「第40回 寺田寅彦記念賞」が発表! 自然科学の不思議を詩情溢れる文章で綴った『銀河の片隅で科学夜話』(著・全卓樹)が受賞作品に

株式会社朝日出版社

昨年2月の発売以来、自然科学・文芸評論・ノンフィクションなど幅広い分野で絶賛されている『銀河の片隅で科学夜話』が「第40回 寺田寅彦記念賞」を受賞しました。


2月4日、公益財団法人 高知県文教協会が主催する「第40回 寺田寅彦記念賞」の受賞作品が発表され、弊社刊行の『銀河の片隅で科学夜話』(著・全卓樹(高知工科大学教授))が受賞しました

同賞は、高知県在住の個人・団体、出版社又は高知県出身者が発表した作品(印刷物)を対象とするもので、「①寺田寅彦に関係した作品」もしくは「②自然科学を対象とした研究・ 随筆」が対象となり、本書は話題の幅広さと科学を背景とした語りの巧みさが寺田寅彦の作品に通じる点が評価され、受賞の運びとなりました。


■寺田寅彦記念賞とは
「高知県にゆかりのある方による寺田寅彦に関する作品、自然科学を対象とした研究または随筆を対象」とするもので、文学的研究、地学・天文学、海洋学や環境生態学に関係した科学的研究および随筆、寅彦の遺品資料による研究や随想、肉親による追想といった作品がこれまでに受賞しています。

■受賞理由
「ブラックホールから蟻、蝶、数理物理、倫理学まで多岐にわたる内容が全部で22話。それぞれ1話独立、15分ないし20分で読める長さになっていて、それぞれの話はウィットに富み、驚きがともなっています。家庭ですごす時間が多くなっている昨今、短時間の気分転換としても気軽に読むことができ、さらに読後もしばらく思索の世界に誘われるものと思われます。
自然科学だけでなく、最近の私たちが悩む、多様な構成員をもつ社会全体としての意思決定や、自動運転における責任の所在など、これからの社会のしくみにかかわる、いわゆる理系と文系が重なり合うような話にも引き込まれます。
話題の幅広さと、科学を背景とした語りの巧みさ、これは寺田寅彦の作品に通じると言ってよいでしょう。装丁も美しく、挿絵とあいまって、洗練された雰囲気を醸し出しています。自然科学を対象とした研究・随筆としてきわめて高く評価でき、若者たちにも勧めたい一冊です。」(大村誠選考委員長)

■寺田 寅彦
1878年‐1935年。東京生まれ(高知県出身)。熊本の五校で夏目漱石に英語を習う。東大物理学科を卒業し、ヨーロッパ留学後、東大教授。理化学研究所、東大地震研究所の研究員としても活躍。物理学者であり、俳人、随筆家。物理学者としては、初期にX線に関する研究を行い、学士院恩賜賞受賞。文学者としては主に随筆を執筆。

■関連リンク
ちなみに昨年、同書が「八重洲本大賞」を受賞した際に行われた全卓樹氏とドミニク・チェン氏の記念対談では、物理学者の書くエッセイについての話題で寺田寅彦について語る場面も。ぜひ併せてご覧ください。
前編:https://kangaeruhito.jp/interview/37260
後編:https://kangaeruhito.jp/interview/37266



【書誌情報】


『銀河の片隅で科学夜話』
◎ISBN:978-4-25501167-7
◎Cコード:C0095
◎判型:四六判変型 /並製
◎ページ数:192
◎定価:本体1,600円+税
◎URL:https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255011677/?uiaid=prt
◎刊行:2020年2月19日発売(発売中)

【著者】
全卓樹(ぜん・たくじゅ)
京都生まれの東京育ち、米国ワシントンが第三の故郷。東京大学理学部物理学科卒、東京大学理学系大学院物理学専攻博士課程修了、博士論文は原子核反応の微視的理論についての研究。専攻は量子力学、数理物理学、社会物理学。量子グラフ理論本舗/新奇量子ホロノミ理論本家。ジョージア大、メリランド大、法政大等を経て、現在高知工科大学理論物理学教授。著書に『エキゾティックな量子――不可思議だけど意外に近しい量子のお話』(東京大学出版会)などがある。

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URL
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業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区西神田3-3-5 朝日出版社
電話番号
03-3263-3321
代表者名
小川洋一郎
上場
未上場
資本金
1600万円
設立
1962年06月