日立、GMP領域を対象とした「医薬品製造領域向けプラットフォーム」を提供開始
製造領域から段階的に機能・適用範囲を拡大、医薬バリューチェーン全体を支える「医薬DXプラットフォーム」を構築し、品質保証業務や製造オペレーションの高度化、効率化を実現

株式会社日立製作所(以下、日立)と株式会社日立産業制御ソリューションズ(以下、日立産業制御)は、厳格化する規制への対応や深刻な労働力不足を背景にDXによる業務効率化のニーズが高まっている製薬業におけるGMP領域を対象とした、新たなデータ統合プラットフォーム「医薬品製造領域向けプラットフォーム」(以下、本プラットフォーム)を7月より提供開始します。世界の医薬品製造市場は、年平均17%(CAGR)で成長し、2030年には120兆円規模に達すると予測され、そのうちAI・ソフトウェア領域も同様の成長率(CAGR17%)で拡大し、2030年には6,000億円規模に達すると見込まれており*18、安全かつ効率的な生産体制の構築は喫緊の課題となっています。日立産業制御が開発した本プラットフォームは製造・試験・品質に関わるさまざまなデータを一元管理することを可能にするもので、データのサイロ化という業界の課題を解決すべく、MES、LIMS、QMSなどに分散するデータを横断的に活用できます。また、製造のさまざまな業務に生成AIを搭載することで、品質保証業務や製造オペレーションの高度化、合理化、効率化を実現します。
今回は第一段階の機能として、製品年次照査*19、逸脱調査*20、監査対応*21など、手作業では膨大な時間が必要となるGMP関連業務の効率化と品質確保を支援します。続く次期開発計画では、製造領域におけるソリューションの拡充を進めます。具体的には、画像や動画のAI解析による作業不備の自動検知や手順のデジタル化、現場データのフィードバックによる設備の自動最適制御、デジタルツインとロボティクスを融合した自律的な自動化・省人化を実現します。
さらには、日立が培ってきた厳格な規制対応のノウハウとIT、OT、プロダクトの総合力を生かし、本プラットフォームを段階的に発展させ、製薬業界の創薬・臨床から製造・流通に至る医薬バリューチェーン全体を支えるデータ連携基盤「医薬DXプラットフォーム」を構築し、デジタライズドアセットのデータとドメインナレッジに先進AIを組み合わせた産業分野向け次世代ソリューション群「HMAX Industry」としての展開をめざします。
医薬品製造領域向けプラットフォームについて
医薬品製造において製造DXによる業務効率化が強く求められる一方、その推進の大きな障壁となっているのが厳格なGMP関連業務です。現在、MES、LIMS、QMSなどのシステムが分断されているため、現場は常に膨大なデータの照合・確認業務に追われています。例えば、逸脱発生時の原因究明においては、複数システムからの履歴データの遡及(そきゅう)や、製品年次照査における1年分のデータの収集・転記・集計など、ミスが許されない高い緊張感の中で多くの労力が費やされています。
こうしたデータの分断と属人的な手作業の多さは、ヒューマンエラーのリスクを高めて現場の圧倒的な負担となるだけでなく、規制当局が求めるデータインテグリティの確保や、全社的なDX推進の足枷となっています。このような課題を解決するため、日立産業制御は点在するデータを一元化し、AIを組み合わせることで、GMP業務における現場のリスクと過度な負担を解消し、全体最適に向けた製造DXを強力に推進する本プラットフォームを開発しました。
日立グループは、医薬品製造において幅広いIT、OT*22、プロダクトを提供しています。中でも、医薬品製造・品質管理システム「HITPHAMS」は国内トップクラスの豊富な実績を有しており、本プラットフォームの開発には、こうした医薬品製造現場で長年培ってきた日立グループの深い知見が最大限に生かされています。
今後の取り組みについて:製造領域から、医薬バリューチェーン全体のDXへ
日立は今後、培ってきた厳格な規制対応のノウハウとIT、OT、プロダクトの総合力を生かし、製薬業界における創薬から製造、提供までをつなぐデータ連携基盤「医薬DXプラットフォーム」の段階的な展開をめざします。コアとなる製造領域の基盤より開始し、将来的には創薬段階の基礎研究データや治験実績を製造現場へシームレスに共有・フィードバックすることで、実生産に向けたスケールアップの迅速化や製造工程における逸脱防止、継続的な品質改善に寄与し、バリューチェーン全体の価値を最大化します。
日立は産業分野向けに、プロダクトの豊富なインストールベース(デジタライズドアセット)のデータにドメインナレッジと先進AIを組み合わせた次世代ソリューション群「HMAX Industry」に注力しています。これらをコアとする「インダストリアルソリューション」の提供を通じて、お客さまのライフタイムバリューを最大化し、グローバルに産業を変革することで、豊かな社会の実現をめざします。
*1 PLM:Product Lifecycle Management
*2 ERP:Enterprise Resource Planning
*3 SCM:Supply Chain Management
*4 WMS:Warehouse Management System
*5 LIMS:Laboratory Information Management System
*6 MES:Manufacturing Execution System
*7 QMS:Quality Management System
*8 DCS:Distributed Control System
*9 SCADA:Supervisory Control And Data Acquisition
*10 PLC:Programmable Logic Controller
*11 GLP:Good Laboratory Practice
*12 GCP:Good Clinical Practice
*13 GDP : Good Distribution Practice
*14 GMP:Good Manufacturing Practice
*15 GQP:Good Quality Practice
*16 GVP:Good Vigilance Practice
*17 GPSP:Good Post-Marketing Study Practice
*18 Grand View Research等市場レポートより算出
*19 製品年次照査(Product Annual Review):GMP省令に基づき毎年実施が義務付けられている、医薬品の品質・製造工程・変更・逸脱・苦情などを包括的に評価し文書化する手続き
*20 逸脱調査:製造手順や規格から外れた事象の原因を究明し、品質への影響評価や再発防止策を講じるプロセス
*21 監査対応:規制当局の査察や外部監査に対し、適切な製造・品質記録を提示し、指摘事項へ対応する業務
*22 OT(Operational Technology):制御・運用技術
関連サイト
医薬品製造領域向けプラットフォーム
https://info.hitachi-ics.co.jp/product/gmpdx-pf/
HITPHAMS
https://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/solution/hitphams/index.html
商標注記
・「HITPHAMS」は株式会社日立製作所の登録商標です。
・その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
日立製作所について
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、社会インフラをデジタルで革新し続けるグローバルリーダーをめざし、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2025年度(2026年3月期)売上収益は10兆5,867億円、2026年3月末時点で連結子会社は606社、全世界で約29万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.com/ja-jp/をご覧ください。
日立産業制御ソリューションズについて
日立産業制御ソリューションズは、日立グループの産業・流通事業を支える主要企業です。長年培ってきたOT(Operational Technology)を基軸に、製造業をはじめとする産業分野や社会インフラ分野のお客様の事業において新たな価値創出を支援する各種ソリューションを提供しています。お客様の現場に携わってきた経験に基づくコンサルティングによりお客様の課題をともに見出し、製品・技術を結集させたソリューションで解決します。詳しくは、https://www.hitachi-ics.co.jp/をご覧ください。
お問い合わせ先
株式会社日立製作所
株式会社日立産業制御ソリューションズ
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