スポーツ活動をする子どもの"転換期"小学校高学年で顕在化 元気な児童62%が中学生で30%に低下、生活習慣の見直しが急務

~ジュニア年代のリカバリー環境調査2025レポートvol.2~

一般社団法人日本リカバリー協会(事務局:神奈川県厚木市、代表理事:片野秀樹)は、リカバリーに関するサービスや商品を開発する株式会社ベネクス(所在地:神奈川県厚木市、代表取締役:中村 太一)との共同で、「ジュニア年代のリカバリー環境調査2025レポートvol.2」を発表いたします。

本調査は、スポーツ活動を行う子どもたちの疲労状況や睡眠時間、活動環境などの実態を明らかにすることを目的としています。調査結果から、小学校高学年から中学校にかけての時期が大きな転換期となっており、スポーツ活動の有無による疲労度の差が顕著になることが判明しました。特に、高校生ではスポーツを行う生徒の74.4%が疲労を感じており、スポーツを行わない生徒との差が約20ポイントに達しています。

また、本調査のデータを紐解く、育成年代アスリートの保護者向けオンラインセミナー「保護者が知っておくべき 体のケア方法!」開催を、「Sgrum(スグラム)」()協力により2025年7月17日(木)に開催することを併せてお知らせいたします。


図表1:疲れている人の割合(単位:%)

【ジュニアリカバリー白書vol.2】分析サマリー

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■年齢上昇とともに疲労を感じる割合が増加し、高校生では74.4%が疲労を感じている

■スポーツの有無による疲労状況では、スポーツを行う高校生が約20%高い

■スポーツを行っている中高生は、高い睡眠時間を確保している

■スポーツ活動場所への移動時間、年齢とともに長距離化が明らかに

■怪我の部位は膝(26.0%)と足首(22.7%)を中心に下肢が全体の約70%を占めている

■保護者の最大の懸念点は、勉強時間の確保(38.2%)と睡眠時間の確保(35.3%)

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■ジュニアアスリートの疲労度、年齢とともに上昇、高校生で疲労状態に大きな差

スポーツをしているジュニア年代の疲労状態を調査したところ、年齢が上がるにつれて疲労を感じる割合が増加していることが分かりました。幼稚園児では元気な状態が62.4%と最も高く、疲労を感じる子どもは37.6%でしたが、学年が上がるにつれてその割合は逆転。中学生では70.6%、高校生では74.4%が疲労を感じており、特に「ひどく疲れた」状態の割合が幼稚園児の5.9%から高校生では32.1%まで上昇しています。

図表2:疲労状況(単位:%)

■年齢上昇とともに上昇する疲労度、スポーツの有無で明確な差

スポーツをしている子どもの方が全般的に疲れている状況が明らかになりました。年齢が上がるにつれてその差は顕著になり、特に小学生(中学年)ではスポーツをしている子どもの疲労度が53.2%に対し、していない子どもは19.4%と、2.74倍もの開きがありました。中学生になるとスポーツをしている子どもの疲労度は70.6%まで上昇し、高校生では74.4%に達しています。一方で、スポーツをしていない子どもも中学生で59.3%、高校生で54.3%と高い疲労度を示しており、これは運動と学業の両立による負担に加え、受験勉強などの学業負担の増加が全体的な疲労度の上昇に影響している可能性を示唆しています。

図表3:疲れている人の割合(スポーツの実践の有無比較、単位:%)

■スポーツを行っている中高生は、高い睡眠時間を確保している

平日の睡眠時間は、年齢が上がるにつれて睡眠時間が短くなり、中学生では8時間以上9時間未満の睡眠が51.0%と最多となり、高校生になると7時間未満の睡眠が18.7%(6時間未満4.6%、7時間未満14.1%)を占めています。特に高校生では8時間未満の睡眠が55.8%に達しており、この結果は、部活動や学業の両立による時間的制約が、睡眠時間の確保を困難にしている実態を示唆しています。

図表4:睡眠時間(単位:%)

スポーツ活動の有無による8時間以上の睡眠時間の比較分析を行いました。小学生までは、スポーツの有無による大きな差は見られず、特に低学年では両者とも95%以上が8時間以上の睡眠を確保しています。しかし、中学生になると明確な差が生じ、スポーツをしている生徒の78.9%に対し、していない生徒は57.1%と21.8ポイントの開きが出ています。高校生では全体的に睡眠時間は減少するものの、スポーツをしている生徒(45.4%)の方が、していない生徒(34.9%)より依然として高い睡眠確保率を維持しています。この結果は、スポーツ活動が規則正しい生活習慣の形成に寄与している可能性を示唆しています。

図表5:睡眠時間8時間以上の割合(スポーツの実践の有無比較、単位:%)

■スポーツ活動場所への移動時間、年齢とともに長距離化が明らかに

スポーツ活動の移動時間を分析したところ、幼稚園児では71.9%が10分以内と近距離での活動が主流である一方、小学生では学年が上がるにつれて11~30分の移動が増加し、中学年で38.8%、高学年で39.7%となっています。中学生になると移動時間の分散が顕著となり、1時間以上の長距離移動も26.5%(1~2時間が20.1%、2時間以上が6.4%)に達します。高校生では10分以内の近距離活動が45.8%と再び増加するものの、2時間以上の長距離移動も7.1%存在し、活動場所の選択に二極化の傾向が見られます。

図表6:スポーツ活動場所への往復移動時間(単位:%)

■下肢の怪我が特に多く、予防的ケアが重要に

スポーツ活動中の子どもの怪我について、最も多い部位は膝(26.0%)と足首(22.7%)で、下肢の怪我が顕著です。続いて手・手首(11.7%)、すね(10.5%)、ふくらはぎ(8.0%)と続きます。特徴的なのは、下半身の怪我が上半身と比べて明らかに多いことで、股関節まわりから足の裏まで含めると全体の約70%を占めています。一方で、上半身の怪我は肘・腕まわり(4.2%)や肩まわり(2.1%)など比較的少数です。

