FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館 企画写真展「100年前にカワセミを撮った男・下村兼史-日本最初の野鳥生態写真家-」開催のお知らせ
FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)写真歴史博物館では、2020年7月1日(水)から9月30日(水)まで、日本最初の野鳥生態写真家・下村兼史の作品展を開催いたします。
およそ100年前、日本で初めて野鳥の撮影に成功した男がいました。その名は下村兼史。下村は日本における野鳥を主とした生物写真の先駆者であり、日本最初の野鳥生態写真家です。野生生物を写真で記録する者の少なかった1920年代から30年代、下村は、北は北千島から南は奄美大島、小笠原諸島を歴訪し、里山、離島、原野など、今日では変貌がいちじるしい自然環境と、自然にあるがままの野生生物の姿を写真で記録しました。
下村は1903年、佐賀県の裕福な家に生まれました。1920年に慶應義塾大学文学部予科に入学したものの、病気のために翌年中退。やむなく佐賀に帰郷しますが、ここから下村の写真への道が始まりました。もともと野鳥が好きだった下村は、1922年、試行錯誤の末、自邸の庭で初めて野鳥の撮影に成功します。木の枝にとまるカワセミの姿をとどめたその写真は、日本野鳥生態写真史において記念すべき歴史的な一枚となりました。そして、下村はその後も次々と野鳥の撮影を成功させていきました。過酷な撮影条件のもと、現代から見れば性能の劣る撮影機材や感光材料を用いて生み出された下村の写真は、時に詩情にあふれ、時に科学者の眼を感じさせます。研ぎ澄まされた美意識と感性でとらえられた野鳥の写真は、野鳥の生態を知り尽くした下村の卓越した撮影技術と芸術的センスの賜物でした。下村の活動は写真以外にも、鳥類図鑑や紀行エッセーの執筆、自然科学ドキュメンタリー映画の制作など多岐にわたり、さまざまな分野を通じて野鳥や自然への関心を一般に広めました。また、これらの仕事は日本の野鳥生態写真史の黎明期において多くの同輩、後進に影響を与え、野外鳥類学の研究発展にも大きく貢献しました。
本展は、公益財団法人 山階鳥類研究所の協力を得て、同研究所が所蔵する下村兼史のオリジナル・プリントを中心に約60点の作品を展示いたします。同研究所では下村の没後、遺族により寄贈された1万点を超える下村の写真資料が保管されており、現在も整理保存と調査研究が進められています。時代の変遷とともに下村は一部の人々にのみ知られる存在となっていましたが、2018年に東京で開催された初の本格的な展覧会は各方面で話題となり、大きな反響を呼びました。本展では、新たに歴史的、作品的価値という視点から下村の作品群を再構成してご紹介します。下村の自然を愛する心、野鳥の一瞬をとらえようとする飽くなき情熱から生まれた傑作の数々は、便利さや手軽さと引き換えに失われてしまった写真表現の美しさをたたえ、現代に生きる私たちにその魅力を改めて気づかせてくれるものです。
日本最初の野鳥生態写真家・下村兼史。その卓越した撮影技術と、美しい野鳥生態写真の世界をどうぞご堪能ください。
●下村兼史(しもむら・けんじ/1903–1967)
1903年、佐賀県佐賀市水ヶ江町に生まれる。本名・兼二。後に兼史と改名。1920年、慶應義塾大学文学部予科に入学。翌年、病気のため中退し帰郷。1922年、日本の野鳥生態写真の原初となるカワセミを撮る。1928年、鹿児島県荒崎の鶴類の写真集一冊が昭和天皇へ献上される。1930-1939年、農林省鳥獣調査室に勤務。日本全国各地を歴訪し、主に天然記念物の鳥や希少種などを撮影。1935年、英国での万国自然写真博覧会に出展した作品が国際的な評価を受ける。1939年以降は映画界に転身し、監督、演出・脚本家として活躍。傍ら野鳥観察紀行、鳥類図鑑などを多数執筆。1967年、生物記録映画や鳥学への永年の貢献が評価され、第22回毎日映画コンクールにおいて特別賞を受賞。同年4月27日に逝去。享年64。2018年、初の本格的な展覧会「-下村兼史 生誕115周年- 100年前にカワセミを撮った男・写真展」(東京・有楽町朝日ギャラリー)が開催された。
記
企画展名:
FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館 企画写真展
「100年前にカワセミを撮った男・下村兼史 -日本最初の野鳥生態写真家-」
開催期間:
2020年7月1日(水)–9月30日(水)
