「デジタルイマージョン」を実現する共通アーキテクチャ、「Total Compute」という新たなアプローチを発表

2019年10 月8 日、米国カリフォルニア州サンノゼ「Arm TechCon」発 –– 英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)は、Armテクノロジーに関する最大規模の年次カンファレンスである「Arm TechCon 2019」において、以下について発表しました。

主な発表内容:
  • Arm Total Compute:アプリケーションごとにArm製品を開発することで、最適化された共通のシステム・ソリューションを提供する「Arm Total Compute」という新たなアプローチ
  • Arm CPU の機能が進化:Machine Learningの実行性能向上のためにMatrix Multiply(MatMal)といった新しい命令を追加
  • Unityとの戦略的パートナーシップ拡大:ArmとUnity Technologies社はUnityのリアルタイム3Dグラフィックス用開発プラットフォームにおける戦略的パートナーシップを拡大し、Armテクノロジーのパフォーマンスがさらに向上

「Arm TechCon 2019」の基調講演において、業界が直面しているいくつかの大きな変化、プロセスのさらなる微細化、データのプライバシーやエコシステムの拡大、複雑化を新たな論点として取り上げました。5Gによって世界中に数多くの新しいアプリケーションが創造される中、次世代を牽引する「没入感」の実現には、依然として消費電力、パフォーマンス、エリアサイズの向上が求められます。

5G化によるAI、xR、IoTの急速な進化に伴い、求められる演算要件が変化しています。「デジタルイマージョン(デジタルによる没入感)」の実現には、現在の性能を大きく押し上げるとともに「Total Compute」という新たな取り組みが必要とされます。これには従来とは全く異なる取り組みが必要で、性能やセキュリティを各アプリケーションのシステムレベルから最適化することに主眼を置いたIP設計を行う必要があります。

Armは現在、製品開発の考え方を、従来のような製品の進化に向けた取り組みから、アプリケーション/プラットフォーム型のシステム・ソリューションへとシフトしています。これは、IP、ソフトウェア、ツールを横断したプラットフォームの最適化を通じてセキュアな基盤を実現しつつ、近い将来における様々なアプリケーションの複雑な演算要求を満たすものになります。

Machine Learningの実行性能を次世代レベルに押し上げる
Cortex-A73の発表以降、ArmはMachine Learning(ML)の実行性能パフォーマンスを各CPU世代間または今日に至るまで、順調に進化させ、現在MLの演算はCPUで実行できるほどに拡大しています。しかしながら、この新たなデジタルワールドを実現するためには、演算能力をさらに高いレベルに押し上げる必要があります。次世代Cortex CPU「Matterhorn」におけるMatrix Multiply(MatMul)機能の追加はこうした背景によるもので、前世代に比べMLパフォーマンスを効果的に倍増しています。

CPUの垣根を超えたところで、システム内の各演算エレメントやシステムアーキテクチャに対して、Total Computeという考え方導入する必要があります。これはCPU、GPU、NPU、インターコネクト、システムIPがArm製か否かにかかわらず統合型ソリューションとして性能の最適化がなされる必要があり、さらに、この実現には、Arm NN(*1)、Arm Compute Library(*2)ソフトウェアやツールにも同様な考え方が必要で、オープンソース・コミュニティ、オープンスタンダードなど、あらゆる要素がセキュアな基盤の上に構築される必要があります。
*1) https://www.arm.com/products/silicon-ip-cpu/machine-learning/arm-nn
*2) https://developer.arm.com/ip-products/processors/machine-learning/compute-library

デジタルワールドをよりセキュアに
セキュリティに着目すると、その強化は「デジタルイマージョン」にとって極めて重要です。あらゆる個人情報のセントラルデバイスとして、私たちはスマートフォンへの依存度がより大きくなる中、高いセキュリティなくして高いプライバシーは保たれません。Total Computeのセキュリティは、以下の図に示した3つの層を基盤としています。


お客様の多様なニーズにお応えするため、Armはすでに、Total Computeの一環として、Memory Tagging Extension (MTE)などの革新的なセキュリティ機能の提供を開始しています。一例として、GoogleはArmとの協力のもとMTEをAndroidデバイス向けに設計する計画を最近発表(*3)しました。こうした機能とPlatform Security Architecture (PSA)の組み合わせにより、エコシステム全体を通じて断片化しているセキュリティの標準化に寄与していきます。
*3) https://security.googleblog.com/2019/08/adopting-arm-memory-tagging-extension.html

共通アーキテクチャでより効果的な開発を実現
世界には、最高の体験の創造を目指すソフトウェア開発者が2,300万人存在(*4)します。彼らが求めているのは、標準化されたソフトウェアやドライバ・インターフェイスです。この理想と現状の間には若干の隔たりがありますが、Armは現在、開発者がこの「デジタルイマージョン」の未来を実現できるよう投資を行っています。すべての開発者に選ばれるプラットフォームとしてTotal Computeを提供することで、LSIやバーチャル・プロトタイプでより高いパフォーマンスが引き出せることを目標としています。
*4) 出典:Evans Data Corporation、2018年

開発者の環境支援に向けたArmの取り組みの一環として、基調講演ではUnity Technologies社とのパートナーシップ拡大についても発表しました。同社はゲームクリエイターを支援するというArmと同じミッションを有する戦略的パートナーです。ArmとUnityの協業により、ArmベースのSoC、CPU、GPU、NPUにおいてパフォーマンスのさらなる最適化が進むことで、開発者は没入感あふれる最新コンテンツをより効率的に制作できるようになります。今日のVRコンテンツ開発の70%がUnityで行われる中、今回の発表は、エコシステム全体にとっての大きな前進であり、将来的な成功のカギとなるものです。

Unity Technologies社のプラットフォーム担当バイスプレジデントであるRalph Hauwert氏は次のように述べています。
「Armとの提携を通じ、世界最大のクリエイター集団であるUnityの開発者に対し、10億個以上のArm搭載デバイスに独自に最適化されたツールをご用意できることを嬉しく思います」 

Total Compute:選ばれるプラットフォームへ
この業界は、極めて重要な分岐点に到達しています。特に、個々のIPや分断化したソリューションの統合し性能の最適化を図るという重要な課題の解決に取り組んでいます。未来のテクノロジーがもたらす膨大な機会を活用できるとしたら、ユースケース、カスタマーエクスペリエンス、エコシステムからのニーズなどを、IP設計の根幹に据える必要があります。

VRヘッドセットやウェアラブル、スマートフォン、デジタルTVなど、Total Computeソリューションにはさまざまな要素が含まれます。 私たちの目標は、将来のコンピューティングプラットフォームの基盤を提供することです。Total Computeアプローチにより、セキュリティを簡素化し、パフォーマンスと効率を向上させ、開発者にArmエコシステム全体を通じて、最終的に真のデジタルイマージョン体験の実現を目指します。

Armについて
Armのテクノロジーは、コンピューティングとコネクティビティの革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れた高度なプロセッサ設計は、1,500億個以上のチップを通してインテリジェントなコンピューティングを実現してきました。Armのテクノロジーは各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、さまざまな製品をセキュアにサポートしており、世界人口の70%以上に使用されています。さらに、このテクノロジーにIoTソフトウェアやデバイス管理プラットフォームを組み合わせ、顧客がコネクテッドデバイスからビジネス価値を生み出すことを可能にしています。Armは現在1,000社以上のテクノロジーパートナーとともに、チップからクラウドまで、演算が行われるあらゆる分野における設計、セキュリティ、管理を支える技術の最先端を担っています。

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