地中海を渡ったシリア難民の子どもたちが描いた絵を公開ーPTSD専門家による分析も
子ども支援国際NGOセーブ・ザ・チルドレン
子どもたちによる絵はこちらでご覧いただけます。
http://storycentral.savethechildren.org.uk/?c=30299&k=beb5ae8aa2
北欧諸国を目指すシリア難民の家族が多く集うミラノのセントラル駅で子どもたちに描いてもらった絵は、「紛争」「旅路」「経験したこと」「人物像」「シンボル」の5つのカテゴリーに分けられ、the Italian Society for the Study of Traumatic Stressの代表でPTSDの専門家であるVittoria Ardinoによる分析が行われました。
分析の結果、子どもたちが抱えている問題に、①安定感の欠如 ②教育機会の欠如 ③トラウマを引き起こしてもおかしくないような出来事に晒されたことによる不安感、の3つの要素が含まれていることが浮き彫りになりました。
分析を行ったVittoria Ardinoは「子どもたちの絵からは、彼らが経験した出来事や苦しみと同時に、故郷をどのように見ているのかも分かりました。故郷のシリアを紛争が起きている悲惨な場所としてではなく、水と緑があふれた平和な場所として描く子どもたちがいました。それはまるで、調和のとれた生活が何にも妨害されず、かつての平和だった状態に戻りたい、という願いの中で留まっているようです。多くの子どもたちが不安や恐れを描いていますが、未来への希望を感じさせる部分や、これまでに受けた支援に対する感謝を描く子どもたちがいたことも特筆すべきです」と説明します。
シリア紛争は5年目に突入し、国外へ逃れたシリア難民の数は間もなく400万人(内52.1%は18歳未満の子ども)に達しようとしています*1。今年の1月1日から6月8日までに地中海を渡ってイタリアに到着した5万3,969人のうち、5,034人が子どもですが、そのおよそ半数の3,292人は保護者がいませんでした。
*1: 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、シリア難民の数は、2015年末には427万人に達すると予測されています。シリアの国内避難民の数は760万人。
<セーブ・ザ・チルドレンのイタリアにおける地中海難民への支援活動>
セーブ・ザ・チルドレンは、2008年からシチリア島、ランペドゥーサ島、プッリャ州、カラブリア州で、地中海を渡ってきた難民の子どもたちに対する法的な情報の提供、難民シェルターの受け入れ状況のモニタリング、保護が必要な子どもを適切な公的機関につなげる支援を実施してきました。また、ローマとミラノでは、シャワー施設、衣服、食事などの提供に加え、医療サービス、法的アドバイス、家族と連絡をとるための支援、そして子どもたちへのレクリエーションや教育の機会を提供しています。
<セーブ・ザ・チルドレン、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン概要>
1919年に英国にて設立。子ども支援の世界的リーダーとして、世界30カ国の独立したセーブ・ザ・チルドレンがパートナーシップを結び、現在約120の国で、すべての子どもにとって「生きる・育つ・守られる・参加する」子どもの権利が実現されている世界を目指して活動する国際NGO。国連の経済社会理事会(ECOSOC)の最高資格である総合諮問資格(General Consultative Status)を取得しています。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは日本のパートナーとして1986年に設立。http://www.savechildren.or.jp
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