Huawei、2020年第2四半期スマートフォングローバル市場で出荷台数首位に

2020年第2四半期グローバルスマートフォン市場の落ち込みは過去最大の前年同期比-24%となるも、Huaweiは中国国内で前年同期比11%成長したことで、Samsungを抜きグローバル市場で首位に。

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、2020年第2四半期グローバルスマートフォン市場は、前年同期比-24%とこれまでにない減少となり2.714億台となる一方、米国による貿易規制で苦しんだにも関わらず、HuaweiがSamsungを抜いてグローバルスマートフォン市場でトップになったという調査結果を含むMarket Monitorによる最新調査を発表致しました。
Huaweiの首位獲得について、カウンターポイント社のアソシエイトディレクターTarun Pathak氏は以下のようにコメントしています。
「HuaweiはCOVID-19に起因する特殊な市場シナリオに乗り首位を獲得できた。Huaweiの最大の市場である中国は、欧州、LATAM(中南米)、北米などの他の市場と比べればコロナ流行から回復が進んでいる。中国でのスマートフォン出荷台数は前年同期比で17%減少したが、他地域の28%減に比べたら、まだ穏やかなものだった。Huaweiは中国市場を中心として売り込みを続けてきたため、市場回復の効果が業績に表れた。同社は今や中国市場のほぼ半分(47%)のシェアを獲得しており、中国市場への出荷はHuaweiの出荷全体の71%と、昨年の62%から伸びている。しかし、同社の出荷は中国国外では前年同期比29%減少している。Huaweiはロシアやウクライナなど一部の東欧市場で健闘しているものの、中国国外の市場が回復してくると、首位の座を維持することは難しくなるだろう。」

図: スマートフォン出荷台数シェア 2020年第2四半期

出典:Counterpoint Research: Quarterly Market Monitor 2020年第2四半期

市場の動きについて、カウンターポイント社のリサーチアナリストVarun Mishra氏は以下のようにコメントしています。
「COVID-19のスマートフォン市場への影響は、第2四半期の方が第1四半期よりも明瞭となった。世界最大のスマートフォン市場である中国は、コロナ対応を比較的うまくこなし、結果としてグローバルスマートフォン出荷台数のほぼ1/3(31%)が中国で販売された。これは2017年第2四半期以降において、最大のものとなる。もっとも、日ベースでのCOVID-19新規感染者はとても低いレベルに抑えられているにも関わらず、スマートフォン市場はコロナ以前の約85%までしか復活していない。これは、消費者がまだ慎重になっていることを示唆している。」

市場全体について、Varun Mishra氏は以下のように付け加えています。
「この四半期を通じて、月ごとにグローバル市場における出荷台数は回復しており、6月は5月と比較して34%の回復をみせた。インドなどでは、積みあがった需要によって6月はコロナ以前のレベルに達している。世界が回復基調にあり、よい兆しがみえる。」

市場全体が縮小した中で、5Gは中国が牽引し成長しています。5Gの今後のシナリオについて、カウンターポイント社のリサーチアナリストAbhilash Kumar氏は、以下のようにコメントしています。
「5Gスマートフォンの出荷台数は世界で成長を続けており、この四半期は前期比43%伸びた。出荷台数ベースでの5Gスマートフォン市場浸透率は、2020年第2四半期には11%以上と、前四半期の7%から増加した。牽引しているのは中国で、キャリアの5G料金プランが魅力的なことと、コストパフォーマンスに優れる中価格帯セグメントの5Gスマートフォンが複数のメーカーから販売されていることなど、5Gのプロモーションが進んでいる。今や5G出荷の3/4は中国向けである。Huawei、OPPO、vivo、Xiaomiなどのメーカーが中価格帯セグメントに5Gスマートフォンを投入したことで、5G端末の価格も下がってきている。これによって5Gのさらなる成長と、市場の回復が今後期待できる。」

