ソニー株式会社からセルモーションイメージングシステム「SI8000」シリーズ細胞解析ソフトウェアを承継
― 創薬・再生医療等の研究に有用な細胞画像解析技術の事業展開を加速 ―
エルピクセル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:鎌田富久、以下「エルピクセル」)は、ソニー株式会社(本社:東京都港区、以下「ソニー」)が有するセルモーションイメージングシステム「SI8000」シリーズの解析用ソフトウェアについて、承継を受けたことをお知らせいたします。承継日以降は、本ソフトウェアは「IMACEL SI8000」という製品名でエルピクセルが販売・保守を行います。
エルピクセルでは研究機関、医療機関及び製薬企業等に対して画像解析AI技術を活用した研究開発支援を提供しておりますが、本製品をラインナップに加えることでこうした支援を拡充し、先進的な創薬や再生医療の発展に寄与してまいります。
【承継の背景と目的】
ソニーは2014年に細胞の動きを非染色・非侵襲で定量評価する、動き検出技術を応用したセルモーションイメージングシステムSI8000シリーズを発売し[1]、同シリーズは国内外の著名な研究機関および製薬企業により、創薬・再生医療等の研究に活用されてまいりました。一方、エルピクセルは2014年の創業以来、「生命を探求し、新しい価値を創造する」をミッションに、創薬・医療などライフサイエンス領域における画像解析AI技術・製品の開発と販売を進めてまいりました。これまで、多くの研究機関、医療機関及び製薬企業等へ技術・製品を提供し、その実績は順調に推移しています。
この度、ライフサイエンス分野に特化した画像解析AIに強みを持つエルピクセルの創薬・研究支援事業をより一層加速化するべく、ソニー独自の細胞の動き解析アルゴリズムを搭載したSI8000シリーズの解析ソフトウェアをエルピクセルが承継することに合意しました。
【承継する製品について】
2014年にソニーにより販売開始されたセルモーションイメージングシステムSI8000シリーズは、市販の培養細胞用顕微鏡および撮像装置で撮影された細胞の動きを非染色・非侵襲で定量評価し、従来は実現が困難とされてきた、特殊な培養容器や染色試薬を必要としない画期的な細胞機能評価ソリューションです。
ソニーの強みである動画解析技術を応用することで、細胞の機能を評価するソニー独自の『細胞の動き解析アルゴリズムMotion Vector Prediction Method (MVP法)』を開発し、本システムの解析ソフトウェアに採用しました。細胞の動きに特化したチューニングを行うことで、精確かつ高速に細胞の動きを検出することができ、検出した動きの情報を用いることで、細胞の挙動を定量化するための様々なパラメータを算出することが可能です。
創薬、再生医療、個別化医療の領域では、iPS細胞やES細胞などの幹細胞に対する医学・生物学研究の発展により、薬効薬理試験や疾患の原因解明について細胞を用いて行う手法に注目が集まっていますが、SI8000シリーズはこうした細胞分析・評価に活用されます。
例えば、心筋細胞など動きを有する細胞において拍動伝播を可視化することができるため、不整脈を引き起こすような細胞間結合の異常や薬剤による影響を検証することや、ヒトiPS細胞由来の疾患モデル細胞について、その表現型を動きの観点から定量評価するなど、多くの利用シーンが想定されます。また、創薬や再生医療の研究などで、細胞に対する染色を避けたい場合においても、非染色での細胞評価を可能にします。
なお、エルピクセルでは、ソニーで販売を行っていた顕微鏡・撮像装置・解析ソフトウェア一体型のオールインワンモデルの販売は行いません[2]。解析ソフトウェアのみとなり、以下、2つのモデルを販売いたします。
[1] 2014年9月24日 ソニーグループ プレスリリース「業界初、細胞の「動き」を捉える画像解析技術を応用したセルモーションイメージングシステムSI8000シリーズ」(https://www.sony.com/ja/SonyInfo/News/Press/201409/14-093/)
[2] これまでにソニーで販売を行なったオールインワンモデル及びベーシックモデルの保守対応についても、順次、エルピクセルにて引き継ぎます。個別の対応についてはエルピクセルの担当者までお問い合わせください。
・販売モデル1:Cardioモデル
Cardioモデルは、特に心筋細胞の収縮機能評価にフォーカスしたモデルです。
このモデルでは自動解析によりあらかじめプリセットされた心筋収縮性の詳細なパラメータを得ることが可能で、薬効や安全性評価、スクリーニングなど創薬分野における応用が期待できます。具体的には、薬剤添加による心筋細胞の拍動数や収縮速度の変化だけでなく、これまで難しいとされていた細胞の変形距離や弛緩速度、形状変化をトラッキングすることによる収縮力も定量評価することができ、薬物等の慢性毒性評価など幅広い用途に応用ができます。
・販売モデル2:Researchモデル
Researchモデルは、がんの転移に関わる細胞の遊走や浸潤、神経細胞の突起伸長など、種々の細胞の動き、形態変化を定量評価するスタンダードなモデルで、幅広い研究分野での応用が期待されます。さらに、染色手法と組み合わせることで細胞内小器官など特定の対象物の動きを評価することも可能となり、「細胞の動き」という新たな指標を用いて様々な角度から細胞機能を評価することができます。
※ 本プログラムはCardioモデルとResearchモデルのいずれも研究用です。人の疾病の診断、治療もしくは予防を目的とした使用はできません。
【創薬を支援するエルピクセルの画像解析AI技術(IMACEL)について】
創薬プロセスにおける課題に対し、ライフサイエンスとAI双方に強みを持つプロフェッショナルが、実験デザインからAI学習に最適なデータ取得・収集方法、AI実装までをご提案します。創薬における「効率性」「品質」「安全性」の向上を幅広く包括的にサポートします。
公式サイト:https://imacel.net
【エルピクセル株式会社について】
エルピクセル株式会社は、ライフサイエンス領域の画像解析に強みを持ち、医療・製薬・農業分野において画像解析技術、とりわけ人工知能技術を応用することで、高精度のソフトウエアを開発してまいりました。医師の診断を支援するAI画像診断支援技術「EIRL(エイル)」、創薬に特化した画像解析AI「IMACEL(イマセル)」を軸に事業を展開しています。
【製品に関するお問い合わせ】
エルピクセル株式会社 サイエンスビジネス本部
TEL:03-6259-1713 Email:sci-bd@lpixel.net
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