10:00–19:00(入場は閉館10分前まで・最終日は16:00まで) 会期中無休
※ 最終日は16時までに変更となりました。ご注意ください。
TEL 03-6271-3350 URL http://fujifilmsquare.jp/
作品点数:約60点(予定)
入場料:無料
※ 企業メセナとして実施しており、より多くの方に楽しんでいただくために入場無料にしております。
主催:富士フイルム株式会社
特別協力:公益財団法人 山階鳥類研究所
協力:公益財団法人 日本野鳥の会、有限会社バード・フォト・アーカイブス
監修:公益財団法人 山階鳥類研究所
後援:港区教育委員会
企画:フォトクラシック
【写真展関連プログラム】
本写真展を記念して、特別ゲストへのインタビュー記事を公開いたします。
8月上旬以降、順次、本ホームページに掲載予定です。
第1弾 「下村兼史の人と作品を語る」(仮)
・ ゲスト:平岡 考氏(公益財団法人 山階鳥類研究所・広報コミュニケーションディレクター)
第2弾「野鳥に気づいて、命のドラマを知ろう」(仮)
・ ゲスト:安西英明氏(公益財団法人 日本野鳥の会・主席研究員)
※ 下村兼史監督の映画作品『或日の干潟』(1940年/18分/白黒、制作 : 理研科学映画)の上映は、今後の状況を見極めた上で、8月上旬にフジフイルム スクエア公式ホームページにてご案内いたします。
【関連書籍刊行のご案内】
『100年前にカワセミを撮った男・下村兼史の本』
本展開催に際し、ビジュアルブック『100年前にカワセミを撮った男・下村兼史の本』(フォトクラシック、2020年)が刊行されました。2018年に開催された下村の展覧会(主催:公益財団法人 山階鳥類研究所)のパネル展示を再編集。豊富な写真とイラスト、短くわかりやすい文章で、知られざる写真家・下村兼史の生涯と功績がひと目でわかります。自然科学、写真、芸術、人物伝。一冊の本でさまざまな世界に触れ、視覚的、感覚的に学べる、新しいビジュアルブックです。
発行:フォトクラシック
定価:本体2,500円+税
編者:大澤友貴(フォトクラシック)
下村は1903年、佐賀県の裕福な家に生まれました。1920年に慶應義塾大学文学部予科に入学したものの、病気のために翌年中退。やむなく佐賀に帰郷しますが、ここから下村の写真への道が始まりました。もともと野鳥が好きだった下村は、1922年、試行錯誤の末、自邸の庭で初めて野鳥の撮影に成功します。木の枝にとまるカワセミの姿をとどめたその写真は、日本野鳥生態写真史において記念すべき歴史的な一枚となりました。そして、下村はその後も次々と野鳥の撮影を成功させていきました。過酷な撮影条件のもと、現代から見れば性能の劣る撮影機材や感光材料を用いて生み出された下村の写真は、時に詩情にあふれ、時に科学者の眼を感じさせます。研ぎ澄まされた美意識と感性でとらえられた野鳥の写真は、野鳥の生態を知り尽くした下村の卓越した撮影技術と芸術的センスの賜物でした。下村の活動は写真以外にも、鳥類図鑑や紀行エッセーの執筆、自然科学ドキュメンタリー映画の制作など多岐にわたり、さまざまな分野を通じて野鳥や自然への関心を一般に広めました。また、これらの仕事は日本の野鳥生態写真史の黎明期において多くの同輩、後進に影響を与え、野外鳥類学の研究発展にも大きく貢献しました。
本展は、公益財団法人 山階鳥類研究所の協力を得て、同研究所が所蔵する下村兼史のオリジナル・プリントを中心に約60点の作品を展示いたします。同研究所では下村の没後、遺族により寄贈された1万点を超える下村の写真資料が保管されており、現在も整理保存と調査研究が進められています。時代の変遷とともに下村は一部の人々にのみ知られる存在となっていましたが、2018年に東京で開催された初の本格的な展覧会は各方面で話題となり、大きな反響を呼びました。本展では、新たに歴史的、作品的価値という視点から下村の作品群を再構成してご紹介します。下村の自然を愛する心、野鳥の一瞬をとらえようとする飽くなき情熱から生まれた傑作の数々は、便利さや手軽さと引き換えに失われてしまった写真表現の美しさをたたえ、現代に生きる私たちにその魅力を改めて気づかせてくれるものです。
日本最初の野鳥生態写真家・下村兼史。その卓越した撮影技術と、美しい野鳥生態写真の世界をどうぞご堪能ください。
●下村兼史(しもむら・けんじ/1903–1967)
