WELgeeが伴走したアフリカ出身の人材が三菱マテリアルで採用決定！

再生可能エネルギー事業へ、地熱の専門知識・スキルを持つ人材の採用！

NPO法人WELgee（代表理事：渡部カンコロンゴ清花、以下「WELgee」）は、日本での就労に向けて伴走したアフリカ出身の人材が、 三菱マテリアル株式会社（本社：東京都千代田区、以下：三菱マテリアル）にて採用されたことを発表します。

三菱マテリアルは銅を中心とした非鉄金属素材や付加価値の高い機能材料・製品を提供する非鉄金属メーカーです。また、50年におよぶ地熱開発実績に基づき、地熱発電をはじめとする再生可能エネルギー事業も行っています。2021年の創業150周年を機に、社会課題の解決に積極的に取り組んでいる４つの団体へ支援を行っており、そのひとつとしてWELgeeに法人寄付を通じて、支援をいただいています。

このたび、寄付を通じて支援をいただいている三菱マテリアルにて、難民人材一名が採用されました。今回採用されたDさんはアフリカ北東部出身。母国では石油工学にて学士取得後、地熱関連のエンジニアとしてJICAとも協働。評価・探索等に従事し、活躍していました。2017年来日。2018年より九州大学にて「地熱貯留層の特性評価とモデリング」をテーマに論文をおさめ修士を取得。卒業後、母国の状況から帰国が困難になり、サバイバルジョブ（生活費を稼ぐための現場での仕事）をしながら、日本でも地熱関連の仕事に従事することを目指して就職活動をしておりました。WELgeeは2022年4月よりメンターシッププログラム等を通じてDさんの就職活動に伴走してきました。その活動の中で三菱マテリアルの再生可能エネルギー事業部門にて、Dさんの専門知識や経験が評価され、2023年2月より試採用し、8月に正式に本採用となりました。現在、地熱のエンジニアとして国内外の地熱発電のリサーチやシミュレーション業務などに従事しています。

• WELgeeキャリアコーディネーター 坂下裕基 のコメント

今回の採用は、候補者であるDさんの知識や経験が三菱マテリアル様の求めていた技術者の人材と合致するところがあり、試採用まで円滑に進みました。そして、半年後に正社員として採用されました。

私たちが携わるケースにおいて、全てが「即戦力」人材として、ご縁を紡げるものばかりではありません。即戦力として活躍するケース、戦力となるまで1年以上必要となるケースなど多様です。いかなる場合でも、難民人材自身が持つ能力そのものがしっかりと認識され、それらが法人の力、ひいては社会の活力になっていくであろう事を感じられることは非常に心強く、嬉しくあります。

•  三菱マテリアル株式会社の概要

創業    ：   1871年

設立    ：   1950年

本社    ：   東京都千代田区丸の内

HP      ：   https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/

• WELgeeの概要

日本に逃れた難民とともに未来を築く団体です。難民認定の厳しい日本で、難民一人ひとりがキャリアや人生の目標を追求できる道筋を、多様なセクターとの協働を通じて目指します。難民人材の強みを、日本企業のダイバーシティ推進・イノベーション創出に生かす人材紹介サービス「WELgee Talents」、キャリア教育やメンターシップ、スキル開発などの育成機会を提供する「育成事業」を運営しています。

◎難民の定義

難民とは「人種・宗教・国籍・特定の社会的集団の成員資格・政治的意見を理由に迫害されるという十分に理由のある恐怖のために国籍国の外におり、かつ、その国の保護を受けられないか、そのような恐怖のためにそれを望まない者」（出典：UNHCR『難民の地位に関する条約』『難民の地位に関する議定書』）を指します。 近年、UNHCRのガイドラインなどによって国際慣習では、紛争・ジェンダー・気候変動での強制移住をせざるを得なくなった人々についても難民として保護する流れが主流になっています。

◎WELgeeの「難民」の考え方

難民が生じる背景や社会情勢が多様化・複雑化する中で、従来の難民の定義にとどまらない多くの人々が、祖国を追われる状態に置かれています。WELgeeは、命の危険があって現在祖国に戻れない状態にある人を活動の対象としており、認定難民・難民認定申請者・後発的難民（帰国困難な状態にある元留学生等）・避難民なども含んでいます。

◎WELgee活動のスタンス

WELgeeは「難民」を保護対象としてのみならず、一人ひとりが志や経験をもった個人として捉えています。政府による難民認定だけをゴールにするのではなく、難民の人生の再建の選択肢を増やす取り組みを行っています。