【学会発表】「老い」と向き合う研究から見えてきた新たな可能性。ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液の抗炎症・色素沈着抑制作用を報告。
ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液が示した、肌本来の可能性に着目した新たな知見。炎症反応や色素沈着プロセスへの作用報告。【第125回日本皮膚科学会総会】【第26回日本抗加齢医学会総会】

年齢を重ねることへの不安や、あふれる美容情報に迷う現代において、本当に求められているのは、一時的な対処ではなく、未来の美しさへの確かな可能性です。株式会社エテルナム(本社:東京都渋谷区、代表取締役:松本隆明)は、化粧品原料メーカーである株式会社テクノーブル(本社:大阪府、代表取締役社長:澤木茂豊)との共同研究において、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液が、肌老化の要因の一つとされる炎症反応および色素沈着プロセスに対して作用する可能性を確認しました。
本研究成果を2026年6月11日(木)~6月14日(日)に開催された、第125回日本皮膚科学会総会、2026年6月26日(金)~6月28日(日)に開催された、第26回日本抗加齢医学会総会にて発表いたしました。
演題名:『ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液の皮膚科学的機能性の検討3』 番号:P1-17 (日本皮膚科学会版)
演題名:『ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液の皮膚科学的機能性の検討3』 番号:P13-1 (抗加齢医学会版)
研究背景・目的
近年注目されているヒト幹細胞の培養上清液は、細胞由来のサイトカイン類やエクソソームを含み、皮膚への高い機能性が期待されることから、皮膚科学的な機能性の検討が行われています。
弊社グループでは、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞(UCMSCs)の効率的な培養方法を検討した結果、他由来の幹細胞培養上清よりも多くのサイトカインを含有するヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液の開発に成功し、その皮膚科学的機能について研究を行い、新たな知見が得られたので報告しました。
研究内容・結果
〇ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液の抗炎症効果について
プロスタグランジンE₂(炎症性物質)の発生抑制
<研究内容>
ヒト表皮細胞に試料(ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液)を添加し、さらに1日間培養を行った。その後、培養器底面からUV-Bを照射し、さらに培養を継続した。1日間培養した上清を回収して、Prostaglandin E2 ELISA Kit-Monoclonaのプロトコルに従いプロスタグランジンE2を測定しました。

<研究結果>
6.25%、12.5%のヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液でプロスタグランジンE2の発生抑制効果を有意に発揮しました。
NLRP3インフラマソームの形成阻害
<研究内容>
ヒト表皮細胞に試料(ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液)を添加し、1日間培養を行った。その後、培養器底面からUV-Bを照射し、さらに4時間培養を継続しました。その細胞に対し、FAM-FLICA Caspase-1 Assayを用いてインフラマソーム形成によるカスパーゼ1の活性を評価しました。その後、Hoechst33342によるDNA染色を行い、蛍光強度(Ex=355nm、Em=460nm)を測定し、FLICAの蛍光強度をDNAの蛍光強度で割ることで、DNA当たりのカスパーゼ1活性(インフラマソーム形成)を求めました。


<研究結果>
3.13%~25%の上清液でNLRP3インフラマソームの活性抑制効果を有意に発揮した。
また、実際の蛍光観察画像でも優位にカスパーゼ1活性の抑制が確認できました。
表皮細胞膜過酸化抑制
<研究内容>
ヒト表皮細胞に試料(ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養液)を添加して2日間培養し、HBSSに置換した後にUV-Bを照射しました。1μMとなるようにLiperFluoをHBSSに溶解させて30分間染色しました。HBSSで2回洗浄し、蛍光プレートリーダーで蛍光強度を計測してグラフ化しました。
<研究結果>
25%のヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養液で有意に表皮細胞膜の過酸化抑制効果を発揮しました。

ヒト好塩基球脱顆粒抑制
<研究内容>
ヒト好塩基球に緩衝液で調整した各濃度の試料溶液(ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液)を添加しました。その上からcompound 48/80含有緩衝液を添加し、脱顆粒の誘導を行いました。1時間誘導後、上清を回収し、フタルアルデヒドを用いたヒスタミンの蛍光測定を行いました。一方細胞に対してはMTT還元法による呼吸活性を測定し、細胞の生存率を評価しました。