1903年、佐賀県佐賀市水ヶ江町に生まれる。本名・兼二。後に兼史と改名。1920年、慶應義塾大学文学部予科に入学。翌年、病気のため中退し帰郷。1922年、日本の野鳥生態写真の原初となるカワセミを撮る。1928年、鹿児島県荒崎の鶴類の写真集一冊が昭和天皇へ献上される。1930-1939年、農林省鳥獣調査室に勤務。日本全国各地を歴訪し、主に天然記念物の鳥や希少種などを撮影。1935年、英国での万国自然写真博覧会に出展した作品が国際的な評価を受ける。1939年以降は映画界に転身し、監督、演出・脚本家として活躍。傍ら野鳥観察紀行、鳥類図鑑などを多数執筆。1967年、生物記録映画や鳥学への永年の貢献が評価され、第22回毎日映画コンクールにおいて特別賞を受賞。同年4月27日に逝去。享年64。2018年、初の本格的な展覧会「-下村兼史 生誕115周年- 100年前にカワセミを撮った男・写真展」(東京・有楽町朝日ギャラリー)が開催された。
記
企画展名:
FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館 企画写真展
「100年前にカワセミを撮った男・下村兼史 -日本最初の野鳥生態写真家-」
開催期間:
2020年7月1日(水)–9月30日(水)
10:00–19:00(入場は閉館10分前まで・最終日は16:00まで) 会期中無休
※ 最終日は16時までに変更となりました。ご注意ください。
本写真展は、新型コロナウイルス感染症対策による臨時休館のため、会期を変更いたしました。また当初予定しておりました館内併催イベントは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、中止とさせていただき、新たに下記関連プログラムをご案内させていただきます。なお、今後の状況の変化により写真展・イベントは再度中止・変更の可能性もありますので、予めご了承ください。 |
会場:
FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア) 写真歴史博物館
TEL 03-6271-3350 URL http://fujifilmsquare.jp/
作品点数:約60点(予定)
入場料:無料
※ 企業メセナとして実施しており、より多くの方に楽しんでいただくために入場無料にしております。
主催:富士フイルム株式会社
特別協力:公益財団法人 山階鳥類研究所
協力:公益財団法人 日本野鳥の会、有限会社バード・フォト・アーカイブス
監修:公益財団法人 山階鳥類研究所
後援:港区教育委員会
企画:フォトクラシック
【写真展関連プログラム】
本写真展を記念して、特別ゲストへのインタビュー記事を公開いたします。
8月上旬以降、順次、本ホームページに掲載予定です。
第1弾 「下村兼史の人と作品を語る」(仮)
・ ゲスト:平岡 考氏(公益財団法人 山階鳥類研究所・広報コミュニケーションディレクター)
第2弾「野鳥に気づいて、命のドラマを知ろう」(仮)
・ ゲスト:安西英明氏(公益財団法人 日本野鳥の会・主席研究員)
※ 下村兼史監督の映画作品『或日の干潟』(1940年/18分/白黒、制作 : 理研科学映画)の上映は、今後の状況を見極めた上で、8月上旬にフジフイルム スクエア公式ホームページにてご案内いたします。
【関連書籍刊行のご案内】
『100年前にカワセミを撮った男・下村兼史の本』
本展開催に際し、ビジュアルブック『100年前にカワセミを撮った男・下村兼史の本』(フォトクラシック、2020年)が刊行されました。2018年に開催された下村の展覧会(主催:公益財団法人 山階鳥類研究所)のパネル展示を再編集。豊富な写真とイラスト、短くわかりやすい文章で、知られざる写真家・下村兼史の生涯と功績がひと目でわかります。自然科学、写真、芸術、人物伝。一冊の本でさまざまな世界に触れ、視覚的、感覚的に学べる、新しいビジュアルブックです。
発行:フォトクラシック
定価:本体2,500円+税
編者:大澤友貴(フォトクラシック)
写真を中心とする富士フイルムのフォトギャラリー&ショップ。入館無料で、どなたでもお気軽にご覧いただけます。クオリティの高いさまざまなジャンルの写真を展示する富士フイルムフォトサロン、写真とカメラの歴史を学べる写真歴史博物館のほか、最新の富士フイルム製品をご体験いただけるコーナー、さらには、スキンケア・サプリメント商品の販売を行うショップもあり、幅広い層の方にお楽しみいただける施設です。年中無休(年末年始を除く)、入場無料。
写真歴史博物館は、公益社団法人企業メセナ協議会より芸術・文化振興による豊かな社会づくりの取り組みとして認定されました。
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