市場サマリー:
  • トップ10企業が占めるシェアは88%に達した(昨年は80%)。トップ10社以外のシェアは前年比55%減少した。COVID-19の影響は、小規模メーカーにとってより厳しいものとなっている。これは、こうしたメーカーがオンライン販売チャネルでのプレゼンスが低く、オンラインでの扱いが多い低価格機種の販売に響いたことに起因する。
  • Huaweiは中国国内への販売攻勢を続け、Samsungを抜いてグローバルスマートフォン市場の首位を獲得した。Huaweiのグローバル出荷台数は、中国国内向けが前年同期比11%伸びたことに助けられ、わずか3%減に留まった。
  • Samsungは、同社の主要市場であるLATAM、インド、米国、欧州がコロナ流行とロックダウンの影響で苦しんだのを受け、前年同期比29%減となった。しかし、次の四半期以降は回復すると我々は予想している。経済が回復するにつれ、Samsungはロックダウン中に積みあがった需要を積極的に取りに行くであろう。先進国においては、フラグシップ機種(Galaxy NoteとSシリーズ)の業績と、中価格帯セグメントにおける5G端末のラインナップが同社の成長のカギとなるだろう。特に欧州では中国メーカーが中価格帯セグメントの5G端末を充実させており、Samsungの対応が重要となる。
  • realmeは主要メーカーで唯一、年間で二桁成長をとげた。realmeはこの四半期、前年同期比で11%成長した。欧州の一部やインドが6月に復調したことが幸いした。同社はこの四半期最も速く成長したメーカーでもあり、売上では第7位となっている。
  • AppleのiPhoneは前年同期比で出荷が3%、売上は2%成長した。iPhone 11の好調が続いているのに加えて、iPhone SEの立ち上がりが極めて良く、全地域で売上が伸びた。
  • Xiaomiは前年同期比で18%の減少となった。インドでは2020年第2四半期も依然としてスマートフォン市場のリーダーである。中国 eコマースの大イベントである「618」の期間中に大量のプロモーションを実施したことで、中国でのシェアを維持した。
  • Vivoは前年同期比で18%の減少となった。しかし、東南アジアなどの新興国市場では着実にシェアを伸ばしている。ポジショニングと価格設定をうまくこなしたVシリーズが、インドネシア、ベトナム、インドなどの市場でのシェア拡大に貢献している。
  • OPPOは前年同期比で20%の減少となったが、欧州ではAシリーズ、Reno、Findの商品ラインナップが充実し、キャリア販売チャネルにも乗ったおかげで好調である。


スマートフォン市場の全世界シェア、および米国、中国、インドの国別シェアについては、弊社のデータセクションをご覧ください。内容は、四半期ごとに更新しています。
・データセクション: https://www.counterpointresearch.com/data/
・グローバル: https://www.counterpointresearch.com/global-smartphone-share/
・米国: https://www.counterpointresearch.com/us-market-smartphone-share/
・中国: https://www.counterpointresearch.com/china-smartphone-share/
・インド: https://www.counterpointresearch.com/india-smartphone-share/

また、2020年第2四半期の地域別スマートフォン市場の分析下記リンク先をご参照ください。
● COVID-19の影響で2020年第2四半期の欧州スマートフォン市場は24%の減少。
リンク先(英語): https://www.counterpointresearch.com/covid-19-caused-european-smartphone-market-decline-24-yoy-q2-2020/
● 2020年第2四半期に中国で売れたスマートフォンの1/3が5G機種に
リンク先(英語): https://www.counterpointresearch.com/one-three-smartphones-sold-5g-phone-china-q2-2020/
リンク先(日本語): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000033140.html
● iPhone SE(第2世代)は健闘するも、米国のスマートフォン販売数量は2020年第2四半期に25%減少
リンク先(英語): https://www.counterpointresearch.com/us-smartphone-sell-through-volumes-fall/
リンク先(日本語): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000033140.html
● 2020年6月のインドにおけるスマートフォン販売台数、COVID-19前のレベルに急速に戻り、スマホユーザー数は5億人を突破
リンク先(英語): https://www.counterpointresearch.com/pent-up-smartphone-demand-after-lockdown-pushes-june-volumes/
リンク先(日本語): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000033140.html

※Lenovo の数字にはMotorolaも含めてLenovoグループとして推計しています。

このプレスリリースに関するコメントやご質問等は、press(at)counterpointresearch.comまでお問い合わせください。


【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/

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会社概要

URL
https://www.counterpointresearch.com/
業種
情報通信
本社所在地
20F Central Tower, 28 Queen’s Road Central, Hong Kong
電話番号
-
代表者名
Kyungsoo Kang
上場
未上場
資本金
550万円
設立
2012年05月