図表7:よく怪我をする部位(複数回答、単位:%)

■保護者の主要な悩み、学業との両立と基本的生活習慣の確保が最大の課題

スポーツをする子どもを持つ保護者の最大の懸念は、勉強時間の確保(38.2%)と睡眠時間の確保(35.3%)という基本的な生活習慣に関する事項です。これに続く悩みとして、身体的な成長に関する不安が目立ち、身長が伸びない(18.3%)という懸念が上位に挙がっています。また、自主練習をしない(17.8%)やスマホの使用時間(17.8%)といった生活態度に関する問題、月謝や活動費の捻出(17.1%)という経済的な課題も大きな比重を占めています。さらに、栄養面での課題も顕著で、食事の好き嫌いによる栄養の偏り(13.9%)や食事量の不足(13.1%)が指摘されています。

図表8:スポーツ活動をする上での保護者の悩み(複数回答、単位:%)

【ジュニアリカバリー調査概要】

期間: 2025年 3月31日~4月10日

方法: インターネット調査

調査対象: スクール運営のDXプラットフォーム「Sgrum(スグラム)」に登録の保護者

回答対象サンプル:幼稚園221人、小学生(低)424人、小学生(中)556人、小学生(高)635人、中学生652人、高校生168人

※本調査協力の「Sgrum(スグラム)」について

株式会社ユーフォリアが展開する「Sgrum(スグラム)」アプリは、スポーツ団体や習い事教室、自治体や総合型地域スポーツセンター(部活動の地域展開)などを中心に約2,000加盟店(2024年11月時点)に利用されているスクール・部活動のためのです。国内の40以上のプロスポーツ団体のスクールやアカデミーが指導者と保護者を繋ぐアプリとして活用されています。会員との連絡網機能を基盤に、月謝徴収ができる「オンライン決済(クレジットカード・コンビニ支払い)」サービス、チーム内でグッズやユニフォームの販売管理ができる「物販機能」など、スクール運営に必要なサービスがアプリを通じて提供されています。

詳細はこちら:


【育成年代アスリートの保護者向けオンラインセミナー】

~夏の疲れ、パフォーマンスに直結~

「保護者が知っておくべき 体のケア方法!」開催

■開催概要

・開催日時:2025年7月17日(木)19:00〜20:00

・参加費:無料

・開催形式:Zoomウェビナー

・お申し込み方法 以下のURLからご登録後、Zoomの情報をお送りいたします。

https://service.sgrum.com/events/20250717

【株式会社ベネクスについて】

健康のための3大要素「運動」「栄養」「休養」の中で、パフォーマンスを向上させるために必要な「休養」に着目。主力商品である休養時専用ウェアをはじめとするリカバリーサポート商品の開発、製造、販売、およびリカバリーに関する研究、啓発活動、サービス、開発などを行っています。創業は「床ずれ予防マットレス」を開発、販売する介護用品メーカーとしてスタート。現在は、休養学に基づいたリカバリーに関わる商品開発を行っています。

「ヒトが本来持っている自己回復力を最大限に発揮させること」をコンセプトに、東海大学、神奈川県、当社との産学公連携事業により誕生したウェアは、エビデンス(科学的根拠)の取得や安全性を重視した開発を行い、「休養時専用ウェア」として2010年2月の発売以降、疲労回復や安眠のサポートを目的として日本代表選手らスポーツ関係者はじめ多くの方に愛用されています。現在は、豊富な商品展開を行い、全国の主要百貨店やオンラインショップで販売。これまでにシリーズ累計210万着(2025年5月初旬時点)の販売実績を記録するヒット商品となっています。

所在地:〒243-0018 神奈川県厚木市中町4-4-13 浅岡ビル4階

設立:2005年9月30日

代表:代表取締役 中村 太一

電話:046-200-9288

事業内容:リカバリーサポート商品の開発、製造、販売

リカバリーに関する研究、啓発活動、サービス、開発など

URL:https://www.venex-j.co.jp/

【一般社団法人日本リカバリー協会 概要】

所在地:神奈川県厚木市中町4-4-13 浅岡ビル4階

会 長:渡辺恭良(神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科特命教授、理化学研究所名誉研究員、大阪公立大学健康科学イノベーションセンター顧問、大阪市立大学名誉教授、一般社団法人日本疲労学会 理事長、般社団法人脳体力振興協会理事長、Integrated Health Science株式会社 代表取締役CEO)

副会長:水野敬(神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 特命教授、大阪公立大学健康科学イノベーションセンター 特任教授/副所長、一般社団法人日本疲労学会 理事/事務局長)

顧 問:大谷泰夫(神奈川県立保健福祉大学 理事長、元内閣官房参与)

松木秀明(東海大学 名誉教授、健康評価施設査定機構 理事)

田爪正気(東海大学 健康科学部元教授)

代表理事:片野秀樹 博士(医学)(博慈会老人病研究所客員研究員、Genki Vital Academy 顧問)

提携:ゲンキ・バイタルアカデミー(ドイツ)

URL:https://www.recovery.or.jp/


【リカバリーの定義】

心身の活動能力の減退した機能を回復し、休養をもって生理的・心理的資本である活力を蓄えて次に備えることである。

<報道関係者お問い合わせ先>

一般社団法人日本リカバリー協会

メール:info@recovery.or.jp

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会社概要

URL
https://www.recovery.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
神奈川県厚木市中町4-4-13 浅岡ビル4F
電話番号
070-1389-0172
代表者名
片野秀樹
上場
未上場
資本金
-
設立
2015年07月