2025~2027年の経済見通し
「不確実性を乗り越える成長戦略」
本プレスリリースは、2025年5月22日(現地時間)にKearneyより米国で配信された英語版の抄訳です。
経営コンサルティング会社A.T. カーニー(グローバル・ブランド名はKEARNEY)のマクロ経済部門シンクタンクであるグローバル・ビジネス・ポリシー・カウンシル(米国バージニア州アーリントン、以下GBPCと称す)は、「2025~2027年の経済見通し~不確実性を乗り越える成長戦略(原題:Unchartered Territory – Global Economic Outlook 2025–2027)」を公開しました。本レポートでは、世界の経済成長率、インフレ動向、地域別の成長予測、そして今後3年間の経済環境を形成する主要な要因について分析しています。
3年間の経済見通し
世界経済は米国の関税政策、地政学的リスクの高まり、さらには経済政策の不透明感によって成長ペースが鈍化する見込みです。2025年と2026年の成長率は2.3%に減速し、2027年には2.9%へと緩やかに回復すると予測されています。最新の推計では、2025~2027年の平均成長率は2.5%となり、1月の予測2.8%から下方修正されました。
世界のインフレ動向
世界のインフレ率は2022~2023年の急激な上昇に比べ、2025~2027年にかけては、緩和すると予測されています。先進国市場では平均2.2%、新興市場では平均4.0%のインフレ率が見込まれ、新興市場の高いインフレ率は通貨変動や政治的な不安定さといった構造的要因によるものです。
2027年までの世界経済成長を牽引する地域
世界経済を牽引する地域として、最も成長が期待されるのは中東・アフリカで、貿易の混乱にもかかわらず平均3.6%の成長が見込まれます。次いでアジア・オセアニアが3.5%の成長率となる見通しです。一方、南北アメリカは1.9%と、1月予測の2.5%から大幅に引き下げられました。ヨーロッパ・ユーラシア地域は最も低い成長率となり、平均成長率はわずか1.2%と予測されています。日本の経済見通しは厳しく、米国の貿易関税の影響を大きく受ける見込みです。2024年の成長率はマイナス0.1%と縮小しましたが、2025年には0.8%まで回復すると予測されています。しかし、円安や高齢化、関税の影響を受けた輸出の停滞、企業投資の低迷が続くため、長期的な成長率は1%を下回る可能性が高いと思われます。
今後3年間の経済環境を形作る5つの要因
· 地政学的リスク
· 産業政策と関税
· 制度の安定性
· 技術革新
· 環境問題
GBPCのマネージング・ディレクターで本レポートの共著者であるエリック・ピーターソン(Erik R. Peterson)のコメント:
「不確実性の高いグローバルな環境の中で、戦略的な企業はさまざまなシナリオを想定し、変化に柔軟に対応できる計画を立てる必要があります。」
GBPCのプリンシパルで本レポートの共著者であるテリー・トーランド(Terry Toland)のコメント:
「経済の先行きが不透明な状況でも、企業にとって成長のチャンスはまだ残されています。産業政策の動向を注意深く見極め、それを活用できる企業、そしてイノベーションに積極的に投資する企業こそが、市場の不安定さを乗り越え、競争力を維持できるでしょう。」
なお本レポートの中では、「Rewiring and Resilience: 再配線と回復力」、「Eroded Foundations: 侵食された基盤」、「System Breakdown: システムの崩壊」、「Turning Inward: 内向きへの転換」と題する4つのシナリオについて解説しております。
「2025~2027年の世界経済見通し~不確実性を乗り越える成長戦略 / Unchartered Territory – Global Economic Outlook 2025–2027: 1H 2025」
全文(英語)はこちらから:
https://www.kearney.com/service/global-business-policy-council/global-economic-outlook/2025-2027-1h
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