東京・銀座の「老舗・新興百貨店」は外国人観光客をどう取り込んでいる?人流データ「インバウンドアナリティクス+」を用いて分析

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皆さん、こんにちは!訪日インバウンドの流れや傾向を追いかけているunbotの編集部です。前回は2025年始の訪日外客数(日本政府観光局調べ)が大幅に前年同月比を上回り、過去最高を更新し続けていることに触れました。では、この訪日外国人観光客の方々はどのくらい日本で消費をしているのか調査した結果を解説します。


▼目次

01. 2025年1-3月期「旅行消費額」は前年同期比28.4%増と堅調!

02.老舗・新興百貨店ごとの特徴は…?

03.マーケティングのDXや効果的なデータ活用へ


01.  2025年1-3月期「旅行消費額」は前年同期比28.4%増と堅調!

国土交通省・観光庁がまとめた2025年1-3月期の「インバウンド消費動向調査」が発表されています。これによると訪日外国人旅行消費額は同期で2兆2,720億円。前年同期比28.4%の大幅増となりました。

 

 内訳の国籍・地域別を見ていくと、中国が5,443億円(構成比24.0%)と最も大きく、次いで台湾3,168億円(同13.9%)、韓国2,824億円(同12.4%)、米国2,188億円(同9.6%)、香港1,534億円(同6.8%)の順となっています。

▲【インバウンド消費動向調査】観光庁2025年1-3月期の調査結果(1次速報)の概要より

ビザ解禁直後の富裕層からマス層に訪日客層が広がりを見せる中、一人当たりの旅行支出でみると25万6,229円/1人(前年同期比▲13.7%)と減少しましたが、買物代の消費額ではコロナ以前から購買力のある中国の強さが依然として際立っています。

他方で、ウインターシーズンのためかオーストラリア(36万6,640円/1人、前年同期比-0.1%)の堅調さや、カナダ(31万7,214円/1人、前年同期比+26.6%)、タイ(20万7,073円/1人、前年同期比+16.8%)、台湾(19万8,855円/1人、前年同期比+10.5%)といった国々の伸びが目立ちます。

 

▲【インバウンド消費動向調査】観光庁2025年1-3月期の調査結果(1次速報)の概要より

02.  老舗・新興百貨店ごとの特徴は…?

では、実際の人流はどのようになっていたのでしょうか。2025年3月より提供を開始した、世界42億のスマホIDを活用した訪日外国人人流データ分析システム「インバウンドアナリティクス+(プラス)」で見てみましょう。

 

「インバウンドアナリティクス+」では、ユーザーが任意に登録した地点の訪日外国人の旅行者動向を高精度で分析、可視化してくれます。地図上から建物単位やエリア単位で自由に分析地点(POI)を登録でき、訪日外国人の来訪動向をピンポイントに分析可能。店舗や施設ごとの細かな集客傾向まで把握可能です。

 

 ※「インバウンドアナリティクス+」で可視化されるのは、分析システムが把握しているスマホ端末ID数を基にした、訪日外国人の居住国別分布の日ごと変化で、ID数は人数ではありません。

今回は東京随一のショッピングエリアである銀座から、各百貨店の集客傾向はどのようなものなのか、百貨店ごとに違いはあるのか。営業時間にかかる分析してみます。

*中国(メインランド)のデータについては対象外となります。

▲老舗百貨店A(2025/1/1~2025/3/31)
▲老舗百貨店B(2025/1/1~2025/3/31)

銀座エリアの老舗百貨店A、老舗百貨店Bは、近年の決算資料などによるとインバウンドによる免税売り上げが多くの比率を占めています。両店舗は、隣り合っているだけに上位の国々に大きな差異は見られません。

 ただし、居住国・地域ユニークID数ランキングの6位以下を見てみると、A、Bともに1人当たりの旅行支出が大きいオーストラリア人客の取り込みにやや差が見られます。消費が急進していたタイ人客は双方取り込めているようですが、カナダ人客はBのほうが多く取り込めているようです。

▲新興百貨店C(2025/1/1~2025/3/31)

より韓国人客の比率が高いのが新興百貨店C。より最新のトレンドを抑えた店舗ラインナップがトレンドに敏感な韓国人客のニーズに適っているのでしょうか。期間中、人気韓国ドラマのイベントを行っていたり、著名な韓国人俳優が同地を訪れていたりするのも影響しているかもしれません。

 

▲百貨店D(2025/1/1~2025/3/31)

駅に近い百貨店Dとなると比率が変わり、A~Cと比べると特にアメリカ人客を取り込めているのが分かります。期間中はアメリカ映画のイベントを行っていたり、人気のハワイ料理を出すカフェがあったりすることも影響していそうです。

 

▲新興百貨店E(2025/1/1~2025/3/31)

いちばん台湾人客の取り込みが目立つのは新興百貨店E。先述の2025年1-3月の調査でも台湾人客の日本での1人当たり旅行支出は伸びており、そうした消費意欲の高い訪日インバウンド客を的確に取り込めるかどうかもマーケティングのカギとなるでしょう。

03.  マーケティングのDXや効果的なデータ活用へ

このように同じ銀座エリアの中でも、百貨店によって違った特徴が見えてきます。季節や期間を変えたり、時間帯によって分析したりすればまた違った結果が出るかもしれません。

 

分析の中でも触れたとおり、イベントやキャンペーンを行ってその人種の方々に効果的にプロモーションを実施したり、その結果を分析したりと、「インバウンドアナリティクス+」にはさまざまな使い方があります。

 

当社はそうした訪日旅行客の旅中におけるリアルな行動態様を、「インバウンドアナリティクス+」を提供するクロスロケーションズ株式会社と共同で研究し、効果的なマーケティング施策のご支援を推進しています。

 

訪日旅行客の旅中動態を踏まえた企業の訪日インバウンド市場におけるマーケティング活動のDX(デジタルトランスフォーメーション)や、より効果的なデータ活用にご興味がある担当者様は、気軽にお問い合わせください!

【本件に関するお問い合わせ先】

訪日インバウンド事業担当:梅里 亮大

E-mail:jp_sales@unbot.co.jp

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「多種多様な位置情報や空間情報を意味のある形で結合・解析・視覚化し、誰でも活用できるようにすること」をミッションとしています。位置情報ビッグデータをAIが解析・視覚化する独自技術である「Location Engine™」の開発とビジネス活用クラウド型プラットフォーム「Location AI Platform®」、クラウドサービス「人流アナリティクス®」などの開発および、人流データの活用による企業のビジネス拡大を支援する「Location Marketing Service」、インバウンドデータを活用した広告配信、分析サービスの「Inbound Marketing Service」の提供により、‟ロケーションテック”を推進しています。

 

社名:クロスロケーションズ株式会社

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●同社の提供する位置情報分析データについて

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中町秀慶
上場
未上場
資本金
4億1759万円
設立
2014年11月