<研究結果>
細胞の呼吸活性(生存率)は25%のヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養液で有意に上昇しました。
ヒスタミンの遊離量は濃度依存的にヒト好塩基球脱顆粒抑制効果を発揮し、3.13%以上の濃度で有意に抑制しました。
〇ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液の抗炎症効果について
メラノソームの成熟、輸送関連タンパク質の生成抑制
<研究内容>
ヒトメラノサイトに試料(ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養液)を添加し、さらに24時間培養を行いました。その後ISOGENII試薬で溶解・回収しました。常法によりtotalRNAを回収し、さらに逆転写反応によってcDNAを合成しました。合成したcDNAをサンプルとして、qPCRを行い、各種遺伝子の発現と、内部標準ACTB遺伝子の発現の検出を行いました。

<研究結果>
ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養液はヒトメラノサイトのメラノソームにおける成熟・輸送関連タンパク質 PMEL、RAB32、RAB38、 ANKR27の発現抑制が濃度依存的に確認され、12.5%以上で有意な減少が確認されました。
これらの結果から、メラノソームの受け渡しを阻害している可能性が示唆されました。

メラノソーム輸送阻害の観察(表皮細胞-メラノサイト共培養観察)
<研究内容>
ヒトメラノサイトとヒト表皮細胞の共培養系に試料(ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液)を添加し、72時間培養を行いました。その後PBS(-)で1回洗浄を行った後、15%中性ホルマリン液で30分間浸漬し、固定処理を行いました。精製水で洗浄を行った後、フォンタナアンモニア銀溶液を添加し、60℃で2時間反応させ、顕微鏡観察を行いました。

<研究結果>
培養器底面を覆っている表皮細胞とその上に濃く染まるメラノサイトが観察されました。表皮細胞のうち、黒く濃く染まっているものは、メラノサイトからメラニンを取り込んだ細胞と考えられ、そのような細胞はコントロール区に多く確認され、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液添加の表皮細胞には少なくなっていく様子が見られました。また、メラノサイト自身も、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液添加細胞では、染色性が薄くなっていく様子が確認されました。これらの事象から、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養液はメラノソームの成熟および輸送の抑制効果があることが示唆されました。
まとめと展望
独自のヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液について、炎症及び色素沈着に関する機能性について評価を行った結果、ヒト正常表皮細胞における、紫外線照射によるプロスタグランジンE2の誘導、NLRP3インフラマソームの形成、細胞膜の過酸化、ヒト好塩基球脱顆粒に対して抑制効果が確認されました。また、ヒト正常メラノサイトのメラノソーム関連タンパク質(PMEL、RAB32、RAB38、ANKR27)の発現抑制が確認され、さらに表皮細胞とメラノサイトの共培養系において、メラノソームの受け渡しを阻害している可能性が示唆されました。これらの結果から、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養液には、様々なルートで炎症を抑えることで肌の赤みやかゆみ、シワなどの肌老化に寄与できる他、色素沈着も抑え、肌を明るく導く可能性があることを見出しました。
これらの結果は、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液が、皮膚の恒常性維持にとどまらず、加齢や紫外線、摩擦などの外的刺激によって起きてくる肌のサインに対し、本来備わる健やかな働きを支える可能性を示唆するものです。また、皮膚のコンディション維持や組織の再生メカニズムに関する研究領域においても、新たな知見となることが期待されます。
エテルナムは今後も、再生医療研究グループとして培ってきた知見を基盤に、皮膚科学および再生医療研究の発展に貢献するとともに、『時のない肌』の実現を目指して今後も研究を進めていきたいと考えております。
エテルナムについて

■Eternamブランド
「エテルナム」それは、再生医療研究から生まれたスキンケアブランド。LIPセラムをはじめ、医療機関専売のスキンケア、一般消費者向けのスキンケア等を展開しています。「エテルナム」はラテン語で「永遠」を意味し、希少価値の高い臍帯由来間葉系幹細胞を独自に培養した上清液で、これまでにない美を届けます。心の奥に宿る「永遠の美」への憧れに、贈るもの。 想いに寄り添い、進み続ける自信をくれるもの。エテルナムはそんなブランドでありたいと考えます。
会社概要
社名 :株式会社エテルナム
本社所在地 :東京都渋谷区恵比寿1-21-17-7F
代表取締役 :松本隆明
事業内容 :化粧品製造販売
創業 :2023年7月3日
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