AWL、経済産業省「Go-Tech事業」に採択 ―エッジAIが「見る」から「動かす」へ 製造現場の自律安 全に挑む
AWL、ノーステック財団、東北大学、デンソー北海道、トヨタ車体、菊池食品工業、テレビ北海道とコンソーシアムを組成。認識から制御までを0.5秒で完結させるシステムの研究開発に取り組む

北海道大学発認定スタートアップとして、エッジAIのコア技術を自社開発し、映像解析ソリューションとして社会実装を進めるAWL株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 兼 CEO:北出 宗治、以下「AWL」)は、経済産業省・中小企業庁の「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」に、研究開発計画「汎用エッジAIとフィジカルAI連携の工場向け次世代型自律安全確保AIエージェントシステムの研究開発」が採択され、2026年8月6日付で交付決定を受けたことをお知らせいたします。
本事業は、事業管理機関を公益財団法人北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)、従たる研究等実施機関を国立大学法人東北大学とし、2026年9月のキックオフから2029年3月までの3か年で実施します。あわせて、株式会社デンソー北海道、トヨタ車体株式会社、菊池食品工業株式会社、株式会社テレビ北海道(TVh)の4社にアドバイザーとしてご参画いただき、現場要件の助言と実証フィールドのご提供を通じて、大規模量産ラインから中小工場までを横断した検証を進めます。
本研究開発は、AWL単独で進めるものではありません。システムの実装をAWLが担う一方、Physical AIの理論設計と安全性評価は東北大学が主導し、現場ごとに大きく異なる要件は実証にご協力いただく各社からフィードバックいただきます。研究室の中だけでは到達できない「現場で本当に使える安全」を、それぞれの強みを持ち寄って形にしていく取り組みです。
Go-Tech事業について
経済産業省・中小企業庁の「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」は、中小企業者等が大学・公設試験研究機関等と連携して行う、ものづくり基盤技術・サービスの高度化に向けた研究開発を最大3年間にわたり支援する制度です。本事業においてAWLは、「情報処理に係る技術(ロボット分野)」を主たる基盤技術、「機械制御に係る技術」を従たる基盤技術として、国立大学法人東北大学(大学院工学研究科 教授 平田泰久)と連携します。
【背景】製造現場の安全を、「人の目」だけで支えることが難しくなっている
国内製造業の労働災害による死傷者数は年間約2.7万人(厚生労働省 令和5年速報値)と全産業で最多水準にあり、重大事故は1件あたり数億円規模の損害に直結します。一方で現場では、深刻な人手不足と熟練監視員の高齢化により、24時間の目視監視体制を維持すること自体が困難になりつつあります。
加えて、現場には共通する課題があります。
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水蒸気や粉塵といった環境ノイズにより誤報(False Alarm)が生じやすく、アラームファティーグ(警報疲れ)から、真に危険な兆候への注意が薄れてしまう
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導入年代もメーカーも異なる設備が混在するため、現場のデータを横断的に扱うには個別の開発が必要となり、統合には相応のコストと期間を要する
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国内約43万事業所の98%以上を占める中小規模の製造事業者では、初期投資の負担が大きく、安全DXに踏み出しにくい
そしてもうひとつ、仕組みそのものに残された余地があります。今日の監視の多くは「異常を検知して人に知らせる」ところまでを担い、その先――気づき、確認し、判断して機械を止めるまで――は人に委ねられています。ここに数分がかかり、その間に事故は起きてしまいます。
【研究開発の概要】認識・判断・制御までを、現場のエッジで自律的に完結させる
本事業では、AWL独自の汎用エッジAIプラットフォーム「AWL Engine」を高度化し、既存設備を改修せずに後付けできる(レトロフィット)かたちで、マルチセンサ統合・画像認識・機械制御を一体化した「次世代型自律安全確保AIエージェントシステム」を研究開発します。AIによる危険判定の結果をROS(Robot Operating System)経由で物理的な制御信号へ即座に変換し、人の介在を待たずに安全停止・退避行動を実行する――認識から制御までを0.5秒以内で完結させる、エッジAI安全基盤の実現を目指します。
研究開発は、以下の4つの柱で構成されます。
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ユニバーサル・マルチセンサ統合エンジン:機器ごとの規格の違いを吸収し、既存の設備モニターや監視カメラの映像を後付けでデータ化。MQTT・OPC-UA等の主要産業用プロトコルを正規化データ統合バスに束ね、現場を横断して可視化する
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現場文脈理解型の誤検知抑制アルゴリズム:映像と環境センサを同期させたマルチモーダル判定と時系列コンテキスト解析により、水蒸気・粉塵などの環境ノイズを識別。誤検知を大幅に抑制する
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Physical AI 自律防護連携:東北大学の知見を活用し、危険判定をROS命令へ即時変換する制御ミドルウェアを実装。国際機能安全規格 IEC 61508 に準拠したフェイルセーフ設計の妥当性を検証する
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大規模・中小ハイブリッド実証:大規模量産ラインでのハイエンド実証と、中小工場での低コスト実証を並行し、多様な製造現場への適応性を検証する
<現在の一般的な監視体制と、本システムが目指す姿>

