第一次世界大戦の終結前、最後に戦死したカナダ兵をモチーフに作られた、シンプルなメッセージが深く心に残る絵本『せんそうがおわるまで、あと2分』発売!
第一次世界大戦の終結前、最後に戦死したカナダ人兵士を知っていますか。
当時25歳だったジョージ・プライス。
イギリスの自治領だったカナダで生まれ育ち、徴兵された彼は、停戦のわずか2分前、ベルギーの街モンスの路上で殺されてしまいました。
《2分が分かつ命》
このエピソードをもとに作られた絵本『せんそうがおわるまで、あと2分』は、戦争がいかにおろかな選択であるかを、あたたかく、シンプルなタッチで、子どもたちに訴えます。
主人公のジュールとジムは、同じ日に同じ村で生まれた幼なじみ。
ジュールより2分早く生まれたジムは、いつもジュールより速く、強く生きてきました。
第一次世界大戦がはじまり、2人はともに徴兵され、ヨーロッパへわたります。
戦争は思いえがいたような勇壮なものではなく、泥まみれでみじめなもの。理不尽な命令も絶対にしたがわなくてはなりません。
そんな戦場でもジュールとジムの関係は変わらず、2人は支え合いました。
11月11日11時。
いよいよ数時間後に戦争をおわらせることが決まりました。
しかし、その時までジュールとジムは戦場へ出向くことを命じられます。
そして――
作者のジャック・ゴールドスティン氏はカナダの人気作家で、『おなじ星をみあげて』(辻仁成 訳、春陽堂書店、2021年)では、「2020年TDカナダ児童文学賞」と「ケベック書店賞 ユース部門」を受賞。あとがきでは、第一次大戦をたたかったおじいちゃんの心の傷にふれた体験を明かしています。
訳者は、翻訳家・エッセイストの長友恵子氏。『住所、不定』(岩波書店、2022年)『ヤーガの走る家』(小学館、2021年)『せんそうがやってきた日』(鈴木出版、2020年)など、多数の意欲的な翻訳作品を発表。訳者あとがきでは、現在の世界と日本の情勢にからめ、子どもたちへのメッセージを寄稿しています。
親友同士のジュールとジム。フランス映画をイメージしたようなネーミングの2人の物語です。
科学技術の発展にともなって、兵器はどんどん進化しています。第一次世界大戦中、軍用飛行機はメジャーな攻撃法となり、化学兵器も使われました。
1911年11月11日朝の5時に停戦の話し合いがおこなわれながら約束の11時まで、兵士たちには戦闘命令が出されました。
帰還兵ジムの傷ついた心、なかなか日常にもどることのできない苦悩や葛藤も描かれます。戦時中でも、戦後でも、戦場でも、戦場にはならなかった地でも、戦争によって多くの人が傷つけられるのです。
- 読者からの反響続々!
いまの世界情勢だからこそ、こどもたちに読んでほしい絵本。戦争は華々しく勇猛なものではなく、ただただしんどくて汚くて辛いものだということ。兵士じゃなく国に残った人たちも大変だということ。少しの差で生き残るか死んでしまうかが変わってくること。そして生き残った人も決して残りの人生を楽しくは生きられないこと。優しく軽いタッチの絵で読みやすいなかに、大切なことが描かれていると思います。●書店関係者
2023年度の選書に際して、最初に加えたい本。●図書館関係者
自分にとって何かの2分前って何だろう。何かあるだろうかって考えさせられる本です。●図書館関係者
決めたなら11時を待たずにすぐに終わらせたら良かったのに。人々を死に追いやり残された人の心にも傷を残す戦争が無くならないのはなぜでしょう。●教育関係者
この絵本を大人である私も子どもたちと一緒にページをめくり、フランスでドイツ兵と戦うことを強いられたカナダ人のジムとジュールについて語り合い、そして「平和」を願い祈り続けます。 ●学校図書館関係者(中学校/高等学校)
カナダに住む2人がイギリス軍として戦っていますが、これが他人事で済まない状況に今の日本があると考えるのはおかしいだろうか、ということも頭に浮かびました。●一般読者
人はなぜ戦争をするのか。私たちはもっともっと考えるべきです。●書店関係者
(Net Galleyに寄せられたレビューより一部抜粋)
- 書籍情報
『せんそうがおわるまで、あと2分』
https://www.godo-shuppan.co.jp/book/b622331.html
【著】ジャック・ゴールドスティン
【訳】長友 恵子
□定価=本体1,800+税
□B5変/58ページ
□ISBNコード:978-4-7726-1528-0
□Amazon
https://amzn.asia/d/cZ7HxV7
□楽天ブックス
https://books.rakuten.co.jp/search?sv=30&v=2&oid=000&f=A&g=001&p=0&s=0&e=0&sitem=9784772615280
- 著者/翻訳者プロフィール
【著】ジャック・ゴールドスティン
イラストレーター、グラフィックノベル作家。 1958年、カナダ・モントリオール生まれ。
父の影響から、子どものころは毎日絵を描いていた。大学では地質学を学び、1981年に子ども向けの科学実験の本に描いたキャラクターが人気となる。その後、子ども向け月刊誌の連載のほか、多数の雑誌にも寄稿。2001年には、カナダにおける科学普及への貢献が認められ、マイケル・スミス賞を受賞。2009年と2011年には、編集イラストレーションでケベック・インディペンデント・ジャーナリズムグランプリを受賞。著作に『アルブラガン(L'Arbragan)』(未邦訳、2015年)『アザダー(Azadah)』(未邦訳、2016年)『おなじ星をみあげて』(辻仁成 訳、春陽堂書店、2021年)など多数。『おなじ星をみあげて』で「2020年TDカナダ児童文学賞」と「ケベック書店賞 ユース部門」を受賞。
【翻訳】長友 恵子
翻訳家、エッセイスト。
訳書に『住所、不定』(岩波書店、2022年)『本おじさんのまちかど図書館』(フレーベル館、2022年)『不思議の国のアリス』(文化出版局、2022年)『ビアトリクス・ポターの物語――キノコの研究からピーターラビットの世界へ』(西村書店、2021年)『ヤーガの走る家』(小学館、2021年)『せんそうがやってきた日』(鈴木出版、2020年)『ぼくだけのぶちまけ日記』(岩波書店、2020年)『中世の城日誌-少年トビアス、小姓になる』(岩波書店、2003年)など多数。紙芝居文化の会運営委員。JBBY(日本国際児童図書評議会)、やまねこ翻訳クラブ会員。
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