなることから、ラベルが持つ意味について広く知っていただくことがまずは重要であると言えます。
「サステナブルなお魚レシピ 2023」キャンペーンでは、日本からのレシピとして、Nadia専属料理家のちおりさんに「MSC認証ホタテとしいたけの甘辛煮」( https://www.msc.org/jp/sustainable-recipe-2023/recipe-japan )を考案いただきました。また、1月19日に開催したInstagramライブ( https://www.instagram.com/p/CnmIIA4JZjP/ )では、ちおりさんにレシピを実演いただき、同じくNadia専属料理家の神田えり子さんにも「MSC認証ホタテと白菜のとろーりグラタン」( https://oceans-nadia.com/user/13780/recipe/448130 )を作っていただき、ライブの視聴人数は2万4000人を超えました。Instagramライブは3月31日まで、「サステナブルなお魚レシピ 2023」のウェブサイトは年末までご覧いただけます。
MSCは今後も、水産資源と環境に配慮したMSC認証取得漁業で獲られたMSC「海のエコラベル」付き水産物を選ぶことが、持続可能な漁業に取り組む漁業者を応援し、海の豊かさを守ることにつながることを伝えていきます。
■アンケート概要
・アンケート回答者:Nadiaユーザー 1368人(男性203人、女性1161人、その他4人)
・調査集計期間:2023年1月11日(水)~2月1日(水)
・調査会社:Nadia株式会社
・調査方法:インターネット調査
MSC(海洋管理協議会)について
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際的な非営利団体です。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20カ国に事務所を置き世界中で活動しています。MSCジャパンは2007年に設立。MSC「海のエコラベル」の付いた水産品は、2021年度には世界62カ国で20,000品目以上、日本では500品目以上が販売されました。国内ではイオングループ、生協・コープ、セブン&アイグループ、ライフ、マクドナルドなどで購入できます。
持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は、世界で広く認知されており、最新かつ確実な科学的根拠に基づき策定されたものです。FAO(国連食糧農業機関)とISEAL(国際社会環境認定表示連合)双方の要求事項を満たした世界で唯一の漁業認証プログラムでもあります。漁業がこの規格を満たすためには、(1)水産資源が持続可能なレベルにあり、(2)漁業による環境への負荷が抑えられており、(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、第三者審査機関による審査を通じて実証することが求められます。
詳しくはMSCウェブサイトをご覧ください:https://www.msc.org/jp
MSC「海のエコラベル」について
MSCの厳格な認証規格に適合した持続可能な漁業で獲られた水産物にのみ認められる証、それがMSC「海のエコラベル」です。
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