【実施体制】強みを持ち寄るコンソーシアムで進める
本事業は、事業管理機関・研究機関・製造現場が一体となったコンソーシアム体制で実施します。規模も業種も異なる現場に初期段階からご参画いただくことで、開発の途中で方向を確かめながら、実際の現場条件に合う仕様へ収れんさせていきます。

【AWLの次のフィールド】小売現場で磨いた汎用エッジAIを、製造現場へ
AWLはこれまで、国内の小売業を中心にエッジAIカメラの社会実装を重ねてきました。機種も設置環境も異なる数多くの現場で、限られた通信・電源環境のもとに安定して動かし続ける――この汎用性と運用力が、AWLのエッジAIの土台です。設備も年代もさまざまな製造現場は、その強みがそのまま活きるフィールドだと考えています。
小売と製造の違いは、求められる即応性と信頼性の水準にあります。売り場での「気づき」は分単位で十分ですが、製造現場の安全は秒未満で決まります。本事業は、これまで培ってきた汎用エッジAI基盤に、東北大学と取り組むPhysical AI(認識した結果を物理的な制御へ接続する技術)を掛け合わせ、AWLのエッジAIを「見る」から「動かす」へと進める挑戦です。現場を映して終わりにするのではなく、現場の中で判断し、機械を動かすところまでを担う――エッジAIの役割そのものを、一段広げます。
あわせて、安価な汎用デバイスとエッジAIを組み合わせたパッケージ化を進め、大規模工場から中小工場まで、企業規模を問わず導入できる形を目指します。安全を、一部の現場だけのものにしないためです。
【今後の展望】
2026年9月のキックオフ以降、段階ゲート方式で研究開発を進めます。初年度(2026年度)はマルチセンサ統合エンジンの開発と大規模・中小それぞれの現場要件定義、第2年度(2027年度)は実機を用いた誤検知抑制モデルの高度化とROS連携の実証、第3年度(2028年度)は軽量化・汎用化と機能安全の妥当性評価、そして商用パッケージングを行い、事業終了後の製品化・実用化につなげます。
本システムのデータ統合層は、安全用途にとどまらず、稼働率の分析や故障の予兆保全にも応用できます。AWLは本事業を、事故を未然に防ぎながら生産を止めない「止まらない工場」を支える現場DXの基盤へと育てていきます。まずは大規模工場から中小工場までの実証を通じて、製造現場で確かな成果を出すことに注力してまいります。
AWLは今後も、「人とリアル空間のリアルタイムな可視化」を通じて、現場データの価値最大化と社会課題の解決に貢献してまいります。
・アドバイザー各社は、現場要件に関する助言および実証フィールドのご提供という立場でご参画いただくものであり、製品の導入や採用を示すものではありません。
・本文中の数値は本研究開発における目標値であり、製品の性能を保証するものではありません。
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AWL株式会社について
北海道大学発認定スタートアップとして、エッジAIのコア技術を自社開発し、映像解析ソリューションとして社会実装してきた企業。国内では小売業を中心に累計16,000台超のエッジAIカメラを展開するなど、研究開発にとどまらない「現場への実装力・展開力」を強みとする。少子高齢化・人手不足など様々な社会課題が先行して顕在化する課題先進地域・北海道を拠点に、ベトナム・インドの開発拠点を擁するグローバルなエンジニアリングチームが、現場に最適なソリューションを高品質かつ優れたコスト効率で提供。独自開発したAI技術が「人の目」を補い、あらゆる現場で「人とリアル空間をリアルタイムに可視化」。グローバルなお客様と共に社会課題に挑み続けています。

AWL株式会社(アウル株式会社)
設立 2016年6月1日
代表者 代表取締役社長 兼 CEO 北出 宗治
所在地
【東京本社】東京都品川区西五反田2丁目24番4号 THE CROSS GOTANDA 8階
【札幌本社】北海道札幌市東区北8条東4丁目1-20
事業内容:エッジAI映像解析ソリューションの開発・提供
https://awl.co.jp
【お問合せ先】
AWL株式会社
担当 土田、和田
info@awl.co.jp
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