NPOカタリバ、奈良県三宅町内の10代の居場所づくりを支援。10月16日に連携記念イベントを開催
「こどもの居場所」元年。重要性が高まる一方、地方ではリソース不足の懸念も
2023年4月、こども家庭庁が発足しました。施策の一つには子どもの居場所づくりが掲げられており、学校や家以外の居場所の重要性が認識され始めています。その一方で居場所の現状と課題の調査(*1)では、「地域の中に居場所を充足させていく役割を担う人材、居場所の運営や経営を支援する人材等が不足している」ことや「人材確保・雇用の安定化、居場所を運営する人材への精神面などのケアの不足」などが指摘されており、子どもたちの居場所を増やし継続的に運営するための課題が山積しています。特に地方都市では高齢化や人口減少の影響もあり、居場所づくりの主体者・担い手不足は都心より深刻です。
これらの対応策として「地域の居場所をコーディネートする人材確保、育成への支援」「官民の役割分担(共助・公助の組み合わせ)」などが挙げられており、官民が連携しながら居場所をつくる人材を確保・育成し、居場所を運営していくことが求められています。
*1:こども家庭庁 こどもの居場所づくりに関する調査研究 報告書概要(https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/816b811a-0bb4-4d2a-a3b4-783445c6cca3/16146b18/20230401-policies-ibasho-2.pdf)
20年以上子どもの居場所づくりに取り組んできたカタリバと奈良県三宅町が連携。町内に初の10代の居場所開設へ
カタリバは創設以来、さまざまな形で10代の居場所を運営してきました。さらに10代の居場所を増やしていくために、特定非営利活動法人エティックと協働し、全国で子どもたちの居場所支援を行う/行おうとしている団体を支援しようと立ち上げたのが「ユースセンター(*2)起業塾」です。カタリバがこれまでの居場所運営で得たノウハウを活用し、現在は全国22団体の事業の立ち上げを資金面・運営面の両方から支援しています。
奈良県三宅町は人口わずか6,600人ほどの地方自治体です。町内に高校はなく、中学校は隣の自治体と合同で運営する組合立の中学校が1校あるのみ。人数の少ない10代のための居場所と言える場所は、ほとんどないという状況でした。そんな町で育った子どもたちは、大学進学などを機に町外へ出ていくと再び町に戻ることは少なく、少子高齢化・若年層の流出などが問題となっています。
こうした背景から、子どもたちが生き生きと学び・暮らせる環境を用意し、町への愛着を育んでもらうために10代のための居場所をつくろうとしていた三宅町と、10代の居場所を増やしたいと考えていたカタリバが連携。カタリバはユースセンター立ち上げスタッフの採用支援や育成・研修などを行ってきました。
*2:ユースセンター:子どもたちのための家でも学校でもない第三の居場所であり、子どもたちの意欲と創造性を伸ばす関わりが行われる場所
10月16日に連携協定式を実施。地方におけるユースセンターについて語るパネルディスカッションも
今回の連携を記念して、10月16日(月)に連携協定締結式、トークイベントを開催します。
トークイベントには代表理事 今村が登壇する他、三宅町長や三宅町ユースセンター(仮称)の立ち上げに取り組む地域おこし協力隊員、ユースセンターの先駆けである尼崎ユース交流センターの片岡氏をお呼びし、ユースセンター立ち上げの経緯やユースセンターが子どもたちに与える影響、三宅町・地方におけるユースセンターの意義について考えます。
実際に三宅町ユースセンターの活動場所をご紹介しながら、地方における10代の居場所のあり方について、官民がどう連携していくことが望ましいのかなど、子どもたちの居場所を増やしていくためにさまざまな立場から議論するイベントです。
【イベント概要】
日時:2023年10月16日(月)14:00-15:30(現地参加の場合16:00まで)
参加方法:現地またはオンライン
・現地参加の場合:三宅町交流まちづくりセンターMiiMo(奈良県磯城郡三宅町伴堂689)
・オンライン参加の場合:zoom(参加をご表明いただいた方にURLをお送りします)
参加費:無料
イベントページ:https://www.katariba.or.jp/event/42385/
対象:居場所づくりに関心のある方々、自治体関係者の方々、報道関係者の方々
<申込フォーム>
・一般の方のお申込み:https://forms.gle/Ep2i2YPA9N4FWJpr9
・報道関係者の方のお申込み:https://www.katariba.or.jp/report/
申込〆切:2023年10月12日(木)23:59まで
<プログラム>
14:00 開会
14:05 三宅町ユースセンターの説明・ゲスト紹介
14:25 パネルセッション「ユースセンターの可能性とは?」
14:55 三宅町ユースセンターの展望
15:25 閉会
15:30 ミニワーク※これ以降は現地参加の方のみ
16:00 全プログラム終了
<登壇者(敬称略、順不同)>
■森田浩司(三宅町長)
1984年奈良県磯城郡三宅町生まれ。大学を卒業後、建設現場での仕事や、生協職員、国会議員秘書、三宅町議会議員など多様な職種を経験したのち、2016年に32歳の若さで三宅町長選挙に当選。県内最年少町長・全国で二番目に若い町長となった。2020年に再選し、現在に至る。
■山本紗哉加(三宅町地域おこし協力隊)
1990年、奈良県奈良市生まれ。大学卒業後、奈良県中学校教諭として採用され、奈良市内の公立中学校で教科担任(社会科)・学級担任・生徒会担当などを経験する。うち2年間は大学院に進学し、中高生の居場所について研究。学校教育の外に広がる多様な学びと育ちの場の必要性を感じ、2023年より現職。
■片岡一樹(尼崎市立ユース交流センター長)
1989年生まれ。母子家庭で育った経験から、どんな環境に生まれても多様な選択肢がある状態を目指し、ユース世代と活動を行っている。関西大学在学中に、中学校高校の教員免許を取得し、NPO法人ブレーンヒューマニティーに就職。放課後居場所事業や生活保護世帯向け学習支援事業、キャリア教育事業、不登校の居場所事業などの担当を務める。
■今村久美(認定NPO法人カタリバ 代表理事)
慶應義塾大卒後、2001年にNPOカタリバを設立。東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供、コロナ禍では経済的事情を抱える家庭にPCとWi-Fiを無償貸与し学び支援を行う「キッカケプログラム」を開始するなど、社会の変化に応じて様々な教育活動に取り組む。 文部科学省中央教育審議会委員。
認定特定非営利活動法人カタリバとは
どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
<団体概要>
設立 :2001年11月1日
代表 :代表理事 今村久美
本部所在地:東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 :高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(宮城県女川町・岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区・全国)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国)
URL : https://www.katariba.or.jp/
問い合わせ
取材に関するお問い合わせは下記フォームにご入力ください。
・https://www.katariba.or.jp/report/ (担当:カタリバ広報 山本)
・事業に関するお問い合わせ
下記までご連絡ください。
incubation@katariba.net (担当:カタリバ ユースセンター起業塾事務局 吉田)
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